SUPER BEAVER、SPANK PAGE『スーパーフィーバー vol.5』

Filed under: LIVE REPORT — タグ: , — LUCK'A @ 2010.02.09

SUPER BEAVER、SPANK PAGE
『スーパーフィーバー vol.5』
2010.1.22(Fri)
@下北沢CLUB Que

SUPER BEAVERの自主企画『スーパーフィーバー』。久々の開催となった今回の共演はSPANK PAGEだ。
何を隠そう、この両バンド。我がLUCK’Aにて、マーチャンダイズの制作を任されていたりする。奇しくもこの2バンドが同じステージに立つとあっちゃ黙っちゃおれない。早速、会場のクラブQUEに駆けつけた。
会場に到着すると、一番手のFOX LOCO PHANTOMは既にステージを終え、続いてのSPANK PAGEの登場をフロア中が静かに待っていた。

SEが流れると共に場内が暗転。ステージ上に高くセットされたランプに火が灯り、その光に導かれるようにメンバーがステージに現れる。彼らのライヴを観るのは、3ヵ月ぶり。ボーカルの仲手川の髪がブロンドに変わっていて驚いた。
まるで洞穴に居るような冷んやりとした雰囲気が場内を包む。その中から、この1月に待望の全国流通された彼らのニューシングル「不器用な情景」が歌い出された。優しく柔らかい歌い出しから始まりながらも、突如疾走感のある部分への突入は、毎度ゾクッとさせられる。静と動、間に入る抜き差しのコンビネーションやコントラストは、この日も健在だ。
同期によるベースラインがつなぎ、そこに仲手川のボーカルが乗る。更にドラムの水野による、手数多く放つラウドさと激しいドラミングが加わると2曲目「らしさのありか」の輪郭がクッキリと現れる。「人が好きになることで動き出すよ」のフレーズが飛び出すと、その言葉通り楽曲も更に動き出す。ラウドさの合間を縫い、山下のギターも高揚感を煽る。ラストに向かうに連れ、ドライヴ感とスピード感が増し、それに伴い快感が全身を貫く。

ここで仲手川のMC。ニューシングル「不器用な情景」が発売されたばかりの、そぞろな心境を照れを交え嬉しそうに話す。
ライヴに戻る。フィードバックノイズの向こうに現れたのは、「ame~rain song~」だ。ゆったりとしながらも、水野のドラムがどっしりと、大成のベースがズンズングイグイとフロアを惹きつける。それはさながら温かい雨が会場を包んでいるかの如く。加えて、間のラウドさとそこから再び歌へ戻る際の美しさは、感動的ですらあった。
仲手川がエレピの前に座り、「そばにいて」が始まると、その歌声を会場中が聴き入る。抒情的な歌い出しと、深くエコーの効いたエレピは、どこか宗教的な厳かさを思わせる。8ビートを刻む水野と、間奏では山下のギターが情景を描く。間には、ありえないほどその情景を一変させる暴発性が加わり、それを経たからこその美しさにたどり着く。仲手川の歌う「果てるまでそばにいて」のリフレインは、楽曲が終わってもしばらくは、まるでこだまのようにいつまでも聴く者の胸に響いた。
水野が4つ打ちのビートを刻む中、仲手川はギターを置き、ボーカルのみを披露する。5曲目は「呼吸」だ。山下もギターをキーボードに持ち替える。緩やかな至福感がジワジワと会場を包み、イキそうイキ切らない高揚感と至福感が空間を支配する。

ここでMC。「続けていればいいこともある。この4人になって初めてのワンマンを演る。それが非常に嬉しい」と、3/19に渋谷O-CRESTにてワンマンを行うことを告げる。
この日のラストは「Canvas」。インディーズの頃の楽曲で、最近の彼らのライヴでは外せないナンバーだ。3声のハーモ二―が楽曲にふくよかさを加え、楽曲全体がジワジワと広がりと明るさを保ちながら進み行く。ラストに向かうに連れ、高揚感が増し、会場全体が高みへと導かれる。
まさに静寂と激昂、ひんやりさと温もり、諦念と達観、美しさとその向こうに湛えた狂気を、両極感たっぷりに伝えた彼ら。続いては、そのスタイルとは対照的とも言える音楽性が魅力のSUPER BEAVERへとバトンをつなぐ。

このイベントの主宰、SUPER BEAVERがラスティックなSEとフロアからの温かい手拍子に迎えられステージに現れる。再度の気合い入れと、”これから行くゾ!!”との意志の最終確認の如くドラム前で円陣を組む4人。それが解かれると、ボーカルの渋谷はモニターの上に乗り、煽りのポーズを交え、「最後まで楽しみましょう」と一言。1曲目は「幸福軌道」だ。ニューアルバム『幸福軌道』の冒頭も飾っていた、ストレートで疾走感のある曲調が印象的な同曲。ドラムの藤原は、間にキチンとミッドを効かせ、その後のサビを引き立て、1曲目から歌に合わせて会場中からコブシが上がる。
間髪置かず2曲目の新曲「how are you」が飛び出すと、更にフロアがグイッとステージに近づく。サビのストレートさに会場全体が呼応し、渋谷のステージ・アクションと共に歌に新たな命が吹き込まれる。彼らの魅力の一つは、この渋谷も含め、メンバー各人の躍動感溢れるステージ・アクションだったりする。ライヴでの<魅せる>部分を煽りや感情移入も含め、各曲キチンと成立させているのだ。
上杉のベースもピッキングから手弾きに変わり、更にステージに躍動感が生まれる。3曲目は「地球軸」だ。藤原のドラミングも、4つ打ち、16ハットを刻みながら、間間で手数の多いドラミングを披露。会場にダンサブルさを溢れさす。間では上杉のチョッパーも炸裂。会場中にファンキーさを生んだ。

「SUPER BEAVERです。久しぶりの企画にようこそ。自分たちが観たくて呼んだバンドたちだけど、一番カッコ良いライヴをして帰ります」と渋谷がマニュフェスト。
メランコリックな柳沢によるギターアルペジオと、「人それぞれにとって違う幸せ。本当の夢に向かえているのなら、例えツライことがあっても、幸せに思える」的な言葉が会場に贈られ、続くしっとりながら力強いナンバー「シアワセ」に会場が聴き入る。「大切なことは何一つ変わっていない」のフレーズに会場中がうなづいた瞬間だ。
続いては「電波」。<繋がっているのは電波なのか?心なのか?>と、問われるように歌われる同曲と共に、聴き手一人ひとりが自分の愛しい人を思い浮かべる。

ここでMC。本日より販売開始となったLUCK’A制作のニュータオルの宣伝を、こちらが赤面してしまうぐらいしてくれる。
6曲目は新曲「空の彼方」。上昇感と高揚感が交互にやってくる新しい代表曲になりそうなナンバーだ。「夜が明けるよ、さようならなんだ」と歌われながらも、<また力強くなって戻ってくるから!!>とのプロミスを感じたのは、私だけではなかったはず。
3/27の代官山ユニットでのワンマンライヴの告知を始めとしたMCを挟み、ここからはラストスパート。ステージもフロアも一体となるインディーズ時代からの代表曲「道標」が登場する。ステージ前方目がけ、お客さんが更に押し寄せる。もちろんサビではフロア全体が大合唱だ。代表曲&大合唱ナンバーは続く。本編ラストは「深呼吸」だ。更にヒートアップしたフロア中から曲に合わせて無数のコブシが上がる。まさにフロアもラスト・スパート。ヤンチャながら、しっかりとした男らしさが炸裂したこのナンバーに対して、”これでどうだ!!”とばかりに会場中がリアクションを見せる。
「レッツゴ―、ビーバー」のフロアからのコールに迎えられ再びステージ4人が現れる。アンコールはニューアルバム収録の「日常サイクル」だ。ガツンとしたナンバーの登場に客席もステージも共に満面の笑み。”これでもか!!”ぐらいグイグイと惹き込みつつも、最後は会場全体を見事、景色の良いところまで連れて行ってくれた。

片やコントラストやカウンターによって、ドラマティック性や物語性を観る者に与えるSPANK PAGE。片やストレートで情景感や心情感たっぷりに、楽曲に乗せた想いをサウンドにストレートに乗せて放つSUPER BEAVER。対照的な物語の伝達方法を擁しながらも、彼らの放つその楽曲群は、しっかりと私を含めこの日の会場全体に各曲に込められた<想い>を伝えてくれた。

Report : 池田スカオ和宏


【GOODS】
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【SPANK PAGE SET LIST】
M-1 不器用な情景
M-2 らしさのありか
M-3 ame~rain song~
M-4 そばにいて
M-5 呼吸
M-6 Canvas


【SUPER BEAVER SET LIST】
M-1 幸福軌道
M-2 how are you(新曲)
M-3 地球軸
M-4 シアワセ
M-5 電波
M-6 空の彼方(新曲)
M-7 道標 インディーズ
M-8 深呼吸
Encore
EN-1 日常サイクル


SPANK PAGE
【MEMBER】
Vo./G./Key. 仲手川 裕介
G./ Key. 山下 啓一郎
B. 大成 泰
Dr. 水野 雅昭

【PROFILE】
緻密さとセンシティブさ、そこはかとない叙情性やドラマティックな世界観を持ち、「和製Sigar Ros」「和製Coldplay」とも称され、現存のJ―POP/J-ROCKシーンでは異彩な存在感を放っている4人組ロック・バンド。2004年横浜で中学時代の幼馴染み3人(仲手川/山下/大成)が中心となり結成。ライヴと並行し、完全自主制作のアルバムの制作や数種のコンピ盤への参加を経て、2007年にはインディーズにてミニアルバム『I GO HOME』リリース。2009年1月TSUTAYA 限定シングル「不器用な情景/呼吸」をリリース。ほぼノン・プロモーションにも関わらず各チャートを席巻する。2009年春に「koi」にてメジャーデビュー。2ndシングル「ame ~rain song~」を経て、同年8月、ニューミニアルバム『らしさのありか』を発売。同年夏には、多くの夏フェスやイベントに参戦。2010年1月、ニューシングル「不器用な情景」を発表した。

【NEW ITEM】

NEW SINGLE
「不器用な情景」
UPCH-5638
¥1,200(Tax in)
NOW ON SALE
[UNIVERSAL J]

【LIVE SCHEDULE】
http://www.spank-page.com/main.html

【ARIST HOME PAGE】
http://www.spank-page.com


SUPER BEAVER
【MEMBER】
Vo. 渋谷龍太
G. 柳沢亮太
B. 上杉研太
Dr. 藤原広明

【PROFILE】
全員東京生まれの東京育ち。平均年齢21歳の4ピースロックバンド。2005年高校の先輩後輩で結成し、下北沢・渋谷を中心にライブ活動を開始。その後ライブの活動場所を関東近郊に広げ、2008年11月にはインディーズよりミニアルバム「心景」をリリース。人気、知名度を上げていく。その後、同作品を引っ提げて、全国ツアーを敢行。ファイナルの渋谷O-WESTワンマンライブはソールドアウトの大盛りを記録する。2009年6月、シングル「深呼吸」でメジャーデビュー。8月、2ndシングル「二つの旅路」、11月、3rdシングル「シアワセ」を経て、同年11月25日には1stアルバム『幸福軌道』を発表。普遍的なメロディーと洋邦織り交ぜた最新のギターサウンドで、半径5メートル的日常の中の心の景色や想いを歌にしている。

【NEW ITEM】

1st FULL ALBUM
『幸福軌道』
初回生産限定盤
ESCL-3330~ESCL-3331
¥3,150(Tax in)
NOW ON SALE
[EPIC RECORDS]

【LIVE SCHEDULE】
http://www.superbeaver.net/

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