DIRTY OLD MEN 『DIRTY OLD MEN Blazing TOUR 2014』 2014年7月11日 恵比寿LIQUIDROOM

Filed under: LIVE REPORT — admin @ 2014.08.11

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DIRTY OLD MEN

『DIRTY OLD MEN Blazing TOUR 2014』

2014年7月11 日

恵比寿LIQUIDROOM

 

アルバム『Blazing』を今年5月にリリース、そのアルバムを引っさげ全国を回ってきた「Blazing TOUR 2014」のツアーファイナルとなる東京ワンマンライブ。前日から心配された台風もこの日の朝には姿を消し、雨はまだ少し残ってはいたものの、この大切な日を無事に迎えられたことに、ファンはもちろんのことメンバーもホッと胸を撫でおろしたことだろう。

 

会場では入口で1人1人に1枚のCDが配られる。ヴォーカル・高津戸信幸の弾き語りによる未発表曲の新曲「りんご飴」が収録されたもので、このツアーのラストワンマン3公演(心斎橋Music Club JANUS、名古屋ell FIT’SALL、恵比寿LIQUIDROOM)の来場者全員へのプレゼントとのこと。ライブ前から心があたたまると同時に、彼らが“伝えたい”という想いにとてもまっすぐに向き合っていることを感じ、このワンマンへの期待がさらに高まる。

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徐々に人が集まり始め、開演直前には人で溢れ返ったフロアにじわじわと熱が帯びていき、19時を10分ほど過ぎたところで場内が暗転。歓声があがり、SEにのりメンバーが登場する。わずかな緊張感が走る中、「弱虫な炎」のイントロが鳴り、高津戸の「冒険の始まり!」という言葉を合図にライブはスタートした。続く「起死回生ワンダー」では「もっとワクワクさせてくれよ!」とフロアを煽り、何かを強く求めるかのようにシャウトする高津戸の想いに応えるかのように、前方の密度が濃くなり温度が上がる。彼のもともとの艶やかな歌声とはまた違う、想いをそのまま叫ぶエモーショナルな姿に、オーディエンスは一気に持っていかれた。

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間髪入れずに始まった、ダンサブルなリズムに“変えることを恐れない”という決意表明ともとれる歌詞が乗る「変えるのうた」では、それぞれが思い思いのダンスを繰り広げる。みんな少しずつ緊張も溶けていき、気持ちいい。続くドラマティックな「pain+」では、すでにクライマックスかのような勢いにグイグイ引っ張られ、会場中が音に向き合いハマッていく様子が印象的。楽しくてゾクゾクする。山下拓実(G)、渡辺雄司(B)、岡田翔太朗(Dr)が、何度も何度も顔を見合わせながらプレイする姿もまた印象的で、この日にかける気合いやうれしさがヒシヒシと伝わり、それがまた喜びに変わる。

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開口一番、「暑いわ~」と高津戸。たしかに。「『Blazing』を出せて、仲間とツアーを回れてほんとにうれしい。ありがとう」と感謝を述べ、「ずっと想いは届くと信じてきた。今日も全力で歌います。俺らが描く物語の主人公になって楽しんでってくれよ! 踊ろうぜ!」と「MY HERO」、心地よいベースのイントロで始まった「a heart of difference」とまたもやダンサブルなナンバーが続き、もうここには楽しさしかない状態。タガが外れるとでも言うのだろうか、メンバーの真摯な姿に絶対的な信頼感が芽生え、心を開いていく感じだ。嘘偽りないそのままの姿で初っ端から挑んできた4人の仕業で、素晴らしい光景が繰り広げられる。「doors」、「約束の唄」と続き、静かに聴かせる「桜川」では、それぞれのストーリーと照らし合わせながら聴き入るオーディエンスに、「そんなに静かにしなくて大丈夫ですよ」と小声でやさしさを提供、一気に会場が和む。もっともっと伝えたい、もっともっと届けたい、そしてもっともっとつながりたい。そんな想いはときにアグレッシブに、そしてときにこんなやさしさとなって現れた。

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最高のメンバーとともにこのツアーを回れたこと、それがほんとに楽しかったこと、結成当初のライブを振り返り忘れられない景色があること、そこで続けることの大切さを知ったこと。音楽やこのバンドに対する想いを話し、かけがえのないすべてのものに感謝を告げた後の「In room」は、とても感慨深く、ファンへの深い愛情をあらためて感じたときでもある。ドラムのカウントから始まりイントロで大きな歓声と笑顔が溢れた「スターチス」では、これまたメンバーが何度も何度も目を合わせて笑い、オーディエンスがまた笑う。このワクワク感、もうほんとにたまらない。素晴らしい笑顔の連鎖にうれしくもおもわずグッとくる。

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ここでMCの主導権を握ったのはドラムの岡田。おかしなくらいテンション高い! しかしひとたび演奏に入ると、そのテンションとは裏腹なクリアな高音で高津戸のヴォーカルを完璧にバックアップするのだから、このキャラは見事としか言いようがない。各々のメンバーの地元での盛り上がりをほぼ無茶ぶりで説明させ、そしていまやっと自分の地元・東京のステージに立てているという喜びをからだいっぱいで表現し、あたたかい拍手と声援に包まれさらに喜ぶ、というプレイをキめ、最終的にはギター・山下へ次の曲へのおもしろおかしいフリを要求する始末。そんな山下もやさしく応え、「台風に勝ったぞー!」という叫びで「elif」に突入。さらなる盛り上がりへと導く。鋭くキレのいいギターソロも聴かせ、コーラスワークがまた気持ちよく、サビではみんなで大合唱。間髪いれず岡田がホイッスルを鳴らし「chocworld」。ボサノバ・テイストでポップな世界が広がり、何かが光り輝き、さらにそれを越えていくかのような、そんな景色が見られた。

 

息つく暇もなく「I’m Ready」、「素敵な夜になりかけてるけどこんなもんで終わらせたくない。まだまだだろ!」と煽りに煽り「メリーゴーランド」では、手拍子をし、腕をくるくる回し、思いっきり跳ねるフロア。間違いなくこの日のハイライトのひとつとなった。そして、全員で力の限りに歌った「呼吸」、「最後に大事な歌を歌います」と歌われたラストの「夜空のBGM」と、ドラマティックな物語は感動的に幕を閉じた。

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アンコールに応えひとりで登場した高津戸は、椅子に腰かけギターを持ち、「いまいちばん緊張してます」と一言。続けざまに「ツアー終わっちゃうのやだな~」と言ったらステージ袖から「ツアー終わっちゃうのやだーーーーー!」と岡田の野太い声。そんな岡田に、この日配られた「りんご飴」をいちばんに聴かせたら泣いていたというエピソードや、「いま出さないとこの曲の想いが死んでしまうから」とスタッフに無理を言い、急遽配布されたという制作秘話を語り、その「りんご飴」を弾き語りで披露。夏の日を想い、淡い青春を描いたシンプルだけど歌の強さがまっすぐ伝わる1曲に、全員が寄り添うかのように耳を傾けた。歌い終わり、メンバーをステージに招き入れ、ここからあらためて4人揃ってアンコールへ。

ここでまた岡田の素晴らしいテンションでのグッズ紹介があり、フロアにそのままプレゼントするサプライズも。使用済のタオルを、会場から「いらなーい」とやさしく跳ね返されるというオチも彼のキャラならでは。その盛り上がりのまま、10代からずっと歌い続けてきて、自分自身もまた救われてきたという「moon wet with honey」、続く「blue”D”」でありったけの感謝を述べ、アンコールを締め括る。全員が手のひらを掲げ、手を振り、大合唱という、この日最高にハッピーなときとなったこの場面。間違いなく一緒に作り上げ、間違いなくひとつになれた最高の瞬間だ。曲が終わりメンバーが去っても、このツアーの終わりを名残惜しむかのように大きな拍手は続き、それはやがて手拍子となり、しばらくの間止まなかった。

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最初から最後までマックスの情熱で挑んだこの日のDIRTY OLD MEN。本来彼らの持つ繊細な音をこれほどまでにダイナミックに表現する潔さは、まさにバンドの自信であり、信頼関係以外の何者でもない。彼らの人間臭さがリアルに現れ、その光がみんなの光となり、またひとつ先の向こうへと進んだ、そんな輝かしい夜だった。

Report : 藤坂綾

 

[SET LIST]

1. 弱虫な炎

2. 起死回生ワンダー

3. 変えるのうた

4. pain+

5. MY HERO

6. a heart of difference

7. doors

8. 約束の唄

9. 桜川

10. In room

11. following page

12. スターチス

13. elif

14. chocworld

15. I’m Ready

16. 呼吸

17. 夜空のBGM

Encore

En-1. りんご飴

En-2. moon wet with honey

En-3. blue”D”

 

 

今回のツアーグッズとして、下記の「painTシャツ」「pain+iPhoneケース」をLUCKONGRAPHICSがデザインし、ラッカが作成。そして、「DIRTY OLD MEN ラバーバンド」「 DIRTY OLD MEN マフラータオル」はラッカが作成しました。

 

 

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painTシャツ

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pain+iPhoneケース

● painTシャツは、ニューアルバム「Blazing」の収録曲「pain+」からのイメージで少年と、パートナーの灰色猫がスプレー缶でカラフルなアートを描いているデザインを表現しました。また、pain+iPhoneケースの方は、Tシャツのデザインを更にアレンジし、iPhoneのバックを壁にして描くアートのようなイメージで、あえて透明なケースの仕様にしています。(LUCKON GRAPHICS Kawamoto U)

 

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DIRTY OLD MEN ラバーバンド

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DIRTY OLD MEN マフラータオル

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