People In The Box 『空から降ってくる vol.7 ~空想する春のマシン~』 2014.6.30 @中野サンプラザ

Filed under: LIVE REPORT — admin @ 2014.07.13

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People In The Box

『空から降ってくる vol.7 ~空想する春のマシン~』

2014.6.30 @中野サンプラザ

 

今回もラッカがツアーグッズ一式を作った、People In The Boxの全国ツアー『空から降ってくる vol.7 ~空想する春のマシン~』が、この6月30日の中野サンプラザを以て終了しました。今回のツアーは全国17公演。どこも盛況だったと聞きます。

今回のツアーグッズとして、我がラッカは、iPhoneケース、Tシャツ、インデックスクリアファイルのデザイン&作成をしました。

それらに際し、デザインを担当したLUCKON GRAPHICSの幸田は、「Tシャツは、“空から降ってくる〜春のマシン”ということで、春雨のようなイメージで傘をデザインしました。また、インデックスクリアファイルの方は、「Weather Report」から連想されるものたちを空から降らせてみました」と語ってくれました。

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ライヴ中に、ボーカル&ギターの波多野裕文が、「これでツアー終わっちゃうんだよ。マジで終わりたくねぇ」「これまで以上にツアーが終わるのがイヤだと思ったことはない」と言っていたり、「ここまでずっとライヴハウスみたいなスタンディングでやってきたから、こうやって椅子があるところで突然やるとなんか不思議な気がする」等の言葉からも現れていたように、これまでの彼らのライヴとはまたちょっと違った、良い意味で解放され、自由に伸び伸びと展開されたライヴのようにも映ったこの日。というのも、今回のツアーは特にリリースの発売記念だったものとは違い、主なリリース作品らに縛られることになく行われたもので、それらも手伝い、非常に自由で縦横無尽な選曲でもありました。しかも、今回はサポートギタリストなしの元来の3ピース体制でのライヴであったこともあり、何かこれまでとは違ったエネルギーや一丸性、はたまた逆にパラレルさを感じることが出来ました。

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サーチライトが会場を回遊した「時計回りの人々」、ベースの福井健太のスラップも交わった「潜水」、サビに現われる解放感がたまらなかった「はじまりの国」等、前半から自身の世界観にグイグイと惹き込んでいった彼ら。

間にはドラムの山口大吾による、「ちょっとディスったぐらいがみんな気になって物販物が売れる」との言葉を信じ、黙って、しかも笑いながら聞いていた物販の宣伝を含め、ライヴ中の各楽曲にて会場を支配している緊張感をほぐすかのような山口のMCは相変わらずでした。

そして、このツアーでは、既に完成したと思しき8月6日発売の彼らのニューアルバム『Wall, Window』からも、「もう大丈夫」「さまよう」「おいでよ」の3曲を一足早く披露。特にループ感のある波多野によるピアノも印象的であった、「もう大丈夫」は、そのアルバムの中でも、特に多くの人の心に入り込める可能性を持った歌として響きました。

「中野サンプラザは、何度もライヴをやってきているから、ホームのような気がしている」とは波多野。「このツアーを経て、ライヴハウスでこれまで培われたこととは別物の気がする」と続けた言葉通り、この大ホールならではの演出も見どころの一つにあった、この日。特に「ブリキの夜明け」では、巨大なオブジェが映し出されたりと、音のみならず視覚からも彼らの世界観へと誘われることが多々ありました。

そんな中、後半は人気曲、よりぐわっと会場を惹き込み、襲うかのような曲が連発されました。最後の山口のMCの後のお決まりのセリフ。「今日もぶっこんで行きますんで!!」からの、ラストスパートとも言える怒涛の5連射には、バンド「People In The Box」の真骨頂が、そこかしこに表れ、彼らの静寂性や抒情性、その中に潜む緊張感やスリリングさ、はたまた突然カタストロフィーのように襲ってくる激しさや凄まじさに、心も体も都度、振り回されるかのように、それぞれの歌場面場面に、惹きこまれて行きました。中でも本編ラストの「JFK空港」では、”待ってました!!”の、波多野によるポエトリーリーディングも交わり、それら激を抜けた後が故、余計に感じる<凪>に浸らせてもらい、おごそかで清らかな気持ちへといつの間にか移っている自分と出会うことが出来ました。

アンコールの際には、今回のツアーTシャツが完売したことも告げられ。やはり前述の山口によるディスりが、逆に本当に購買意欲をくすぐったのかも…?なんて真剣に思わされた瞬間もありました。

そのアンコールでは、怒涛の演奏の中、あえて淡々と歌われるところに、逆に冷静が故の狂気も感じた「旧市街」、ダブルアンコールの際に飛び出した「ヨーロッパ」では、これまで以上に、同曲がエモーショナルに響き、突如現れたストームのような演奏と合わさり、最後の大嵐を会場に吹かせてくれました。

“凄かった…”の感想と、ラストに辿り着いた不思議な安堵感や凪を残し、3人はステージを下りました。

誰も居なくなったステージのバックスクリーンには、8月6日に上述のニューアルバム『Wall, Window』のリリースと、同時発売で、アルバムには未収録のニューシングル「聖者たち」の発売もババーンと告知され、特に「聖者たち」は、人気コミック『東京喰種トーキョーグール』のTVアニメ化に際するエンディングテーマに決まっており、今後、彼らがより多くの人に届くことになるだろうとの予感を更に強めてくれました。

そして、山口が最後に言った「今年のピープルには、期待していていいから」の言葉、そして波多野から続けられた「今年は今まで以上に攻めていくから」の言葉が、本当になる予感をますます強くした場面でもありました。そう、彼らの「ヨーロッパ」という楽曲の中にあるワンフレーズ♪君の胸騒ぎが本当になればいいな ♪が本当になる日は近いのです。

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<セットリスト>

1.ストックホルム
2.時計回りの人々
3.潜水
4.はじまりの国
5.市民
6.金曜日 / 集中治療室
7.冷血と作法
8.もう大丈夫
9.さまよう
10.おいでよ
11.ブリキの夜明け
12.マルタ
13.気球
14.八月
15.ニムロッド
16.完璧な庭
17.球体
18.鍵盤のない、
19.JFK空港
Encore
En-1.ダンス、ダンス、ダンス
En-2.開拓地
En-3.旧市街
Double Encore
W-En-1.ヨーロッパ

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