EGO-WRAPPIN’ AND THE GOSSIP OF JAXX “デッドヒート”ツアー

Filed under: LIVE REPORT — タグ: — LUCK'A @ 2010.09.28

EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX

EGO-WRAPPIN’ AND THE GOSSIP OF JAXX
“デッドヒート”ツアー
@渋谷AX
2010.9.17

 いつもは超詳細&全曲漏らさずのレポートが信条の当ページですが、今回はツアーがまだこれから先も続き、ネタバレしてしまう懸念があるため、あえて通常とは異なり、プレイ曲のお伝えなしでお送りします。

 新作を引っ提げてのレコ発的なライヴツアーが楽しみだ。しかも、リリースから近ければ近いほどその楽しみは大きい。それは何故か。各楽曲がまだそれほどメンバーの身体に覚え込まれていなく、頭半分、身体半分で演奏しているネイキッドさを体感出来るからだ。もちろんそれには、そこから先の良い意味での馴染みやライブならではの各楽曲の成長や育ちのポテンシャルやのびしろも含んでいる。加えて初日ならではの緊張度も…。なんて分析的な見かたで挑もうとした今回のエゴラッピンのライブ。結局は下記の原稿を見ていただければお分かりの通り、あの雰囲気と惹き込みの中では、そんな冷静な分析など出来るはずもなく (笑)。気づけばすっかりみなさんと一緒になって、心の中で踊り楽しんでいた。

 9月15日にリリースしたニューアルバム『ないものねだりのデッドヒート』を引っ提げてのツアーの初日であったこの日。場所は渋谷のAX。我がラッカは、今回エゴラッピンのツアーグッズの新規商品として、当日ボーカルの中納良恵もアンコールで着用していた、襟ぐりの深い、丈の短い、切りっぱなしの特製フィメールTシャツと、楽団が街を行ったり来たりするフローティングペン、そしてEGOのステージでは必須アイテムとなっているライトのフィギュアキーホルダーを制作させてもらった。

EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX

 ツアータイトルに表れているように、もちろんこの日のラインナップはニューアルバムからの曲が中心。やはりその新作同様、オーディエンスである我々を、惹き込んだり、導いたり、連れ込んだり、誘ったり、巻き込んだりと、その各曲が放つめくるめく世界観は、我々を壮途につかせるものばかりであった。

 ロカビリーやロックンロール、50’sオールディーズが場内BGMで流れる中、いきなり暗転。ドラムの一定間隔で打されるスネア音にのって、ゆっくりと幕が開く。バックから当てられる白色ライトの中、浮かび上がるメンバー。テディボーイ風のリーゼントと、黒い羽を付けたDC風スーツを着た中納が、今回のニューアルバムからの60’s代マージービート感溢れるナンバーを歌い出す。1曲目からダンスパーティと化す会場。中納の歌声もパワフルに場内に響き渡る。調子は上々のようだ。おっ、今回我ラッカが苦心して、そのリアルなディテールにこだわったフィギュアの基となった、工事現場用のライトも中納のマイクスタンドで存在感たっぷりに赤い光を放っているではないか。ギターの森の衣装は、蛍光ミドリの帽子に…うーん、格好には後述まで触れないでおこう(笑)。
 その後も妖艶でスリリングな世界へと誘う曲や、土着的な祭りのズンドコビートが交わった曲、作品以上に急回転で賑やかさを感じる曲もプレイ。中には森が椅子に腰かけてギターを弾き、中納も座ってしっとりと歌い紡ぐ曲や、もちろん聴き馴染みのあるジャジーでいて根底にはスリリングさを持っているナンバー、かつての彼らの持ち味の中心にあったスインギンで一体感のあるグル―ヴィーなナンバー等も披露する。

 間のMCでは森が「今日は自分らしく南大阪のファッションで来ました」と告げる。
自分らしくって…南大阪のファッションって…と、一瞬気が遠くなる(笑)。
 また、ニューアルバム収録の「スカル」では、中納もあっと驚く衣装にてコミカルなダンスを歌いながら披露。他にも同曲でのステージ上での演出は会場中にほほえましさを生んでいた。
 続くMCでは、
中納「東京ベイビー。よく分らんことになってる(笑)」
森「今日はツアーの初日。それは自分が一番良く分っているでしょ」とツッコミ。
中納「今日は手垢のついてない、小手先じゃないピュアな自分たちが見れるチャンス。多少不都合があるかもしれないけど、これもまた初日ならではだと思い、観て欲しい」
と、先に予防線を張られる(笑)。
 
 その後も、ジワジワと明るくなっていくようなダイナミックなナンバーで会場に活力を与えたり、独特のポップ感と至福感が会場を包み、天国気分まで聴き手を引き上げてくれるナンバーがあったり、はたまた会場に緊張感を与えるナンバー等が放たれる。やはりニューアルバムからのナンバーが白眉であった、この日。会場に幻想とドリーミ-さを生み、途中にはアヴァンギャルドな鍵盤とフリーキーなフルートによるソロもインサート。森のギターソロも伸びやかに会場中に広がっていったナンバーや、中納もモニターに座りハンドマイクでしっとりとウェッティに、同じくこちらは椅子に座ってストラトをつま弾く森のギターをバックに歌ったナンバーも披露される。

 「アルバム、ええ感じでしょ?」とは中納。その自信たっぷりの尋ね方に、会場全体がうなづく。続けて10月31日にこのツアーの追加公演が、新木場のスタジオコーストで行なわれることが報告される。その後もライブはオーセンティックスカ然とした、場内を幸せそうに左右にゆったりと心地よく揺らせたナンバーを披露。しかし、やはり圧巻はラストに向けてアッパーで盛り上がり必至のオンパレード。2ビートと祭り的土着性が会場中を何もかも忘れさせ、無心に躍らせるナンバーや、祭り度をさらに上げ、会場中を更に陶酔に惹き込んだナンバー、スカのビートに合わせ会場中が一斉にタテノリ。みんなを無心にハネさせた生命力や躍動感がみなぎるナンバー等、見ていて壮観な楽曲が立て続けにプレイされる。文字どおり会場中の老若男女が阿鼻叫喚で躍りまくっている。うーん、必死にメモを取る自分がもどかしい(笑)。ちょっと気を抜くと、つい周りのみんなと一緒にピョンピョン跳ね出しそうな自分を戒める(笑)。

 アンコールでは中納も先ほどのスーツから前述のラッカ制作のTシャツに着替え、中納を囲みバスキング・スタイルのほのぼの感溢れる曲を披露。そして、正真正銘のラストでは、スキッフルなギターと中納の歌から入りつつも、途中からバンド・サウンドが加わり、お待ちかねの2ビート部がくると会場も大熱狂。中納の歌もパワフルさを帯び、会場全体が歌えや躍れやのデッドヒートの末やってきた最後の直線感を楽しむ。

 まさにステージと会場とのデッドヒートを繰り返しながらも2者の勝負はつかぬまま、走り抜けていったこの日。この後もこのデッドヒートは、11月12日の沖縄まで各地のオーディエンスを巻き込み続いていく。最終コーナーを回り、再び最後の直線に戻ってきた時、その曲たちはどのような違った表情を見せるのか?それに我々はしっかりとついていくことが出来るのか? それが今からとても楽しみだ。

Report : 池田スカオ和宏


【MEMBER】

EGO-WARAPPIN’(エゴラッピン)
ego-wrappin_artist-photoL to R
Vo. 中納良恵
G. 森雅樹

THE GOSSIP OF JAXX
B. 真船勝博
Key.ハタヤテツヤ
Dr. 末房央
Sax 武嶋聡
Tp. 川崎太一朗


【PROFILE】

中納良恵(Vo、作詞作曲)、森雅樹(G、作曲)により、1996年大阪で結成されたユニット。関西を中心に活動を続け、インディーズにて4枚のアルバムを発表。2000年に発表されたアルバム『色彩のブルース』は、戦前のジャズから自然に行き着いたキャバレー音楽や昭和歌謡を消化し、エゴ独自の世界観を築きあげた名曲として異例のロングヒットとなり、その名を全国区で知らしめる。2001年5月、メジャーレコード会社移籍。自らのレーベル「Minor Swing」を立ち上げ、 メジャー第一弾となる2ndフルアルバム『満ち汐のロマンス』をリリース。以後、作品ごとに斬新な音楽性において、日本の音楽シーンにおいて常に注目を集めているアーティスト像を確立する。二人の織りなすエゴ・サウンドは、ジャズやロックといった音楽を自由な雰囲気と熱い情熱、今の時代の感覚を敏感に反映。ジャンルレスなその音楽性に於いて、聴き手に常に斬新なポップスを提供してくれる。2010年9月15日には7枚目となるアルバム『ないものねだりのデッドヒート』をリリース。9/15~全国19箇所に及ぶ全国ツアー『デッドヒート ツアー』をスタートさせる。


【PACKAGE ITEM】

NEW ALBUM
『ないものねだりのデッドヒート』

初回ラッピン
〈完全限定生産盤 / CD+DVD+フロシキ〉
TFCC-86337 
¥3,900 (Tax in)

初回限定盤
TFCC-86338
¥3,900(Tax in)

通常盤
TFCC-8633
¥3,000(Tax in)

NOW ON SALE
【トイズファクトリー】

<収録曲>
M-1 デッドヒート
M-2 Bell 5 Motel
M-3 スカル
M-4 BRAND NEW DAY
M-5 方舟
M-6 黒いセーター
M-7 キリがない
M-8 Heart Beat
M-9 love scene
M-10 moment to moment


【LIVE INFORMATION】

http://www.egowrappin.com/live/


【ARTIST HOMEPAGE】

http://www.egowrappin.com
http://www.myspace.com/egowrappin

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