aquarifa 「言葉が君にとどくまで」

Filed under: LIVE REPORT — タグ: , — admin @ 2014.03.29

言葉が君にとどくまで


久しぶりの自主企画
この日、代官山UNITにてaquarifa主宰の自主企画イベント『言葉が君にとどくまで』が行われました。共演は、この時代あえて<ジャパニーズロックバンド>を旗印に掲げ、それを真摯な歌と演奏で真っ直ぐに伝えるircleと、3本のギターを擁し、そこから放たれるシューゲイザーな音世界に、外に問いかけるかのような内省的な歌詞と歌が魅力なSuck a Stew Dry。共にaquarifaが<今、共演したい!!>と思っていたバンドたちで、オファーもメンバーが行いました。


新曲入りPLAYBUTTON発売
この日はaquarifaの新曲が収録された「プレイボタン」も会場先行で発売開始されました。プレイボタンとは、缶バッジ型の本体にヘッドフォンを差し込んで簡単に音楽を再生することができるデジタル・オーディオ・プレイヤー。当日の日付にちなみ315個の限定生産されました。
当日ライブ会場に来れなかった人たちのために、若干数になりますが通販にて販売を行っています。是非!

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「321BUTTON」
M1.その手をつなげたら
M2.言葉が君にとどくまで
※スペシャルコンテンツ付き
ライヴ会場及びLUCK’A PLANETにて絶賛販売中です!! ⇒ LUCK’A PLANET


月光・蓄光
この日のライヴより、aquarifaのニューグッズに蓄光のラバーバンドが加わりました。これはギター松川さんのリクエストにより制作されたとか。シリコン素材に蓄光塗料を混ぜた珍しい仕様です。aquarifaロゴと月の満ち欠けが凹型になっており、白インクを流し込みました。まるで夜空のような幻想的な光を放ちます。aquarifaのライブにはこれをつけて望むべし!たくさん明るいところで光を吸収させてから、暗いところで活用してください。
こちらも通販できます。
ライヴ会場及びLUCK’A PLANETにて絶賛販売中です!! ⇒ LUCK’A PLANET

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LUCKON GRAPHICS HP
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LUCK’A WARKS
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満月の日、嬉しいプレゼントが...
そして、そして。上記のプレイボタンの購入者の封入特典や来場者全員に配られたパスに記載されたパスワードにて、同イベントの2日後の満月から、aquarifaからこの日集まってくれたファンの方が方々に素敵なプレゼントが贈られた。これには、多くの方が喜んだと聞きます。みなさんも、楽しんでいただけましたか?

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LIVE REPORT
aquarifa presents 『言葉が君にとどくまで』
2014.3.15@代官山UNIT
W / aquarifa、ircle、Suck a Stew Dry

aquarifa、久々の自主企画ライブはゲストにircle、Suck a Stew Dryというバンドのキャラクター的には異なる顔合わせ。そこに、aquarifa自身がジャンルでイベントを構築しない意気を感じる。そして何より、事前にアナウンスされていたこのライブ当日に新音源を収録した缶バッジ型携帯デジタルオーディオプレイヤー「プレイボタン」が、このイベントの日付けにちなんで315個限定発売されることも興味津々。このアイテムそのものは、2年前に大沢伸一や安室奈美恵らがリリースしたことで注目されたが、音源そのものやグッズとしての価値などニーズはファンごとに違ったのだろうと想像する。その後追随するアーティストがそれほど存在しなかったので、少し意外な気もした。が、どうやらaquarifaのプレイボタンは新音源が聴けるだけではないらしい。ということをライブの最中に知り、ファンが積極的にアダプトできるユニークなアイデアだと感心したのだが、それは本文を読み進めて発見していただきたい(すでに体感済みのファンもいると思うけれど)。肝心のライブへの期待感も、昨秋の2ndミニアルバム『月明かりのせいにして』リリース後のワンマン以降、数々の対バンや年末に東京・渋谷界隈の複数のライブハウスで開催された「LIVE DI:GA JUDGEMENT 2013」などへの出演で、より幅広いリスナーの衆目、耳目にさらされ、鍛えられ、ライブシーンのど真ん中に足を踏み入れる機会も増えただけに、今、彼らがバンドとしてどこに向かおうとしているのか? 少し大げさに言えば無二の存在になり得るかどうかの節目の時期とも言えるんじゃないか。カジュアルな会場のムードとは裏腹に、そんなことも感じつつ開演を待つ。

ステージ背景に映しだされた月が幕に隠れ、暗転すると同時にトップバッターのircleが、それまでの静謐でロマンティックなムードをぶち破るように登場。ガレージパンクなサウンドに乗る河内健悟(Vo、G)のがなるスタイルのボーカルがフロアを一気に熱くする。かと思えば仲道良(G)のハードロック志向が窺えるプレイが飛び出したり、まさにMCで河内が「ジャパニーズ・ロックバンドのircleです!」と自己紹介した通り、トレンドよりも日本語で自らが信じるロックをひたむきに鳴らそうとするバンドのスタンスが窺える。「aquarifaとは面識はあったけど、対バンするのは初めてで。でも、今日呼んで正解だったって絶対言わせるぜ!」と、正面から堂々と宣言する河内に声援が飛ぶ。フォーキーにすら映る歌始まりのナンバーが多いのも、メッセージを怖れず伝えようとするスタンスの現れなのではないかと、中盤以降、その思いを深くした。特に4/23にリリースするニューシングル、その名も「失敗作」収録のタイトルチューンや「セブンティーン」などは、歌モノとしての強度もあるメロディアスなナンバー。骨太なリズムと繊細なギターフレーズは、歌を意識したアレンジで、今、むしろ新鮮な印象。約40分の持ち時間にも関わらず、フィニッシュ時には汗だくかつ余力を全く残していないような渾身のプレイを見せてくれた。

転換時に再び映しだされた月は先ほどと様相が変化。月と人間の分かちがたい関係を表現するaquarifaらしい演出だ。そこへ”ザ・男気”なircleとは一転、長髪、長身痩躯のフロントマンに金髪のゴスっぽいギタリストもいれば、カジュアルな佇まいのもうひとりのギタリストもいるという、メンバー全員のキャラがバラバラなSuck a Stew Dryが登場。トリプルギターが醸すオーケストレーションめいた響きがフロアの空気を変える。が、シノヤマコウセイ(Vo、G)が少年性をたっぷり残した声で歌い始めると、どうにも不器用で、現実世界に立つ手段がきっと歌うことしかないんだろうなぁといういたたまれない気持ちが湧き上がってくるのだ。曲ごとにシューゲイザー的な要素が見受けられたり、J-POPシンガーが歌っても成立しそうなメロディを持つレパートリーがあったり、さらにシリアスになりすぎそうなシノヤマの世界観を強力にバックアップしつつ、ライブ本編で金髪の伝道師めいたルックスのフセタツアキ(G)が、やおら物販MCを始め、ご丁寧に「MC担当のフセがお時間いただきました」と締めるなど、一歩間違えるとお寒くなりがちな”自分探し”バンドの持ち味をシリアスになり過ぎないバランスへ持っていく辺り、好感が持てる。一人が好きな寂しがり屋の心情を閉じ込めず、解放する軽快な「世界に一人ぼっち」のストレートさは、奇をてらいがちなバンドが多いシーンにあってとても新鮮だった。

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再びスクリーンに投影された月にはボタンを留め付ける穴のようにもクレーターのようにも見える穴が出現。しかも月の周囲を星がまたたき、エレクトロ/アンビエントなBGMが転換のあいだも心地よいムードを作っている。しかし振り返るとUNITはバーカウンターのあたりまで人でいっぱい。サウンドチェックをするエレキマンこと松川真也(G)が「一歩ずつ前に進んでもらったら、後ろの人も入れますんで」と促す。まったくかっこつけるところのないこの人の人柄はステージ上でも変わらない。とはいえ、自分たちの主宰イベントのトリで登場すると、メンバー4人の表情は引き締まり、発光するような轟音を鳴らしたかと思うと、これまた白が眩しいシャツワンピースを着た岩田真知(Vo、G)が「aquarifa、始めます」ときっぱり開幕を宣言。オープナーはリズム隊のマスロック的な抜き差しがゾクゾクする「Alice Blue」。岩田の白いシャツワンピは何色にでも染まるどころか、白とブルーのライトを自ら跳ね返すようにすら見える。なぜそう見えるのか?それは彼女がこれまで以上にフロアに正対し、一人ひとりに向けて歌っているからに違いない。TAKUTO(B)の生き物めいたベースラインが曲を牽引して始まった「self-harm」も、4人の音が決して潰し合わない絶妙なアレンジ。aquarifaと言えば轟音と静寂というイメージがあるけれど、耳を澄ませば実のところ歌のある部分では非常に繊細なフレージングが挟まれていることがよくわかる。

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続く岩田のあどけなさを残す歌と届くメロディを持つ「closet」では後半へのブリッジとなるダビーな展開から、松川、岩田のふたりが搔きむしるようなカッティング、リンタロウ(Dr)の雪崩のようなドラミングで迎えるエンディングで最初のピークが到来。一転、岩田の柔らかいボーカルがひとことひとこと届く「水平線のむこうがわ」では、近くにいた女性が「この曲好き!」と思わず口に出していたが、叶わない思いが切ない歌詞と、今にも泣き出しそうな岩田の声は、aquarifaにしかない個性だろう。

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そしてそんなムードの中でも唐突に明るいリンタロウのMCというおなじみの光景を挟み、強迫観念めいた差し迫ったビートが迫る「バーミリオンキッチン」。変則ビートから4つ打ちへと息を呑むほど一瞬のブレイクで展開するこの曲のライブでの強さ、続く「溶けない嘘」では、放った言葉の意味が自分の手を離れていく不安を危うさをまとった声で歌う岩田、その繊細な表現をこれまたシビアな音選びでイメージを伝える松川のプレイは”真摯”以外の何物でもない。ホワイトアウトしそうなライティングはフロアにも向けられ、オーディエンスの気持ちも白日のもとに晒されるような演出が刺さる。

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終盤にはこの日発売されたプレイボタンにも収録された新曲を披露する旨を岩田がMC。フロアが”聴くモード”に入るのが感じられたが、演奏が始まるとスピーディな曲調に早くもハンドクラップが起こるほど。ちなみに披露されたのは「その手をつなげたら」というタイトルが示唆する通り、これまで以上に聴き手と一対一でつながる覚悟と希望が込められたナンバーに聴き取れた。あっという間の本編は、メロディのポップさと松川の切り裂くようなギターソロなど、様々なコントラストが際立つ「switch」でラストを迎える。スクリーンには様々な写真が落ちてくる(思い出がランダムに落ちてくるイメージなのだろうか?)そんな映像の演出も目を惹いた。イベントライブのラストを飾るにふさわしい”顔”的なレパートリーに成長した感じだ。しかし、本編8曲は早過ぎる。そう感じるのは彼らの楽曲が、ライブの盛り上がりだけを狙っていないせいだろう。スローもミディアムももっと聴きたいと思ってしまうのだ。これからフェスやイベントでどんなセットリストを組むか?は今後の課題かもしれない。

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当然、フロアもアンコールを要求、真っ先に登場したリンタロウが物販トークを始めるのだが、プレイボタンに対する思いの熱いこと。「今日やった新曲と、もう1曲やってない新曲が入ってるから、買わないと聴けないから!」とテレビショッピングよろしくセールスするのもわかる。プレイボタンを購入した人は楽しんだと思うが、そこに隠されたパスワードから新曲2曲の歌詞が読めるという仕掛け。特にイベントタイトルである「言葉が君に届くまで」をプレイボタンで聴くと、次回のライブで披露してくれるのか?楽しみも増えるというもの。もちろん、それだけじゃない。岩田真知のタフネスが増したことが何より印象的だったこの日のライブの、さらにその先を示唆しているような曲だっただけに、ライブでの披露が楽しみになる。他にも月をシンボルに掲げる彼ららしく、来場者全員に配布されたパスに記されたパスワードで、満月の日(ライブ後の3月17日)から、この日のライブ写真が特設ページからプレゼントされるなど、おのおの思いを持ち帰った後も楽しめる仕掛けが施されていたのだ。
この日のためにお楽しみを仕込んできた4人。フロアが暖かいムードに包まれる中、空気を塗り替えるようにアンコールにはMogwaiも真っ青な怒涛のアンサンブルを畳み掛ける「regret」で終演。この時点ではまだ聴いていない、イベントタイトルでもある「言葉が君にとどくまで」を早く聴きたい気持ちと、このタイトルに込められた思いが軸になった構成だったのかも?と思えた。
それにしてもメンバーの顔つきがどんどんシャープになっていくように感じたのは私だけじゃないはずだ。これだけのスキルを持ちつつ、曲のために特化したアレンジを研ぎ澄ますaquarifaというバンドの音楽のポテンシャルは未知のリスナーに今後さらにリーチするだろう。

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Report : 石角友香


【SET LIST】

aquarifa
1.Alice Blue
2.Self-harm
3.closet
4.水平線のむこうがわ
5.バーミリオンキッチン
6.溶けない嘘
7.その手をつなげたら
8.switch
Encore
En-1.regret

ircle
1.シャバダハ
2.バタフライ
3.2000
4.呼吸を忘れて
5.失敗作
6.セブンティーン(新曲)
7.本当のこと
8.優

Suck a Stew Dry
1.遺失物取扱所
2.七階
3.Normalism
4.ないものねだり
5.カラフル
6.ヒーロー
7.世界に一人ぼっち


INFORMATION

【MEMBER】

aquarifaVo.&G. 岩田真知
G. 松川真也
B. TAKUTO
Dr. リンタロウ


【PROFILE】

aquarifa-アカリファ-
エモーショナルで広大な楽曲、圧倒的なライブパフォーマンスが話題を呼んでいる、女性ボーカルを擁した4人組ロックバンド。
早くからEMI&残響レコード主催イベントへの出演、SPICEレコーズやwild gun crazyのコンピへの参加を経験。
過去に4枚の自主製作盤をリリースし、いずれもディスクユニオンのチャートで上位にランクイン。
その後もロングセールスを記録。耳の早いリスナーから注目を集める。
タワーレコード初のアーティスト発掘オーディション「Knockin’on Tower’s Door」にて、応募総数1000組超の中からの10組に選ばれ二次審査へ進む。二次審査にて全国タワーレコードで期間限定販売された2曲入りCDが、オリコンインディーズシングルウィークリーチャート11位にランクイン。
2012年4月待望の1stミニアルバム『scene』を全国リリース。5月からは同作品と共に全国ツアーを周り、各所で好反応を受ける。
「SUMMER SONIC 2012」「MINAMI WHEEL 2012」「Shimokita Round Up」と夏から秋にかけ、フェスやライヴハウスサーキットイベントに参加。各所にて好評を受ける。
2013年7月、2ndミニアルバム『月明かりのせいにして』リリース。同作品を引っ提げ、各土地にて精力的に精力的にライヴを行う。
2013年10月25日、初のワンマンライヴを渋谷O-Crestにて敢行。ソールドアウトし、大盛況となる。
2014年3月には、代官山UNITにて主催ライヴを開催。大成功に収める。また、この日よわり新曲を収めた缶バッヂ型携帯音楽プレーヤー「PLAYBUTTON」販売開始。


【NEW ITEM】

picka.lucka.jp14_aquarifa_jacket2nd mini album
『月明かりのせいにして』
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¥1,800 (without Tax)
【redrec / sputniklab inc.】
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1. はじまりのおわり
2. Alice Blue
3. Self-harm
4. 水平線のむこうがわ
5. バーミリオンキッチン
6. 36.5℃
7. 幼い靴
8. switch


【ARIST HOME PAGE】

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【LIVE SCHEDULE】

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【aquarifaのグッズは】

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