SPANK PAGE PRESENTS 『CIRCUS』

Filed under: LIVE REPORT — タグ: , , — LUCK'A @ 2010.06.22

SPANK PAGE PRESENTS
『CIRCUS』
LINE UP:SPANK PAGE、MO’SOME TONEBENDER、[Champagne]
@代官山UNIT
2010.6.5(Sat)

 この日はSPANK PAGE(スパンクページ)の企画ライヴ。『CIRCUS(サーカス)』とのタイトル通り、ロックという範疇には入るものの、それぞれ異なる音楽性やバックボーンを持つ3バンドが、代官山UNITを舞台に独自の音楽性を放ちあっていた。
 ラインナップは、主催のスパンクを始め、MO’SOME TONEBENDER(モ―サム・トーンベンダー=以下 : モ―サム)、[Champagne](シャンぺイン)の3バンド。偶然であるが、この3バンドは、モ―サムのリフレクター素材を使ったTシャツやバッグといった新アイテムや従来のグッズ定番アイテム、シャンぺインは最新のキーホルダー3種、スパンクページはTシャツやタオル他諸々のグッズの制作を我ラッカで行っていたりする。”そんな3バンドが揃う偶然もそうないぞ!”と、当日いきなりライブレポを思い立った我々。それもあり、多少写真の不備はあるものの、それらが無くとも、当日の光景が思い浮かぶほど、詳細にお送りするので、ご勘弁を。

 この日の一番手はモ―サム。ステージ中に深いスモークが立ちこめ、上方のストロボが間隔を置きフラッシュする中、SEもなくメンバーが登場した。1、2、3、4…”えっ?4人!?”。いつの間にかサポートドラムを入れていたのとドラムの藤田がギターにコンバートしていたのには驚いた。”今までの3ピース体制でもかなりの激音であったのに、もう一本ギターが加わると…”。いやー、ここからの30分は、その想像を遥かに越えた、ジャンクでオルタナ、アナーキックで驚愕のライヴが繰り広げられた。
 まず1曲目はインスト中心の「no evil」。お馴染みの曲ながら、このフォーメーションとなると、やはりいつもとは違う。2本のギターによる重厚で硬質な音塊と整理され切れていないドタバタドラミングがヘビーさにローファイ成分を注入する。温度の急変、緊張感とそれを越えた際の暴発に高揚する会場。のっけから絶対温度から沸点までを一気に体感させられる。続いてサビのストレートになるところもたまらない、モータードライヴナンバー「youth」(新曲)に突っ込む。
 「ただ今絶賛レコーディング中で、既にニューアルバム用の曲が7~8割ほど出来ている。ちょっと早いけど、それらの発表会的なライヴを演る」とはボーカル&ギターの百々。ちなみに彼は今回より新しく物販に加わったリフレクター(反射版素材)付きのTシャツを着ている。
話はライブに戻り、続いても新曲「GAS」がプレイされる。前のめりなドラムが逆に彼らのこれからの攻めや勢いとオーバーラップする。そして、ギタリスト然としたスタイルを逸脱した藤田(ギターもアーム付スタインバーガー)から放たれる音も、不思議なローファイ感を楽曲に加えている。
 百々のパラノイア・ボーカルと途中からの2ビートへのシフトチェンジが会場に更なる熱狂を生んだ「教祖様はスレンダー」(新曲)。重いドラミングにスキンヘッドに変貌した武井の重く歪んだベース、途中、藤田もギターを置き、パーカッションに加わった「hammmmer」(新曲)が立て続けに会場を支配する。
 「ここからラストスパートです」と百々。武井がトランペットを持ち、緊張感溢れるダンスナンバー「hang song」が飛び出す。シンセ音を出す藤田のギターとアヴァンギャルドな武井のトランペット、そして百々のボーカルがマッド・トランシ―さを生む。会場はもはやサバトだ。この曲のラストでは、藤田も用意してあった別のドラムキットに座り、叩く。そのツイン・ドラムによるリズムのシンクロとユニゾン具合が会場を揺らす。そのままラストの「GREEN&GOLD」へなだれ込み、穏やかになったり、激しくなったりと、喜んで振り回される会場。モーサムの放つアナーキックなサバトに完全に支配された瞬間であった。

 続いてはシャンぺインの登場だ。SEに乗りメンバーがステージに現れると、嬌声と共に前方にお客さんが押し寄せる。良い意味でスター性溢れるグループだ。ドラムの庄村は既に上半身裸でスタンバっている(笑)。4人が定位置につくと、ガツンとした一撃のようなデモンストレーションが会場に向け繰り出される。その余韻が消え入る頃、そこから切り開かれるように本日の1曲目「For Freedom」が始まる。前のめりのビートに切ない歌メロ、間のキメは本日もバッチリだ。普通のトーンと多少ハイトーンとを使い分け、情報量の多い歌を放つボーカル川上。かなり複雑な譜割ながら、お客さんも合わせて一緒に歌っている。「行くゾ代官山!」とのベースの磯部による掛け声の後、同曲のアウトロの四位一体の一丸性のある演奏が会場中を今一歩前に引き寄せる。続いて日本語詞と英語詞とを上手く使い分ける川上のボーカルも印象的な「I Don’t Know」に突入。途中性急的に2ビートに一変するところでは、お客さんもクラップで応戦。ダイナミックな間奏部の上、白井のギターソロも泳ぎ回る。ドラムの庄村がスタックスビートを刻む中、印象的なギターリフが飛び出す。続いては「Yeah Yeah Yeah」だ。ドライヴ感溢れるナンバーの登場にお客さんも更なる歓喜を見せる。磯部のベースも運指多く楽曲に躍動感を加える。彼らの魅力は、なんといってもメロディックやUKロックのパックボーンを感じさせながらも、時折り魅せる70年代ロックのダイナミックなフレーバーのブレンドと、一発でお客さんとコミュニケートできるキャッチーなサビメロだろう。そんな歌たちが次々と場内に炸裂する。
 続いては7月7日に発売される新曲「city」がプレイされる。サビでの起爆や広がりがたまらない同曲。彼らは細かいキメやクイをさりげなく、且つ何なくキメる。ノンストップで「Don’t Fuck With Yoohei Kawakami」に突っ込むと、川上のトリッキーで早口なボーカリゼ―ションも光り出す。ビートが会場を激しく、なりふり構わず踊らせる。その光景は、地響きを立てて、突き進んでいくバッファローの如く。途中でのストロボまばゆい中、怒涛の性急的なロックンロールパートへの突入は会場中の温度を一瞬にして数度あげたかのように映った。そしてラストは長いハイハットからのカウントの後、怒涛のモーターサイクルナンバー「Accelerator」にて、更に会場を興奮のるつぼへと惹き込む。間にはワウを効かせた白井のギターソロも炸裂。モータードライヴっぷりが火を吹き、疾走感とハードドライヴィング感が最後まで会場をグイグイと牽引した。


こちらは6/06渋谷O-EASTでのライヴ写真となります

 そして、トリはこの日主催のSPANK PAGE。仲手川が鍵盤と歌のみで「ame ~rain song~」をしっとりと歌い出し、スタートしたこの日のライヴ。耳をそば立てるように聴き入る会場に、バンドサウンドが加わり、楽曲にダイナミズムを加えていく。その光景はまるで優しく温かい雨に包まれているよう。段々と明るいところや広い場所へと会場が誘われているみたいだ。ギターの山下がシンセを弾き、新曲「だませない孤独」が始まる。勢いのあるナンバーの登場に会場全体が、もう一歩前のめりとなる。疾走感や徐々に激しく曲が変貌する中、フッと魅せる美しさに息を飲む。ここで仲手川がギターをアコギに持ち替え、ギターの山下がドラム・パットを叩く。続いても新曲「LUV」が放たれる。変則な3拍子を有したダイナミズムと広がり、そして力強さと生命力を感じる曲と、雄たけびのような叫びが会場に響く。ロカビートなポップなサウンドの上、その上に切ない歌が乗る。続いては「September」だ。アウトロに乗せて場内の気持ちを引き受け行く。
先日のワンマンライヴの際に、彼らの楽曲である「呼吸」を聴いた感想をあえて手紙で募集した彼ら。その曲の感想や反応、捉え方がさまざまであったことが仲手川から伝えられる。そして、その手紙たちへのアンサーのような新曲「笑えないよ」が、ここで披露される。ベースの大成がギターの山下側に寄り、変則的なフォーメーションで臨んだ同曲。歌を通して伝わってくる「分って欲しい」「理解して欲しい」との想いが会場中の気持ちを代弁する。後半ではミラーボールも回り出し、荘厳に施された演出にみんなが聴き浸る。聴き入るシーンは続く。次の「そぱにいて」もその出だしから中盤までの抒情的な歌と深くエコーのかかったエレピを中心の歌声の部分はそうであった。8ビートを刻む水野と抒情的な山下のギタープレイ。かと思えば、その情景を一瞬で吹き飛ばすアヴァンギャルドさを交え、その緩急によるドラマティックづけに会場が良い意味で振り回される。ラストにリフレインされる「果てるまでそばにいて」のフレーズのフェードアウトには、再び会場中が聴き入る体勢に。続く、「不器用な情景」にも近い光景が伺えた。固唾を飲み曲の頭の出だしに聴き入りつつ、途中、場面を急変させる箇所で会場もメンバーもスイッチが入る。そして、彼らの中でも極めてロック的なナンバー「31eyes」にノンストップでインすると、怒涛のカッコ良さがステージにカオスを、場内に熱狂を生む。サビまでのグイグイと引き上げられる高揚感とサビからのストレートさがたまらない。
 ここで一息。次のワンマンライヴが9月に行われることが伝えられる。
 そして、本編ラストは「呼吸」。しっとりと始まりながらも、後半はとてつもない高みへと会場全体を誘う。いやー、至福、至福。
 ここからはアンコール。先程の手紙のお礼をし足りなかったのか?仲手川から先程プレイした「笑えないよ」をリプレイしたい旨が伝えられる。明らかに先程よりも感情移入っぷりも会場中の同調っぷりも上になっていた同曲。6月9日からはデジタル配信される予定なので、その辺りでの全国的な反応や広がりも楽しみだ。

 『CIRCUS』とのイベント通り、さまざまな演目を固唾や息を飲みながら、拍手やリアクションを送りながら楽しめた同企画。今後も同企画に期待したい。

Report : 池田スカオ和宏


MO’SOME TONEBENDER

【MEMBER】

Vo.&G. 百々和宏
B.&Tp. 武井靖典
G.&Dr. 藤田勇
That Evening Support Drummer 菱谷昌弘(from HINTO)

【SET LIST】

1.no evil
2.youth
3.GAS
4.教祖様はスレンダー
5.hammmmer
6.hang song
7.GREEN&GOLD

【ARIST HOME PAGE】

http://www.mosome.com/


[Champagne]

【MEMBER】

Vo.&G. 川上洋平
B. 磯部寛之
G. 白井眞輝
Dr. 庄村聡泰

【SET LIST】

1. For Freedom
2. I Don’t Know
3. Yeah Yeah Yeah
4. city
5. Don’t Fuck With Yoohei Kawakami
6. Accelerator

【ARIST HOME PAGE】

http://champagne.vc/


SPANK PAGE

【MEMBER】

Vo.&G.,Key. 仲手川裕介
G.&Key. 山下啓一郎
B. 大成泰
Dr. 水野雅昭

【SET LIST】

1. ame ~rain song~
2. だませない孤独 
3. LUV 
4. September 
5. 笑えないよ 
6. そばにいて 
7. 不器用な情景
8. 31eyes 
9. 呼吸
encore
笑えないよ

【ARIST HOME PAGE】

http://www.spank-page.com

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