『スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2010 FINAL』

Filed under: LIVE REPORT — タグ: , , , , — LUCK'A @ 2010.02.09

「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2010 FINAL」
w / THE BAWDIES、andymori、avengers in sci-fi、SISTER JET
2010.1.23
@AKASAKA BLITZ

ネクスト・ブレイクへの期待や新進気鋭アーティストのブッキングで毎度定評のある、スペースシャワーTV主催の人気イベント「スペースシャワー列伝」。年に一度、「スペースシャワー列伝JAPAN TOUR」と題した全国行脚も行なっている同ツアーからは、後に大活躍のアーティストも数多く輩出してきた。ちなみに昨年のツアーのラインナップは、the telephones、tacica、lego big morl、mudy on the 昨晩。これらのバンドの現在の活躍からも、このツアーの信憑性がうかがえる。
今年は前年を上回る全国8ヵ所を敢行。更に規模を拡大しながらも全箇所早々にソールドアウトを記録した同ツアーのファイナルが、1月23日赤坂ブリッツにて行われた。
今回、我がLUCK’Aは、前々回に続き同ツアーのTシャツを制作。こちらも動員同様、どの箇所も売上好調だったと聞く。そんな朗報に一安心しながら会場に足を踏み入れると、既に場内は超満員。昨年よりも大きな会場ながら、昨年以上の熱気とこれから現れるバンドたちへの期待感が満ち溢れていた。

まずは福生発、東京ニュービートジェネレーション代表ロックバンド、SISTER JETが登場。彼らの今回の物販全般も我がLUCK’Aが携わっている、愛すべきバンドだ。
SEに乗り、「SISTER JET」と男気溢れる書体で書かたフラッグを持ったベースのショウを先頭に、ボーカル&ギターのワタル、ドラムのケンスケがそれぞれ「JETS」「HELLO」のプラカードを持ちステージに登場する。
上昇感とダンサブルさ溢れる「恋してクレイジー」からスタートした彼ら。タイトなドラミングを見せるケンスケ、ドライヴ感溢れるベースを聴かせるショウ、そして、ギターを鳴らしながらスイートな歌声を聴かせるワタルと、1曲目から「マキシマム・ダンサブル・モッド」が大全開だ。「あれは確か2年前の彼女。今欲しいのはDJの彼」のワタルの一言の後、2曲目の「DJ SONG」に突入。モッド感溢れる潔い演奏とグル―ヴィーなリズム、そして、ワタルのハイトーンなボーカルがたまらない。間髪を置かず、4つ打ち16ハットのリズムが会場にしなやかな躍動感を生む。3曲目は「hello goodbye days」だ。当初は前方寄りだった熱狂も、この頃より会場全体を支配していく。
「もっとクレイジーに出来るんじゃない?」とはワタル。ショウのベースのスライドがドライヴ感とスリリングさを生む、4曲目の「さよならポケット」。プレイの抜き差しでメリハリやコントラストをつけ、陽が段々と昇っていくような楽器群による演出も特徴の「to you」。更にグイグイと引き込むように突入した「LaLa Dance」では、前述のフラッグやプラカードもフロアに投げ込まれ、最前のお客さんが代わりに振る一幕も。
「もう一曲、どうしても聴いて欲しい曲がある」とワタル。「<sister>、という曲を作った」と続け、孤独が歌われつつも、<独りなのは俺だけじゃない>と、明るい気持ちにさせてくれる「MR.LONELY」が始まる。終いにはショウはフロアにダイブ、ワタルもギターをドラムのシンバルに打ちつけて終了。モッドで潔い彼らのステージは、我々に爽快感を与えてくれた。

ステージに無数のエフェクターが並べられる。続いては、「ロックの宇宙船」ことavengers in sci-fiだ。サンプリングされた「SAVE OUR ROCK…」のボコーダーボイスのリフレインの中、エフェクティブながら、キチンとそれを人力で表わす彼ら独特のステージがこれから展開されるのだ。
1曲目の「Homosapiens Experience」から場内は、いきなり彼らの世界観にLOCK ON。2曲目の「Beats For Jealous Pluto」では、ボーカル&ギターの木幡と、ベースの稲見もシンセを並奏する。この曲の特徴は、そのダンサブルさがどこか日本の土着的なお祭りビートであるところ。分かりやすく親しみやすいズンドコ・ピートがステージと会場に一体感を生んでいく。続いては、爽快感と快楽性、それから至福感のあるナンバー「Radio Earth」が飛び出す。客席からのレスポンスも勇ましく、上昇感と景色感が場内を宇宙空間へと誘う。
ノンストップでステージはどんどん進む。ボコーダーボイスから入ったちょっと聴かせるナンバー「Starmine Sister」では、これまでとは趣きも変わり、途中のギターソロも楽曲に広がりを生む。
ここでMC。「ドラムの長谷川が、この日は伝説を作る」と、他のメンバーが宣言(笑)。ここからはその伝説を作るべくラストスパートが始まる。疾走感と適度な上昇感溢れる「Universe Universe」が飛び出すと、”待ってました!!”とばかりに会場中が、それにRIDE ONする。その熱狂に油を注ぐように「Hyper Space Music」に突入。途中のストロボ効果も、彼らをカッコ良く引き立てる。そして、そのままインディーズ初期からの代表曲「NAYUTANIZED」にイン。グイグイと会場を高みへと引き上げ、曲のポイントポイントではクラップが鳴り響き、会場の到るところで無数のコブシが上がる。気づけば我々はすっかり宇宙の中を彷徨わされていた。

次のandymoriの登場を予告させるように、ドラムが舞台上手に横向きにセットされる。
ギター&ボーカルの小山田の「赤坂いらっしゃい」の一言から、ライヴはスタート。彼ら独特のショ―ト・シャープ・ポップなナンバーが会場に響き渡る。1曲目は、タイトでドライヴ感のある「ベンガルトラとウィスキー」だ。小山田独特の情報量たっぷりの歌詞がなんとも心地良い。続いては、ジャングリーなギターに性急的な後藤のドラミングによる「everything is my guitar」。一緒に歌うことを無視した(笑)ナンバーが、次々と繰り出される。前2曲に比べ、歌詞に詰め込みがないぶん、会場も合わせて歌った「僕が白人だったら」。彼らの中では比較的牧歌的なナンバー「クレイジークレーマー」が次々にプレイされる。もう、5曲目。ちなみにここまでの楽曲はどれも2分前後だ。
一旦落ち着くように、ギターの弾き語りから始まり、Bメロからは他の楽器も加わっていく「16」では、会場中が聴き入った。そして、ベースのジャジーなソロから4ビートになだれ込む「ビューティフルセレブリティー」では、音の隙間も手伝い、それがキチンと歌の物語性を照らし出す。と、思いきや、急にノイジ―なギターが切り込んでくるところは、いかにも彼ららしい。
続いての「CITY LIGHTS」では、カウパンクのりの後藤のドラミングに、ジャングリーな小山田のギター、そしてドライヴ感のある藤原のベースが会場にトラベリングバンド的な雰囲気をもたらす。そして、激走ドラミングが鳴らされ、会場中が曲に合わせてポゴった「FOLLOW ME」。ラップ以上の情報量を詰め込んだ小山田の歌は、この曲でも絶好調だ。今までの比較的ポップでほのぼのな雰囲気の曲たちに対し、エモーショナルさを交えるボーカル・スタイルも目を見張った「すごい速さ」。ラストは今までの9曲とはある種対照的なダイナミックでスケール感のある「1984」をプレイ。あれだけショート・シャープ・ポップなナンバーを連発しつつも、ラストは感傷的で感動的に終わらせるところに、彼らの<タダ者ではなさ>を感じた。

そして、トリはTHE BAWDIES。ごきげんなロックンロール・ショーの開幕だ。サム&デイヴの「SOUL MAN」に乗り、メンバーがステージに現れ、プレイの前にドラムの前で円陣を組む。1曲目は「KEEP ON ROCKIN’」だ。マージーでゴキゲンなR&Bロックンロール・ナンバーの登場にフロアも頭から大盛り上がりだ。続いてはROYのベースが放つボ・ディドリー・ピートが会場中をシェイクさせた「EMOTION POTION」。タイトな演奏に渋く存在感のあるROYの声、そして、JIM、TAXMANの2本のレスポールが放つプットい3コードに会場はメロメロだ。
「みなさん仲良く躍りましょうか?」「僕たちの仲の良さを日本中に見せつけましょうか?」のROYの言葉の後、「I’M IN LOVE WITH YOU」が放たれる。スイートさ漂うナンバーに、フロアはもはやダンスホール状態。続いての新曲「Hot Dog」では、<熱々を召し上がれ!!>とばかりにホットな16ビートが炸裂する。そして「BAWDIESの中で最もハッピーなに曲を演りますんで、みんなで楽しく躍りましょう」と、TAXMANの一言の後、飛び出したのは「EVERYDAY’S A NEW DAY」。ミッドテンポでどっしりとしたロックンロールに合わせて会場中がダンシングする。ロマンティックなミラーボールが回る中現れた、スイートでラズベリーな「TINY JAMES」では、会場中が曲に合わせゆっくりと身体を左右に揺らす。
ここからは後半戦。「乗り遅れるなよ」とばかり、最新シングルの「IT’S TOO LATE」が鳴らされる。”待ってました!!”とばかりに会場全体がジャンプ。その一体感がたまらない。本編ラストは「YOU GOTTA DANCE」。グルービーさがたまらない同曲は、更にフロアの火に油を注いだ。
ここからはアンコール。しかも新曲だ。まだ馴染みが薄いにも関わらず、かなりの好反応を見せる。続いて、「Everybody Fell Good?」の連呼の後、「I BEG YOU」が放たれる。インディーズ時代からの盛り上がりナンバーの登場に、会場中がFEEL GOODになる。ダブルアンコールでは再び、出演全バンドのメンバーが登場。レイ・チャールズの「WHAT’D I SAY」の大セッション大会が始まる。全員入り乱れての大団円に会場も大満足。ステージもフロアもまさに阿鼻叫喚状態だ。ラストは出演者全員が一同に並び、「わっしょい」で締め。
どのアーティストも自身のアイデンティティとポテンシャルをしっかりと確認させてくれた、この日。2010年のジャパニーズ・ロック・シーンの有望株を堪能できた約4時間であった。

Live Report 池田スカオ和宏


【GOODS】
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SISTER JET
【MEMBER】
Vo.&G. ワタルS
B.&Cho. ショウサカベ
Dr/&Cho.ケンスケアオキ

【SET LIST】
M-1. 恋してクレイジー
M-2. DJ SONG
M-3. hello goodbye days
M-4. さよならポケット
M-5. to you
M-6. LaLa Dance
M-7. MR.LONELY

【Homepage】
http://www.sisterjet.com


avengers in sci-fi
【MEMBER】
G.Vo.Syn. 木幡太郎
B.Vo.Syn. 稲見喜彦
Dr.Cho長谷川正法

【SET LIST】
M-1. Homosapiens Experience
M-2. Beats For Jealous Pluto
M-3. Radio Earth
M-4. Starmine Sister
M-5. Universe Universe
M-6. Hyper Space Music
M-7. NAYUTANIZED

【Homepage】
http://www.avengers.jp


andymori
【MEMBER】
Vo.&G. 小山田壮平
B. 藤原寛
Dr. 後藤大樹

【SET LIST】
M-1. ベンガルトラとウィスキー
M-2. everything is my guitar
M-3. 僕が白人だったら
M-4. クレイジークレーマー
M-5. 16
M-6. ビューティフルセレブリティー
M-7. CITY LIGHTS
M-8. FOLLOW ME
M-9. すごい速さ
M-10. 1984

【Homepage】
http://andymori.com


THE BAWDIES
【MEMBER】
Vo.&B. ROY
G. TAXMAN
G. JIM
Dr. MARCY

【SET LIST】
M-1. KEEP ON ROCKIN’
M-2. EMOTION POTION
M-3. I’M IN LOVE WITH YOU
M-4. HOT DOG
M-5. EVERYDAY’S A NEW DAY
M-6. TINY JAMES
M-7. IT’S TOO LATE
M-8. YOU GOTTA DANCE
Encore
En-1. 新曲
En-2. I BEG YOU
EN-3. WHAT’D I SAY(※全バンドセッション)

【Homepage】
http://thebawdies.com

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