WHITE ASH「銀テープが飛び、粉雪が舞ったツアーファイナル」

Filed under: LIVE REPORT — タグ: , — admin @ 2014.04.01

銀テープが飛び、粉雪が舞ったツアーファイナル


2ndアルバムは、あれ?あのグループ!?
 WHITE ASHは、2013年12月11日にらニューアルバム『Ciao, Fake Kings(チャオ・フェイク・キングス)』を発売しました。このアルバムには、多くの彼らの新しいテイストが含まれていました。中には、”えっ!?”と驚いたり、感心したり、耳を疑うものも。とは言え、そのどれもが彼ららしくキチンと消化。全てがWHITE ASH的に響いており、素敵でした。
 そして、このジャケット。今回は、これも含め、あのNirvanaの名盤『Nevermind』へのオマージュが沢山。他にも楽曲中一瞬現れるエフェクターの音色等、その上、今回のツアータイトルも上記の『Nevermind』に収録されていた「Lithium」という曲名にとても似てますよね。


全会場ソールドアウトしたワンマンツアー
今回のツアーは全国9カ所。全てがソールドアウト。
ファイナルの渋谷AXでも、ボーカル&ギターののび太くんが、「今回、全国でソールドアウトしたことが嬉しい」と語っていました。
スケジュールは以下でした。
それから写真は、ファイナルの渋谷AXの様子です。お花のロゴにも注目です。

WHITE ASH One Man Tour “Lilium”
2014年2月8日(土) 福岡 VIVRE HALL
2014年2月10日(月) 広島 Cave-Be
2014年2月11日(火・祝) 高松 DIME
2014年2月15日(土) 札幌 COLONY
2014年2月21日(金) 新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
2014年2月22日(土) 名古屋 CLUB QUATTRO
2014年3月1日(土) 大阪 BIGCAT
2014年3月9日(日) 仙台 MACANA
2014年3月15日(土) 渋谷 AX

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グッズは各会場ごとに...
今回のWHITE ASHのツアーグッズは、全国9カ所、2種類のそれぞれ違ったグッズを販売したんです。
まずは今回のツアーTシャツ。題して「リリウムTシャツ」は、フロントは彼らのロゴが反転したデザインですが、バックプリントの各会場名のところが、各地その土地土地で色を変えていたんです。気づいてました?

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また、ご当地ごとに限定で販売された缶バッヂ「アッシュクン リョコウキ 缶バッジ」。こちらはそれぞれのび太くんがイラストを描いたんです。

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他にも今回、ラッカはグッズを沢山作りましたよ。
「ロゴタオル」「ラバーバンド」「iPhoneケース」「ショルダートートバッグ」「ステッカー」を作りました。
各グッズ大好評のようで嬉しいです。

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LIVE REPORT
WHITE ASH
「WHITE ASH One Man Tour “Lilium”」
2014.3.15@SHIBUYA-AX

 場内に入るとBGMとしてNirvanaが1991年に発表したアルバム『Nevermind』がかかっていた。WHITE ASHのニューアルバム『Ciao, Fake Kings』にて、ジャケットも含め、タイトルや楽曲中一瞬現れるエフェクターの音色等、作品内の幾つかのシーンでオマージュ的に関連付けが成されていた『Ciao, Fake Kings』を語る上で、避けて通れない重要な1枚だ。そして、それを受けての、このツアータイトルも…。

 四つ打ち、日本語楽曲、ラテンロック…。振り返るとニューアルバム『Ciao, Fake Kings』には、彼らの新しいテイストが多分に含まれていた。中には、”えっ!?”と驚いたり、感心したり、耳を疑うものも。しかも、それらはいずれもそこに違和感などなく、むしろすんなりと受け入れられる類ばかり。今まであえて拒み、否定し、抗っていたものを、今回あえて取り入れることにより、自身でそれをどう消化し、自分なりの音楽性として表していき、万人に認めてもらうところまで持っていくか。そんなシニカルなチャレンジのようにも私には映った。結果、それらはどれもトレースするに留まらず、見事に自身らしさを交えて表現していたのだから恐れ入る。まるでそれは、<どんなものを採り入れようが、結局は自分たちらしくさせる自信がある>、そんな自負に満ちているようであった。

 今回のワンマンツアーは、ニューアルバム『Ciao, Fake Kings』を引っ提げて行われたもの。全国9カ所、その全てでソールドアウトを記録した。この日はその『Ciao, Fake Kings』から全曲プレイされた。そして、同作品内に漂っていた、<色々なことをやっている感>が見事に昇華され、且つ一つの大きな物語のような様相を見せていた。

 眩しいバックライトの中、SEに合わせクラップが起こる。ドラムの剛、ギターの山さん、そして、ベースの彩が順にステージに現れる。山さんが深々と会場に向けてお辞儀をし、少し遅れて大歓声の中、ボーカル&ギターののび太が現れる。

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 そののび太がギターをガゴッと一音。ライヴ開始の合図のように鳴らす。1曲目は先日発売されたばかりのthe pillowsトリビュートに収録され、同盤のトップを飾っていた、自らのバンド名もそこからとられたという「White Ash」のカバーだった。てっきりニューアルバム冒頭の「Casablanca」辺りから始まると予想していただけに、このスタートには意外を通り越し、彼ららしさすら感じた。しかも日本語だし。疾走部で盛り上がらせるも、あえて1番しか演らないで次曲へ。うーん、実に彼ららしい。続いて間髪置かず「Crowds」にイン。赤や紫のライトの中、彩のスラップを交えたグルーヴィーなベースと剛のドラミングが楽曲をグイグイ引っ張っていき、その上に乗ったのび太のソリッドなリズムギターや、山さんのギターが安心して自由に泳ぎ回っていく。

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 「今日は最高の盛り上がりにしましょう」とのび太が短く一言。続いては、彼らの中では異色の4つ打ちダンサブルナンバー「Number Ninety Nine」だ。ここでは作品同様、山さんによるNIRVANAライクなエフェクター音でのゆらぎのあるギターソロも披露。作品をキチンとライヴでも再現できるところをアピールしてくる。

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 ここでMC。「なんと今日はツアーファイナルです。長かったような、短かったような…」とのび太。山さんが「短い」と告げるも、のび太は長く感じたご様子。「今日は最後なので、みなさんと最高の夜を過ごせたらと思っています」と締め、ライヴに戻る。

 哀愁歌謡的なメロディが印象的な「Extreme」で、山さんがスリリングさを湛えた裏打ちギターを交え、楽曲に軽やかさと若干のスリリングさを呼び込んで行けば、不穏なギターリフから入った「Ray」では、その山さんもコーラスに加わり、ツインボーカルによる二面性も魅せる。ノンストップで入った、剛のドラムに彩のベースフレーズ、そこに山さんのギターと、のび太のギターが順番に乗り楽曲を完成させていった「Thunderous」では、サビのストレートさに会場中が呼応。のび太の哀しみを帯びた歌も印象的であった。

 「ニューアルバムからの曲をみんなに披露できるのは嬉しい。今回は音楽を自由に楽しんで欲しいとの思いを込めて作った。だから今日は自由に楽しんで欲しい。そんなニューアルバムの中でも僕がとぴっきり楽しめる曲を演りたい」とのび太。次の「Zodiac Syndrome」に入ると、のび太はギターを置き、フリーハンドでジェスチャーを交え歌う。ギターが一本でもけっして寂しくなかった同曲。たゆたうようなジェスチャーで歌うのび太の姿も印象的であった。加えこの曲では、彩によるベースの運指の豊かさや、彼らの黒っぽい部分やファンクネスな部分が垣間見れた。そして、ヘビーなギターリフから「Vain Promises」に入ると、のび太の想いの込もった歌声が伸びやかに広がっていく。この曲のポイントは、のび太がファルセットも交えて歌うところ。続いてのメランコリックなギターと歌い出しから入った「Under The Lightless」では、バラードが会場の隅々にまでゆっくりと広がっていく。スケール感とダイナミズム、そして哀愁がないまぜになったナンバーが会場の一人一人の胸に染み渡っていく。

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 ここで山さんがギターと共にギロを手に。ここからは本人曰く「山さん、改めギロさんで行く」とのこと。そう、続いてはアルバムの中でも白眉なサンタナばりのラテンロックを展開していた、エロティックさとエキゾチックさが織り交ざった「Bacardi Avenue」だった。同曲では場内も縦ノリではなく横ノリを見せる。そして、見どころはギロさん(笑)のギロの弾きっぷりももちろんだが、その後の哀愁のギターソロも忘れてはいけない。
 剛が4つ打ちでつなぐ。続いてもダンサブルなナンバー「Delayed」だ。「次の曲は一癖あるんで、みんなついてきて下さいね」と、のび太の一言のあとファンクのりな同曲が飛び出す。カウンター的に現れたサビでのストレートさと上昇感が気持ち良い。アウトロではのび太、山さん、彩による三声のハーモニーによるハミングも飛び出し、ことさら楽曲に至福感が寄与されていく。
 明るめのギターイントロから入った日本語楽曲「(Y)our Songs」では、曲調に合わせて場内も明るくなる。まるで大空を羽ばたいているような上昇感と解放感を味あわせてくれた同曲。日本語楽曲ということもあるのだろう。同曲では会場の至る所で合わせて歌っている光景が見られた。何度聴いても作品同様、この曲を聴いていると勇気や元気が湧いてくる。

 ここでMC。このツアーは山さんにとってトラブル続きだったことが自身から告げられる。そして、それもあり、知り合いのお坊さんにお祓いの意味も込めてお札を作ってもらったという。「それに御利益があったかは、このライヴの最後に分かること」とはのび太。
 そして、「昨日はWHITE DAYだったので、この曲を」と、バレンタインナンバー「Would You Be My Valentine?」が会場にプレゼントされる。ポップで軽い、弾んだ雰囲気を場内に呼び込んだ同曲。ロマンティックでジュークボックス的ポップナンバーの登場に場内も軽やかに揺れる。のび太のスイートな歌声もぴったりな、ロマンティックでスイートな曲は続く。次は「Long Time No See」だった。同曲では場内もうっとりと左右に幸せそうに揺れる。何度聴いても大サビの変調にはグッとさせられる。

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 「まだまだいけますか?渋谷AX!!」。再びのび太がギターを置き、ハンドマイクでステージ前方にせり出していく。次の「Paranoia」では、フリーハンドになったのび太が自由にアクションをつけて歌う。山さんもステージ前方までせり出してギターソロをプレイ。ラストは音の壁を作り出していく。そして、次曲の「Velocity」は、それを突き破るようにギターと歌い出しから始まった。”待ってました!!”と一際の大歓声。サビのストレートさに場内も大ノリ。各所でクラウドサーフが起こる。変則5拍子のイントロから「Jails」に入ると更に場内が起爆する。グルーヴィーさと黒っぽいところも入り交じる同曲の登場に、より大きな盛り上がりが起こる。
 「また是非ライヴハウスでお会いしましょう」とのび太。変則3拍子、凄さとタクティクスを有した「Casablanca」で、この日の本編は締められた。ニューアルバムのトップを飾っていた曲を、あえてここに持ってくる。うーん、いかにも一筋縄ではいかない彼ららしいではないか。

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 アンコール。楽曲に入る前に山さんが喋る。今回のツアーから金髪にしたことについて、場内も交えてアンケートが取られる。そして、この金髪にしたおかげで子供から怖がられたこともエピソードとして語られる。
 ここからは楽曲へ。のび太はラッカで制作した今回のツアーTシャツに着替えている。ここでのび太がキダ―をアコギに持ち替える。そして、「Lilium聖歌隊」と名告げられた合唱隊が呼び込まれ。「遅くなったけど、クリスマスプレゼントです」と、ニューアルバム中、ここまで唯一披露されなかった「Xmas Present For My Sweetheart」が、その合唱隊も交え歌われる。日本語詞によるロマンティックな歌だ。厳かな気持ちと温かい気持ちが場内が満ちていく。周りもみんな優しい表情だ。同曲ではスノーマシンで粉雪が舞い降りる演出も加わり、よりロマンティックやファンタスティックさが倍増していく。

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 打って変わって激でWHITE ASHらしい曲とも言える「Kiddie」が飛び出す。一部はフロアも大合唱。「みなさんにとってのカッコイイ音楽を作り続けたいと思う」との一言を残し、ラストはサーフなイントロに大歓声。裏打ちのドラムによる「Stranger」で締められる。最後はキャノン砲による青銀テープも飛び出し。感動的なフィナーレを迎えた。

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 ライヴのラストのMCでは、「かっこいい音楽を作り続ける」ときっぱりと公約してくれたWHITE ASH。それからも、驚き、ニヤリとさせられ、”おおっ!!”と感心する、そんなライヴや作品を繰り出してくれることだろう。気が早いが、既に次の作品やツアーが楽しみだ。

Report : 池田スカオ和宏


【SET LIST】

1. White Ash
2. Crowds
3. Number Ninety Nine
4. Extreme
5. Ray
6. Thunderous
7. Zodiac Syndrome
8. Vain Promises
9. Under The Lightless
10. Bacardi Avenue
11. Delayed
12.(Y)our Songs
13. Would You Be My Valentine?
14. Long Time No See
15. Paranoia
16. Velocity
17. Jails
18. Casablanca
Encore
En-1. Xmas Present For My Sweetheart
En-2. Kiddie
En-3. Stranger


INFORMATION

【MEMBER】

picka.lucka.jp19_whiteash_artistVo.&G. のび太
G. 山さん
B. 彩
Dr. 剛


【PROFILE】

2008年本格始動。2010年9月、1stミニアルバム『On The Other Hand, The Russia Is…』発表。以降、「SUMMER SONIC」「COUNTDOWN JAPAN」を始め、大型ロックフェスにも出演。3枚のシングル、2枚のミニアルバム、1枚のフルアルバムの発表を経て、2013年5月、シングル「Velocity」でメジャーデビュー。1枚のシングル発表を経て、2013年12月、2ndフルアルバム「Ciao, Fake Kings」を発表。2014年2月からは全国9都市にて「WHITE ASH One Man Tour “Lilium”」をスタート。全箇所ソールドアウトを記録する。バンド名は敬愛するthe pillowsの曲名からとられた。


【NEW ITEM】

picka.lucka.jp19_whiteash_jk2nd Full Album
『Ciao, Fake Kings』
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¥2,667(Tax out)
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【Vap】

1. Casablanca
2. Number Ninety Nine
3. Zodiac Syndrome
4. Vain Promises
5. Long Time No See
6. Bacardi Avenue
7. Delayed
8. Extreme
9. Under The Lightless
10. (Y)our Song
11. Xmas Present For My Sweetheart


【ARTIST HOMEPAGE】

http://whiteash.jp/

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