serial TV drama『ユニコーンの角』Release Tour「ROCK SAVES YOU ~栄光への反逆 ~」
serial TV drama
『ユニコーンの角』Release Tour
「ROCK SAVES YOU ~栄光への反逆 ~」
@渋谷クラブクアトロ
2011.2.12
前回、serial TV dramaのライヴを観たのは、まさしくちょうど1年前。2010年2月12日の東京・渋谷のクラブクアトロのワンマンであった。そう、ご存じのとおり、それ以降の彼らは、メジャーレーベルへ移籍とミニアルバム『マストバイ』のリリース。ボーカリストのチェンジ。そして、秋にはニューシングル「ユニコーンの角」のリリースと、激動の2010年後半を駆け抜けてきた。
かく言う僕は、ボーカリストがチェンジしてからのserial TV dramaを観るのは今回が初めて。前回の同じ会場でのワンマンは残念ながら都合がつかず観ることが出来なかったので、この久々に観る彼らのライヴをとても楽しみにしていた。
かくいう今回、我がラッカは彼らのニューTシャツのデザインと制作を担当させてもらった。そう、あの「ROCK SAVES YOU」の一文字一文字が色々なものから成立している、あのTシャツだ。そんなことも手伝い、今回、1年ぶりに彼らのステージを観、ライヴレポを行うこととなった。
場内BGMではカントリーやブルーグラスが流れ、そのバンジョーやペダルスティールの音が、良い感じの牧歌性や心地良さを会場に漂わせている。
そんな中、フッと急に場内が暗くなり、QUEENの「RADIO GAGA」が登場SEとして場内に鳴り響く。その曲に合わせ、会場の放つ手拍子の中、メンバーが登場。ギターの新井は、”やったるぜー!!”のポーズ。今日も「調子いいぜーオラー!」って感じのようだ(笑)。フロントの4人のメンバーがドラムの岡田の方を向き、気合い入れを行う。岡田が4つ打ちを力強く放ち、それに乗せて他のメンバーも自分たちのに定位置に。ビートにガツンとしたハードドライヴィンなウワモノが乗り、ワクワクゾクゾクさせる「オオカミ」が始まる。イントロに乗せ、ボーカルの鴇崎も場内を煽る。新井、稲増のツインギターによるリフ性溢れるモータードライヴ感と、アメリカンハード性溢れるサウンドが特徴の同曲。鴇崎もアクティブにステージアクションを魅せ、早くも新井の超絶なギターソロも飛び出す。1曲目から場内は高揚感たっぷりだ。
ノンストップで岡田の4つ打ちと、近藤のベースの刻みから、2本のギターが次々に加わり絡み出す「スペースオペラ」へ。前曲から急変、いきなり会場を景色の良い場所へと誘い出す。間に飛び出した、新井のスイ―プ奏法もバッチリ。アウトロでの稲増、新井の2本のギターとベースによるぶ厚いカッティングにゾクゾクする。
鴇崎の「いくゾ!!」の掛け声と共にノンストップで「コピペ」に。チャイニーズなイントロと裏打ちのビートが絡み、サビの16ビートになるところでは、ミラーボールも回り出し、ここまで楽曲全体を支配していたスリリングさに、ダンサブルさと上昇感、微かな至福感が加わる。近藤のベースソロも交え、稲増の発狂カッティング~新井のギターソロと、各人の見せ所も上手く間に組み込んで魅せる。
「ワンマンライヴにようこそ。serial TV dramaです。一緒にロックしに帰ってきたから、みんなも自由に楽しんでいこう。明日はきっと晴れるよ」と鴇崎。その彼もタンバリンを持ち、続いては彼らの魅力の一つとも言える、新井、近藤、岡田の3声によるハーモニーも加わり「あしあと」を始める。以前よりもテンポを落とたぶん、どっしりとなりつつも、サビでのパーッと広がった景色観が魅力の同曲から、重いミッドなドラムのつなぎを経、次の「立ち止まりジャーニー」に突入する。鴇崎の感情のこもった歌に近藤がハーモニーを加え、切なさを倍増させる。間には変則3拍子を交えながら楽曲を進めていく。
ここでMCが。鴇崎が、「大阪、名古屋ときて、ここ東京に帰ってきた」こと。「各地でおいしいものを食べてきた」こと。「ここ東京では大戸屋の生姜焼き定食を食べた」等を伝える(笑)。ちなみに大戸屋の生姜焼き定食は、おいしかったそうです(笑)。そして最後に、「今日は楽しすぎてみんなの墓場にしてやるからよろしく」とMCを締め、会場全体を海岸線のドライヴへと誘った「シーフード」、ハーモナイズドなSEが流れ、波のように大きくなっていくシンバル音、そこに朗々と響き渡る鴇崎による歌フレーズと、「ロック!セイブス!ユ~!!」のシャウトと共に、「ROCK SAVES YOU」に突入。2ビートのカウパンクノリのビートが雄々しく会場を引っ張っていく。朗々と歌う鴇崎のボーカルと力強い岡田のビート、新井のライトハンド奏法も光るナンバーに場内も大ノリ。ブレイブ感と、<これからもロックを信じるゾ!!>と、力強い決意を会場全体に与える。間に一度しっとりとした部分を交え、一旦落ち着かせながらも、逆にそれが起爆となり、続いては怒涛の後半に。ここでは、新井、稲増の2人のツインギターソロも光る。まるで船出のように前途洋々で神々しく光っている曲に会場全体に勇気がみなぎる。
ワンマンならではの趣向がここで凝らされる。椅子に座り、新井のアコギとボーカル、鴇崎も椅子に座り、2人で、お互いが共通で好きだという、EXTREAMの「MORE THAN WORDS」のカバーを弾き語り風にしっとりとプレイ。タップ入りのギターの爪弾きに、鴇崎のデリケートさも力強さも交えた歌が聴き入る場内に響く。鴇崎の歌の上手さ、感情の込め方に改めて感心させられた場面だ。
他のメンバーが再びステージに現れるも、新井はそのままアコギを持ち、座ったまま。バンド+アコギの構成で「自由への讃歌」にイン。アルペジオの稲増、ナチュラルな近藤のベース、岡田のドラムもあえてシンプルで、まるでアコースティックライヴのような趣きでプレイされる。それに聴き浸る会場。
「今、死ぬほどアルバムに向けての曲を作っていて。今日はどうしてもその中の1曲を演りたい」とギターをエレキに持ち直した新井が、そして鴇崎が「ストレートなロックだから、自然と身体を揺らしたくなっちゃうはず」と続け、まだタイトル未定の新曲を始める。パーティ性とコーラス性溢れるアメリカンハードロックライクなテイストを基調に、サビは4つ打ちで適度な上昇感を携えたナンバーだ。そして、そのまま「赤いパーカー」にイン。場内を眺めの良い場所へと誘ってくれる。相変わらず中間部では、”おい、おい、どこまでいっちゃうんだよ?”と、変拍子を交えたカオスな展開に。しかし、それを経たからこそ訪れるサビの部分の広がりや開放感がたまらない。そして、いよいよ本日の本命。本編ラストには、”待ってました!!”の新曲「ユニコーンの角」が飛び出す。いやー、展開が目まぐるしく色々と変化していく曲なのに、フロアのお客さんもしっかりとついていく。ラストは会場一体となって大盛り上がりを見せる。
ここからはアンコール。3月6日発売のニューシングルとなる彼ら初のカバー「愛が止まらない」が、この歌の原曲を歌っていた元WINKの鈴木早智子をゲストに交え、ツインボーカルスタイルでプレイされる。ロックバンドと共演するのは初めてだったという彼女。そのわりには、なかなか堂に入っていたステージングであった。「これを機にロックに目覚めたり?」と歌い終わった鴇崎から、鈴木へのクエスチョンもうなづけるサプライズであった。オリジナルの切なさはキチンとホールドしつつも、高揚感とロック的カッコ良さとダイナミズム、ドライヴ感と哀しみを吹っ切って突っ走っていく感が上手く表れたナンバーだ。
そして、重くどっしりとしたミッドテンポに変貌した「THE DANCE」がここで飛び出す。とは言え、この曲では、以前より恒例であった曲の途中でインサートされる岡田のジャイブも健在。新井の弾くギターフレーズに、岡田が同じフレーズをジャイブで返す。ここでは稲増もギターソロをガツンとキメ、アウトロでは今度は新井が、”これでもか!!”というぐらいギターソロを弾きまくる。そしてラストは「まばゆい」。曲の開始と共に会場ではタオルが大旋回。ドライヴ感溢れるサウンドが場内を景色の良い場所へと誘う。サビのストレートで伸びやかなところが気持ち良い。間には、ステージと客席との掛け合いも入り、更に興奮度に火が点く。そして、ラストに向けての怒濤に突入すると、ステージ、フロア、共に一丸性や連帯感が生まれ、最後の一体感を見せる。
鴇崎のアクティブなステージアクションを始め、セットリストもギュッとコンパクトになりながらも、あくまでもトゥーマッチで濃厚。攻めを感じさせるライヴを終始展開してくれた彼ら。あらゆる点で感慨深く観させてもらった一夜だった。
Report : 池田スカオ和宏
「マジ!スカえもん」です!!トレードマークは「MAJI印用品」特製の黄色いパーカーにリュック。どーぞ、よろしくです。
ライブ終了後の楽屋やステージ裏側からの光景を、僕の視点でお伝えしていく第4回目。
今回はserial TV dramaの2011年2月12日の渋谷クラブクアトロのライヴ直後の楽屋に来ています。
よし、5人いるゾ。まずは名刺とシールを。
メンバー一同「うおーっ、いいっすね、これ!!何に貼ろうかな」
スカえもん「今日は1年ぶりのみなさんのライヴでした」
岡田「ホント、お会いするのも久しぶりですよね。以前、a flood of circleのライヴ会場で会って以来ですかね?」
新井「僕たちのライブは、『SPACE OPERA』の時のライヴレポート以来ですよね?」
稲増「久しぶりに僕らのライヴを観ていかがでした?」
スカえもん「いやー、あの時からかなり変化していて驚きました。昔の曲でもテンポやアレンジも変化していたり、いかんせんコーラスに頼っていない印象を受けたかな」
近藤「その辺りの変化に気づいてもらって嬉しいです」
新井「かなり明るくなったでしょ。ステージに華があるというか」
鴇崎「実は1年前のあの時から、ボーカルが僕に変わったんですよ、知ってました(笑)?」
スカえもん「いやー、幾らライヴは御無沙汰とは言え、色々と情報は逐次入っていたから(笑)。そのぐらいは知ってましたよ。傷ついたなぁ(笑)」
メンバー一同「大爆笑」
以上、スカえもんがお届けしました。
【SET LIST】
M-1.オオカミ
M-2.スペースオペラ
M-3.コピペ
M-4.あしあと
M-5.立ち止まりジャーニー
M-6.シーフード
M-7.ROCK SAVES YOU
M-8.MORE THAN WORDS
M-9.自由への讃歌
M-10.新曲 : タイトル未定
M-11.赤いパーカー
M-12.ユニコーンの角
Encore
En-1.愛が止まらない
En-2.THE DANCE
En-3.まばゆい
【MEMBER】
Vo. 鴇崎 智史
G. 新井 弘毅
G. 稲増 五生
B. 近藤 太
Dr. 岡田 翔太朗
【BIOGRAPHY】
2004年1月結成。5月よりLIVE活動開始。
2007年3月、1stミニアルバム『ginger』を発表。
2008年3月、店舗限定3曲入りシングル「まえぶれ」をリリース。各メディアから賞賛の嵐。同年7月、待望の1stフルアルバム『シリアルキラー』をリリース。全国ツアーを敢行し、ファイナルの下北沢CLUB QUEは即日ソールドアウト。同年末にはCOUNT DOWN JAPAN08-09、VINTAGE×DI:GA 2009、ROCK IN JAPAN 2009などのフェスティバルに出演。
2009年10月、2ndアルバム『SPACE OPERA』をリリース。その後も全国ツアーを実施する等、積極的にライブ活動を重ねる。
2010年7月、メジャーに活動のフィールドを移しSony recordsよりミニアルバム『マストバイ』をリリース。同年8月、新ヴォーカリストとして鴇崎智史を迎え、新たな歴史を刻み始める。同年11月、シングル「ユニコーンの角」をリリース。2011年2月、同作品を引っ提げて東名阪ツアー行う。同年3月、初のカバー曲を含む「愛が止まらない-Turn It Into Love/シティーボーイの憂鬱」両A面シングル発売。
【NEW ITEM】
DOUBLE A-SIDE SINGLE
「愛が止まらない -Turn It Into Love- / シティーボーイの憂鬱」
【初回生産限定盤】CD+DVD(「ユニコーンの角」MUSIC VIDEO)
SRCL-7556~7
¥1,575 (tax in)
【通常盤】(CDのみ)
SRCL-7558
¥1,300 (tax in)
【Sony records】
2011.3.2 ON SALE
1.愛が止まらない -Turn It Into Love-
2.シティーボーイの憂鬱
3.i LOVE U , TOKYO !!
4.i LOVE U , YOUR FAVORITE !!