a flood of circle 「Tour PARADOX PARADE」

Filed under: LIVE REPORT — タグ: — LUCK'A @ 2010.03.17

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a flood of circle
「Tour PARADOX PARADE」
TOUR FINAL
@恵比寿LIQUIDROOM
2010.3.5(FRI)

アルバム『PARADOX PARADE』のツアーファイナルを迎えた、3月5日の恵比寿リキッドルーム。東京では実に1年2ヵ月ぶりとなる彼らのワンマンライヴだ。この日を待ち侘びたファンにより、開演15分前にして既にフロアはギッシリ。前回ワンマンが新宿ロフトだったことを考えると、この1年少しの間に、その2倍になった今回の会場を埋める活動を彼らがしっかりとしてきたことを物語っている。
我がLUCK’Aは、彼らの今回のツアーのTシャツ、タオル、缶バッヂ等を一式を制作。合わせて、<彼らの飛躍を確認せん>と会場に駆けつけた。

客電が落されると、雷鳴が轟き、それに合わせストロボ・フラッシュが焚かれる。ギター&ボーカルの佐々木の雨男さを思い起させるSEだ。強まっていく雨音と鳴り響く雷鳴、閃光のようなフラッシュと共に高揚していく自分。そんな中、メンバーがステージに登場し、佐々木がステージ中央で愛用のテレキャスター高く掲げ、会場から歓声が起こる。雷鳴の続く中、メンバーが定位置につくと、アヴァンギャルドでフリーフォームな演奏が始まる。その中から、1曲目「Forest Walker」のイントロが徐々に輪郭を現し、リズム隊の石井と渡邊から放たれる力強い中低音部が会場に響き渡る。深い森に足を踏み入れ、そこを傷も気にせず駆け抜けんとばかりに歌う、のどの奥から出しているような、佐々木の独特のしゃがれた歌声に呼応するように、フロアからは無数のコブシが上がる。2曲目の「博士の異常な愛情」に突入すると、狂気の叫びのような歌に乗せられた「狂っているのはどっちだ?」の問いかけに、”俺は違う!”と心の中で叫び返すオーディエンス。サポートギターの奥村と佐々木とのギターソロのリレーションにフロアも大きく跳ねる。間髪置かず3曲目の「Ghost」にイン。静と動のコントラストとサビでの起爆、その後のストレートへの流れに、フロアも”待ってました!!”と大盛り上がりだ。石井のベースも上手い具合にドライヴ感を醸し出す。

ここで佐々木がお馴染みの「おはようございます。a flood of circleです。よろしく」の軽いMCを入れ、すかさず本編に。スリリングなギターイントロと共に「Paradox」が飛び出す。渡邊の4つ打ちがフロアにダンサブルさと高揚感を生む。16ビートと8ビートを上手く使い分け、手数多く魅せる彼のドラミングは、今日も演出の背骨をしっかりと支えている。佐々木の「オ―ライ」の一言の後、更にマイワールドへと引き込むように、その渡邊の重いフロアタムを活かしたドラミングと共に、「Thunderbolt」が始まる。間のヌキの部分はフロアがクラップでフォロー。ステージとフロアの一体感は、この日もバッチリだ。続く「シーガル」では、石井のベースもグリグリと曲の深部を露呈する。ちょっとクールダウン気味のつなぎの後、佐々木の「春はそこまで来ました」の一言の後、「春の嵐」が放たれる。しっとりとしたAメロを歌い終わると、ガツンとしたロックフォーマットに移行。フロアにスイッチが入る。奥村と石井のコーラスも加わり、楽曲に膨らみをもたらす。

ここでMC。「ようこそリキッドルームへ。全国津々浦々を回ってきたa flood of circleです」の佐々木のMC後、すっかりいじられ役が板についた石井の独演会が始まる(笑)。今回のツアーでのグルメのトップ2を公開 (1位は広島のプリップリの牡蠣、2位は福岡のプリップリのモツ鍋)し、そこからは佐々木にMCを戻し、激動だった2009年をしみじみと振り返り、今回のアルバム『PARADOX PARADE』を出せたことは忘れられないと告げられる。そんな中、”水の泡にならなくて良かった”感を交え「水の泡」を始める。アルペジオに乗せたトボトボとした歌い出しと、<水の泡になることを知っていても、続けなくちゃいけないこと>をフロアの一人ひとりが噛みしめる。聴き浸っている会場に奥村のダイナミックなギターソロが響き渡る。
深いエコーのかかったドラムの上、抽象的なギターフレーズが乗る。時折り交じる石井のベースのスライドも印象的な「Swimming song」だ。ジリジリと太陽が昇っていくような雰囲気の中、奥村と渡邊のコーラスも会場をゆっくりと包んでいく。狂気の中、一瞬やってくる穏やかさにも似たその空気感を壊すように、フリーキーなギターと石井の印象的なベースラインのイントロの後、「噂の火」が始まる。再びフロアをグイッと惹き込むナンバーの登場に、会場中が更にステージに引き寄せられる。
「東京、まだまだ行けますか?」の佐々木の煽りの後、バッファローが土煙をあげ突進してくるかのごとく、「Buffalo Dance」が会場に響き渡る。振り落とされないようにしっかりとついてくるフロアからも土煙が上がっているかのよう。都度都度まるでバッファローを呼び寄せるがごとく奥村が雄たけびを上げる。土煙を上げ向かってくる巨大なものにフロアも全身で受け止める。続いて飛び出したイントロにはフロアも狂喜。彼らの初期からの代表曲「泥水のメロディー」がここでプレイされる。会場中も我慢し切れず、阿鼻叫喚で呼応。サビでの高揚感がたまらない。初期からの代表曲は続く。続いては「プシケ」だ。途中では恒例とも言える、「俺の大事なメンバーを紹介します」、いつもの佐々木のイントロデュース節に乗って飛び出す。

ここでMC。石井がTシャツやタオル、LUCK’AのコラボレーションTシャツの宣伝をしてくれる。石井君ありがとう!!
再びライヴに。「大事なモノを無くしながらここまで来ました」との佐々木の一言の後放たれたのは、こちらもインディーズ時代からの代表曲「ロシナンテ」。楽曲が作られていた時に歌われた「かすかな光」は、あれから3年経った今、こんなにも大きな光となった。<あの頃の想いが、今やこうなった>との自信と共に、あの頃とは違った意味に歌が響く。ラストはフロント3人にて広がりのあるハーモニーも聴かせてくれ、初出の頃よりも何倍もスケールアップし、楽曲やバンドが成長したことを実感させてくれた。
続いても、インディーズの頃から歌われている代表曲「世界は君のもの」。明日が見えるような希望に溢れたナンバーに会場が光に包まれていく。うたかたが歌われながらも、どこか永劫性を感じる同曲に、孵化したばかりの蝶が羽を広げ、飛び立っていくさまを見た。
ここで奥村が捌け3人だけが残る。渡邊はカホン、佐々木はアコギに持ち替え、アコースティックスタイルで「月に吠える」が披露される。『PARADOX PARADE』中唯一3人だけで録ったという同曲。間ではノンマイクで歌われる箇所も交え、しっとりしつつもしっかりと歌の真意を伝えてくれた。

ここからはアンコール。石井がポツンと1人ステージに現れ、改めて今回の物販物の案内を。ちなみにこの日の彼の押しは白ボディのTシャツであった(笑)。
再び4人がフォーメーションにつく。佐々木が「写真を見るとイヤなことばかり思い出してしまうタイプ」であることを独白し、その流れから「Flashlight&Flashback」に入る。リフレインされる「全ては一瞬で過ぎていく まるでフラッシュライト」のフレーズに、フロアもそれぞれの大事なものを想い返す。
登場時より「最新型のブルースバンド」を自称してきた彼らがこの日最後に掲げたのは、やはり最新のブルースロック。初期の頃に発表された「象のブルース」だ。ブルージーでロッキンなナンバーにフロアも盛り上がる。
ダブルアンコール。「最後に未来の歌を歌って帰る」とは佐々木。正真正銘のラストは「ブラックバード」だ。この曲は彼らの最初の手売りのデモCDにも入っていたナンバー。その当時の心境が歌われていたと思しき、当時黒く映っていた景色も、この日はブライトに映ったことだろう。なんだか、この日は今まで以上に誇らしげに響いた。

Report : 池田スカオ和宏


【セットリスト】
M-1.Forest Walker
M-2.博士の異常な愛情
M-3.Ghost
M-4.Paradox
M-5.Thunderbolt
M-6.シーガル
M-7.春の嵐
M-8.水の泡
M-9.Swimming song
M-10.噂の火
M-11.Buffalo Dance
M-12.泥水のメロディー
M-13.プシケ
M-14.ロシナンテ
M-15.世界は君のもの
M-16.月に吠える(アコースティック)
Encore
En-1.Flashlight&Flashback
En-2.象のブルース
W-Encore
D-En-1.ブラックバード


【MEMBER】
Vocal & Guitar 佐々木 亮介
Bass 石井 康崇
Drums 渡邊 一丘
Support Guitar 奥村 大 (wash?)


【PROFILE】
2006年結成。ライヴ活動を開始。2007年7月、1stミニアルバム『a flood of circle』を発表。当時弱冠20歳とは思えないその音楽観と卓越したライブパフォーマンスに注目が集まり「FUJI ROCK FESTIVAL’07」に出演。
2008年5月、2ndミニアルバム『泥水のメロディー』を、さらに3ヶ月連続でライブ音源をリリース。同年末には「COUNTDOWN JAPAN 08/09」に出演を果たす。
2009年1月、初のワンマンライブを新宿ロフトで開催(ソールドアウト)。3月、インディーズラストシングル「Buffalo Dance / Thunderbolt」発売。同年4月、1stフルアルバム『BUFFALO SOUL』をメジャーよりリリース。全国ツアーを各地で満杯にする。同年7月、代官山UNITでのツアーファイナル自主企画直前にギタリストが失踪。バンドは入魂のパフォーマンスを披露し乗り切る。夏には「FUJI ROCK FESTIVAL’09」「ROCK IN JAPAN FES. 2009」にも出演。大絶賛を受ける。10月、失踪したメンバーの脱退を正式発表し、新たなスタートを切る。11月、メジャー2ndフルアルバム『PARADOX PARADE』発表。
2010年2月~同アルバムを引っ提げ、東名阪のワンマンライヴを含む全国7箇所のツアーを行い、大成功に納める。


【NEW ITEM】
2nd Album
『PARADOX PARADE』
VICL-63477
¥2,500 (tax in)
【Speedstar Records】
NOW ON SALE
M-1.博士の異常な愛情
M-2.Paradox
M-3.Ghost
M-4.アンドロメダ
M-5.月に吠える
M-6.-session #3-
M-7.Forest Walker
M-8.噂の火
M-9.Flashlight & Flashback
M-10.水の泡
M-11.プリズム


【LIVE SCHEDULE】
http://afloodofcircle.com/live.html


【ARIST HOME PAGE】
http://afloodofcircle.com/

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