indigo la End 150分の話 のあと、素敵な夜明けが待っていた

Filed under: LIVE REPORT — タグ: , — admin @ 2014.06.14

indigo la End 150分の話 のあと、素敵な夜明けが待っていた


 この日の会場は渋谷クラブクアトロ。全国ツアー『indigo la End TOUR 2014 「夜明けの話」』のファイナルでした。去年の5月28日に行われた前回のワンマンから約1年。超満員の中、この日は150分に渡るライヴが繰り広げられました。

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今回のツアーでのラッカが作ったニューグッズは、これでした。
ウサギシリーズの絵にあるウサギ、見つかったかな?

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LIVE REPORT
indigo la End
indigo la End TOUR 2014 「夜明けの話」
2014.5.14@渋谷CLUB QUATTRO

 ステージに彼らが現れた瞬間から、”あっ、これまでと違う!!”と感じた。
 それは、最近のアーティスト写真に映っているような揃いの白系のスーツに合わせたステージ衣装もそうだし、今までステージセンターに位置していた川谷絵音のポジションが舞台上手(かみて=向かって右側)に移り、リードギターの長田カーティスがセンターに立つフォーメーションに変わっていたことからも感じられた。しかし、ライヴを観進めていくうちに、それらはまだまだ出てくる。最近のサポートベーシスト、後鳥亮介による運指の多いグルーヴ性豊かで躍動感溢れるベースラインもそうだし、彼らのライヴに更なるふくよかさを与えるコーラスの佐々木みおのライヴでの全面参加も、もちろん私に”これまでと違う”ことを感じさせた。が、しかし、それ以上に私に”これまでと明らかに違う!!”と思わせたのは他でもない、彼らから放たれる楽曲を通してのお客さんとのコミュニケーション力であった。その辺りがこれまでと圧倒的に違っていたのだ。それはニューアルバムの楽曲からの印象が特に強かったのだが、それに牽引されるように相乗効果を生んだのか?はたまたメンバーの放つ意識が変化したり、アレンジが変わってなのか? 過去曲に於いても、圧倒的に曲を通してのコミュニケーション力が付いていたことに驚いた。そしてそれらは、各楽曲で呼応するオーディエンスとのエネルギーの交歓や、それに伴い彼らが発する熱と結びつき、”盛り上がり”というものに結実していく。かつては例え満場だろうが、そこを支配していた圧倒的な一対一感、そして個を楽しんでいたものが、今では明らかにお客さん一人一人との共有感を成立させ、おおよそそれは、これまでの彼らからは想像も出来なかった一体感や一緒感を味あわせてくれるものであった。

 思えば今年4月にメジャーに移籍し、リリースされた『あの街レコード』自体が、その辺りを内包していたように思う。あの作品からは、明らかにこれまで内気味だったものが、外に向かってきていることが感じられた。確かに彼ら特有のブログレッシヴなところも散見された。しかし圧倒的に、歌が、そしてサウンドがこちら側を向いていた。別にシンプルになったわけでもなく、分かりやすく、伝わりやすくなったわけでもないのだが、グッとこちら側に寄ってきた。そんな印象を同作品から私は受けた。

 そして、それを確かめるべく、会場である渋谷クラブクアトロに向かった。
 ライヴ中のMCでもボーカル&ギターの川谷が語っていたのだが、この渋谷クラブクアトロでのワンマンライヴは実は2度目となる。1度目は、ちょうど昨年の5月28日。その時も埋まってはいたが、残念ながらソールドアウトには至らなかった。近いバンドや朋友、同期のバンドたちが、同じ会場を次々とソールドアウトさせていくのを見て、悔しい想いをしたという。それもあってのことだろう。あえてこの1年を空け、この会場で再びやる。そこにこのワンマンの意味と意義、そして、”ここをクリアしないと次には進めない!!”、そんなリベンジめいた意地が窺えた。そして、その1年に応え、新作を通してついた新規のファンも加わり、この日はめでたくソールドアウト。加えるなら、早期の段階で、だ。

 この日のクアトロは全国6ヶ所を回ったツアーのまさに終着地点の様相を見せた。
 4人とコーラス佐々木がステージに現れる。暗いステージの中、ガツンとしたバンドによるデモンストレーションと共に、ステージが背後からの眩しい白色のライトで発光していく。まぶしい光に包まれる中、ライヴはスタートした。1曲目は川谷のギターカッティングから入った「名もなきハッピーエンド」。ニューミニアルバムからの曲で、ライヴを走り出させるかのようなスタートに相応しい曲だ。ステージセンターを務める長田が既にステージ前方までせり出し、ギターソロを泳がせるように弾く。こういった長田がステージ前方に出て、”俺の出番だぞ”的にプレイする光景も新鮮だ。そしてその後、川谷による「ベース、後鳥亮介」の紹介の後、飛び出したのはスラップを効かせた後鳥のベースソロ。その後、再び会場を一つにまとめて走り出させるが如く、オーディエンスとの並走をバンド全体で見せる。楽曲が終わるもドラムのオオタユウスケがバスドラ4つ打ちでつないでいく。それに合わせて会場から起こるクラップ。このようにMC以外のところでは、曲間でもオオタが何かしらのビートでライヴを繋いでいき、それがことさらシームレスを感じさせる。2曲目は「緑の少女」。ここでも長田のギターフレーズが絵でも描くように広がっていく。そして、佐々木の女性ならではのふくよかなコーラスがより、この楽曲に淡い色彩を加えていく。この曲の変化が如実だった。明らかに以前より明るく広がっていたのが印象的だった。3曲目でindigo la Endのブログレッシヴな面や、若干の難解さを擁した楽曲が飛び出す。「キャロルクイーン」だ。この曲の魅力は、ズバリ急展開。スリリングで不穏、展開への変速が織りなされる中、フッと現れたサビのストレートさが気持ち良い。
 ここで一旦佐々木がハケ、4人で「楽園」に入る。間には川谷のポエトリーリーディング的唱法も交わるのが特徴的な同曲。そこから大海原へと誘うようなダイナミズムがたまらない。合わせて急転直下でやってくるストームのような激しさ。ダイナミズムとストームが交互に表れては会場を飲み込んでいく。

 川谷が「こんばんは、indigo la Endです。今日はワンマンなので最後まで楽しんで下さい」と軽く挨拶。早々にライヴに戻る。
 オオタの4カウントと川谷の歌い出しから始まった「染まるまで」では、長田がロングトーンのギターフレーズを会場中に泳がせる。川谷と佐々木が男女混合スタイルのツインボーカルで歌を重ね合い、それが歌物語のストーリーと情景を同時に広がらせていく。
 オオタのドラミングによる繋きから、浮遊感とまるで印象派の絵のような雰囲気を持つ「彼女の相談」へ。この季節に似合う楽曲の登場にちょっと嬉しくなる。♪治らなそうだよ 治らなそうだよ♪と哀しげで切ない歌声で川谷が歌う。この楽曲も一筋縄ではいかず、一瞬止まっては激しい部分がインサート。その分、後半に現われる上昇感がたまらない。突如飛び込んでくる♪分かったよ♪のフレーズとハミングも心地良い。同曲を綺麗にキメず、あえてノイジーに締めるのもいかにも彼ららしい。
 よりお客さんが飛びついてきたように見えたのは、「アリスは突然に」であった。ニューミニアルバムからの曲で、彼らの今後の真骨頂的な楽曲になる予感がする。川谷のリズムギターに、躍動感のある後鳥のベース。その上を自由に泳ぎ回る長田のギター。そして、次から次へと場面展開を促するオオタのドラミングが光る楽曲だ。そして、川谷、工藤によるハモリとそれぞれのリフレインは男女ツインボーカルならではのコントラストを見せてくれた。

 ここで各人の特徴を交えたメンバー紹介が挟まれ、「ダビングシーン」「夜明けの街でサヨナラを」が立て続けに鳴らされる。「夜明けの街でサヨウナラ」が現れると、更にライヴが走り出していく。サビではフロアからの無数の手が開放的なメロディに合わせて、ステージに向けて伸ばされる。去年までだったら信じられない光景だ。これまでは例え手が伸ばされたとしても、それは一方通行。それがこの場では、ステージから伸ばされた手とステージへと伸ばされた手とガッチリ組み合っていた。

そして、オオタの魅せどころたっぷりの超絶ドラムソロを挟み、更に場内の高揚感に火をつけた後は、彼らの難解性やブログレ気質が炸裂した「billion billion」に入る。同曲で印象的だったのは、♪やってみようか 俺がやってやろうか とにかく普通のことを 上手くやってやろうか♪のフレーズ。やはりライヴでもこの辺りはズバッと飛び込んできた。サビで現れるストレートさと解放感の中、長田もライトハンドを交えたギターソロを会場中に響かせていく。
 そして、この日の激しさNo.1は、次曲「fake street」と言えよう。まさにこの曲は会場を強襲したと言っても過言ではなかった。

 ここでMC。川谷が今回の『あの街レコード』について語る。「去年のフルアルバムとは全然違う。いい作品。アルバムを家に帰って、また聴いてもらえると嬉しい」と伝え。後鳥には、「もう、メンバーでもいいんじゃない?」とグループへの正式加入を執拗に誘う。
 再びライヴに戻ると、ここからは後半戦。更に会場を巻き込み、彼らの世界観が各曲を通し広がっていく。
 まずは、彼ら独特のとぼとぼとした感じと、後半に向けジワジワと広がって行き、ラストはとてつもない広がりを見せた「ミルク」、交互にやってくる激しさとたゆたう感じがたまらなく、明らかにこれまでよりも展開も激変ぶりのメリハリ付けや物語づけも凄くなった「大停電の夜に」、そして、川谷と長田のこれまた、これまで観たことの無かった、向かい合ってギターフレーズを弾くイントロから入った「秘密の金魚」では、川谷のポエトリーリーディングも飛び出し、その煽り立てるようなフレーズは、この日も胸をギュッと締めつけた。ラストは「幸せな街路樹」。この曲では会場中を更なる高見へと連れて行ってくれた。長田のギターも狂おしいぐらいにたゆたい、ラストはとてつもないダイナミズムと、”凄い!!”という印象で会場をすっぽりと包んでいく。バックからの白色の眩しい光量がグングンと楽曲の高揚度に合わせて上がっていき、ステージも会場も眩しい白い光に包まれていく。

 アンコールでは、まずドラムのオオタが一人でステージに現れる。クアトロの想い出を感慨深く語り、そしてこのツアーの各会場各箇所、そのオオタが歌ってきたというこの場面。この日の曲は、なんとPANTERAだった(笑)。一人でバンド形式を交え歌うオオタ。そこに川谷のリクエストで、スピッツの「涙がキラリ☆」を交え歌ったりと、このヒエラルギーが面白い。
 アンコールに入ると新曲も飛び出した。抜き差しが活きた、まことにライヴを再び走り出させた楽曲であった。アンコールラストは「素晴らしい世界」。やはりラストはこの曲が似合う。とは言え、不思議と昔ほど寂しさや疎外感がそこには無かった。それよりもむしろ、明日に向かっての明るさや力強さ、信念みたいなものを感じた。そしてラストは、川谷がメンバーが去ったステージで一人ポツンとこの曲の特徴的なフレーズをノンマイクでリフレインする場面。それを固唾を飲んで見守るように耳だけで全てを感じようとするオーディエンス。この場面や緊張感、不思議なポッとした気持ちを残してくれるところは、この日も変わらなかった。

 ダブルアンコールでは川谷が一人で現れた。アコギの弾き語りで、「あの街の帰り道」を歌う。ピンスポットの当てられたステージにポツンと一人、この歌の特性をダイレクトに伝える。みんなが聴き入り、同時に、あの街からの帰り道を思い浮かべる。

 これまで彼らのライヴには、”個”という印象が強くあった。放つ方も個、受ける方も個。しかし、最近の彼らのライヴには、何かしらの共有感が感じられる。これは一緒感や一丸性とはまたちょっと違った類いのもの。言い換えると、なんかみんなが分かり合え、伝わり合う感じ。これまで私だけが分かった、感受していたものとは真逆の、私たちって感覚。とは言え、そこに描かれる絵や物語は一人ひとりが違ったものだったりする。
 以前よりindigo la Endの曲には、早朝や朝もやの向こう、浮かび上がってくる何かに似たものを感じていた。今回のツアータイトルは「夜明けの話」。なるほど。清々しいほどの朝焼けが浮かび上がる数時間前、その夜明けの素晴らしさを、この日は2時間半を通して語ってもらった気がした。

Report 池田スカオ和宏

【SETLIST】

1 名もなきハッピーエンド
2 緑の少女
3 キャロルクイーン
4 楽園
5 染まるまで
6 彼女の相談
7 アリスは突然に
8 ダビングシーン
9 夜明けの街でサヨナラを
10 billion billion
11 fake street
12 ミルク
13 大停電の夜に
14 秘密の金魚
15 幸せな街路樹
Encore
En-1.新曲
En-2.素晴らしい世界
Double Encore
W-En-1. あの街の帰り道


INFORMATION

【MEMBER】

picka23_indigolaend_artistVo.&G. 川谷絵音
G. 長田カーティス
Dr. オオタユウスケ
サポートベーシスト 後鳥亮介

【PROFILE】

2010年2月より活動を開始。絶対的な歌を中心に美しい音をポップに奏でるロックバンド。
心象風景が音楽で具現化されたような際限のない広々としたサウンド、ボーカル川谷絵音の広く深く響く歌声を主軸とし、確固たる独自の世界を多様な音楽で紡ぎ出している。

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「あの街レコード」
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¥1,500(税抜)
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NOW ON SALE

1. 夜明けの街でサヨナラを
2. 名もなきハッピーエンド
3. billion billion
4. あの街の帰り道
5. 染まるまで
6. ダビングシーン
7. mudai
8. アリスは突然に

【ARIST HOME PAGE】

http://indigolaend.com

【LIVE INFORMATION】

http://indigolaend.com/live

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