山森大輔・岩崎慧presents 『ワンランク上のキャンドルクルーズ』

Filed under: LIVE REPORT — タグ: , — LUCK'A @ 2013.07.21

山森大輔・岩崎慧presents 『ワンランク上のキャンドルクルーズ』


ワンランク上のキャンドルズ
 この日は、セカイイチのボーカリスト岩崎慧さんと、ROCK’A’TRENCH、SKA SKA CLUBのボーカリスト山森大輔さんがそれぞれソロの弾き語りを行うジョイントライブ『ワンランク上のキャンドルクルーズ』の初日でした。この日を皮切りに全国9か所に渡りツアーに出る、その一発目は、下北沢の440。落ち着いた雰囲気で、2人ともリラックスをした感じで歌い、プレイしていたのが印象的でした。ただし、岩崎さんは、自分の出番が終わるとほっとしたのか、お酒をグビグビいっており(笑)。最後、山森さんと2人のユニット「キャンドルズ」での歌や演奏の際には、かなり気持ちよく、ご機嫌でした(笑)。

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ワンランク上の歌たちを今宵は
 この日は、オープニングアクトにシンガーソングライターPEIGYさんを迎え、岩崎慧さん、山森大輔さん、そしてこのツアーのために特別に作った、岩崎、山森の2人によるユニット、キャンドルズの豪華4本立てでした。ライヴの終了は10時半近く。いやー、3時間に渡り、そのパーソナルも含め、お二人の歌世界を堪能させてもらいました。

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ワンランク上のグッズ類
今回、LUCKON GRAPHICSは、彼らのトレードマークとも言えるロゴをデザイン。それが落とし込まれた今回のツアーグッズを、かなりの種類作りましたよ~。ポロシャツ、アロマキャンドル、刺繍ミニハンカチにピック類。しかも、どれもこだわったワンランク上のアイテムばかり。みなさんは、何を買われましたか?

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ロゴ
「パッと見ただけで”キャンドルクルーズ”という単語が思い浮かぶくらいわかりやすいビジュアルに加え、このお二人ならではの特別感を出すために岩崎さんと山森さんをあしらい、デザインしました」

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ポロシャツ
「大人の雰囲気を出すライブツアーだったので、Tシャツではなくポロシャツにしました。ボディカラーは岩崎さん、山森さんの好きなカラーでもあるロイヤルブルーとオレンジ。ツアーロゴもプリントではなく刺繍で表現しワンランク上の制作になりました」

picka.lucka.jp11_cc_goods2アロマキャンドル
「『キャンドルクルーズ』のツアー名を表現したアイテムです。ポイントは岩崎さん、山森さんがご自身で選んだカラーと香りで制作しています。ショットグラスサイズの可愛い大きさです」

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刺繍ミニハンカチ
「普段使いもしやすいように、ミニハンカチにしました。こちらもプリントではなく刺繍でツアーロゴを入れております」

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ピックセット
「ツアーロゴと二人のイメージロゴをデザインした3枚組みのピックセットです。二人共ギターでの弾き語りでしたので、そのイメージに合わせたアイテムです」

全てLUCKON GRAPHIC談
LUCKON GRAPHICS HP
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ワンランク上の会場限定音源
当日の会場では、こんなものが、それぞれ売られてました。右が会場限定のキャンドルズの『Livingroom e.p.』、左がセカイイチの『insideworks vol.1』。『Living~』の方は、「キャンドルクルージング」「ずっとこのまま」の2曲入り。2人がリラックスして各々の楽器をリビングに持ち寄り、セッションしているかのような2曲でした。また、セカイイチの『insideworks~』の方は、セカイイチの「ライトニングスタイル」「哀しい言葉」「朝と夜」「アンテナ」「あかり」の5曲をカホンも交えたアコースティックスタイルでレコーディング。原曲とはまた違った表情を見せてくれる作品でした。
ちなみにジャケットの色は、黄色、ピンク、白の3色。裏には手書きのシリアルナンバー入り。ちなみに私は黄色を買いました。番号は158。聞いたところによるとこれはギターの中内さんが手書きナンバリングしたそう。これものまた嬉しいですね。

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ワンランク上の3時間のクルージング
山森大輔・岩崎慧presents
『ワンランク上のキャンドルクルーズ』
2013.7.1@下北沢live bar 440

 “片や土着的でソウルフル、片やアーシーでソフィストケイトされている…”
 同じ生命力たっぷりなボーカリストタイプだと思っていたが、一緒に聴いてみると、それぞれ違うもんだな…。 この日観た、山森大輔と岩崎慧の両ボーカリストの歌声の話だ。

 この日は、セカイイチのボーカリスト岩崎慧と、ROCK’A’TRENCH、SKA SKA CLUBのボーカリスト山森大輔がそれぞれソロの弾き語りを行うジョイントライブ『ワンランク上のキャンドルクルーズ』であった。場所は下北沢の440。この日を皮切りに全国9か所に渡りツアーに出る、その初日だ。
 オープニングアクトにシンガーソングライターPEIGYを迎え、岩崎慧、山森大輔、そしてこのツアーのために特別に作った、岩崎慧、山森大輔の2人によるユニット、キャンドルズの豪華4本立てであった、この日。各々のネイキッドな楽器と歌声で、時に楽しく、時にしんみりと、時に考えさせられ、時に奮わせられ、時にはっとさせられた、充実した3時間の、まさに心に灯がともるようなクルージングが、ここでは繰り広げられた。まっ、それがワンランク上であったかは、さておいて(笑)。

 オープニングアクトのPEIGYが終わると、LUCKON GRAPHICKSデザインによる今回のツアー用のロゴとイラストが描かれたバックフラッグが飾られたステージに、まずは岩崎が現れる。1曲目はセカイイチの「シルクハット」。ギター1本ならではのアクセントづけとメリハリ、力強いところでは力強く、デリケートなところでは、よりデリケートにと、バンド時とはまた違った、彼の歌に込めた想いがネイキッドに伝わってくる。ホント、シルクハットの宇宙が、この小さいライヴハウスからゆっくりじわじわと広がっていくようだ。後半の「♪いらない何も すべて 歌詞も 言葉も 感じろ♪」の部分がよりリアルに響いてくる。続いては会場から起こった手拍子と、岩崎による会社帰りの我々に向けての「お疲れさ~ん!!」のねぎらいの言葉を呼び声に、これまたセカイイチの「Touch My Head」へ。ノリの良いギターカッティングの上、伸びゆく歌声が力強い。否応なく弾んだ気持ちにさせてくれる同曲。近い距離ならではのフレンドリーなコミュニケーションも嬉しい。

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 ここでMC。最初は山森からソロ活動を始めるにあたる相談を受け、「だったらジョイントでやろう」と岩崎が提案。いつしかそれが、全国をツアーして回ることとなり、限定でCDを出そうという話も出て、遂には「キャンドルズ」というユニットにも発展。その話の想像以上の進展に自身でもビックリしたと笑う。そして次曲、セカイイチの「正しさを間違えた王様」を歌い出す。爪弾きと歌によるしっとりとした導入部ながら、そこからストロークに移り、物語が進んでいくうちに段々とその歌の熱が帯びていくのが印象的であった。続いてはFishmansの「ナイトクルージング」のカバーを披露。この曲では、ボイスパーカッションと爪弾きを用い、まずはループステーション(サンプリングして、それでループを作っていくエフェクター)を起用し、それらで素地となるビートを形成していく。作り出した優しく柔らかく、浮遊感のあるトラックに、これまた浮遊感のある、通例の岩崎とは違った歌声が会場を浸していく。新鮮だ。そして、「♪この素晴らしい世界にジャンプ ♪」と熱っぽく誘った、「素晴らしい世界」、ギターカッティングとボイスパーカッションでリズムを作り、その上で歌われたセカイイチの「RAIN/THAT/SOMETHING」では、会場中から自然と拍手が起こり、熱が会場の雰囲気に程よく溶け込んでいく。そして、故・初恋の嵐の西山達郎氏が在籍していたカントリーフレーバーのあるロックバンド、コモンビル「睡眠」のカバーでは、オリジナルの持っている、どこかとぼとぼとした感じを岩崎流に引き出し、会場中をグッとこさせる。

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 ここで長めのMCが。山森や彼が在籍していたROCK’A’TRENCHとの出会い。そこからこの冬、セカイイチのベースだった泉が脱退したことを振り返り、岩崎の大好きで敬愛している大先輩・忌野清志郎に話を移し、今まで聴いてきた大好きな音楽やミュージシャンに捧ぐべく、「バンドマン」で、ソロでの出番を締める。「♪その歌声を いつまでも止めないで♪」とリフレインする箇所では、きっと会場中も同様なことを思ったに違いない。いや、岩崎こそが、自らにこの歌を捧げていたことだろう。いつも以上にソウルフルに響いた、歌に乗せた気持ちや込めた想いがダイレクトに伝わってきた約1時間であった。

 続いては、山森大輔がステージに現れる。これまでにSKA SKA CLUB、ROCK’A’TRENCHで歌う彼を観たことはあったが、ソロとして観るのは実は初。凄く楽しみだ。
 まずはデモンストレーション&喉(のど)を開くべくシャウトをカマし、1曲目の「Flowers」に入る。カントリーフレーバーたっぷりな同曲と生命力あふれる歌声に、彼独特の滑舌と発音の良い流暢な歌声が力強く絡んでいく。続いて、「音楽をやる時に大事にしている初期衝動なんです。それが溢れている曲をやります」の曲紹介のあと歌われた「Baby baby」では、彼の伸びやかな歌声が楽曲と共に遺憾なく発揮されていく。大らかでダイナミックな同曲に、しっかりとした英語の発音が上手く絡み合っていく。「続いては、ラブソングを」と歌われた「365日」では、「今はそばにいないけど、大切な人を思い浮かべて聴いて欲しい」と次いで告げられ、同曲の擁している、旅立つのは寂しいけど、またあのアカシアの岡の上で会えることを信じてと歌われる内容に、会場中が気持ちを重ね合わせていく。

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 ここでMC。「楽しんでますか?」と会場に尋ねるも、自身がこの会場の中で最も楽しんでいるであろうことは明瞭。岩崎のファンだったので、今回一緒にツアーが出来て幸せだと合わせて伝える。
 続いては、彼が昔から大好きだというボブ・マーリーの「Redemption Song」を歌唱。ギターも抑揚をつけてプレイされるも、やはり発音が素晴らしい! ボブ・マーリーが元々はラディカルでポリティカル、ある種のパンク的だったこともあり、のめり込んでいった所以(ゆえん)も語ってくれた。
 「一時期は音楽を辞めようと思ったこともあったけど、まだ自分には伝えたいことがあるから、シンガーソングライターとしてやっていくことを決意した」と、そのソロとして活動を始める動機を語り、次曲は、命に向け歌われたという「君へ」。足りない色があってもいいから君でいて。「♪願いは力となって運んでくれるから♪」のメッセージが、この日集まった者たちの心を鼓舞していく。

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 ここでMC。とはいえ、1曲ごとにほぼMCを挟んでいるのだが(笑)。ここでは、「夏の終わりにはソロアルバムを出したい」としっかりはっきりと伝えられる。そして、「僕が音楽で表したいのは、一言で言うと”生まれてきて良かったな”と思える瞬間のこと。超素晴らしいものに満ちていて、そういったものに救われる」「だから、これからもそのような歌を歌っていきたい」と強く語る。そして、最後は「素晴らしい世界」。彼の歌に込めた真摯なメッセージがストレートに伝わる、酸いも甘いも噛み分け、清濁併せ持つが故の素晴らしい世界だということを歌を通して説いてくれるナンバーだ。これこそ、この彼のソロパートの締めにぴったり。会場全体が彼の歌う一句一句を聴き洩らさないように、耳で歌を追っていた。

 山森がステージを一旦去り、ステージに鍵盤が運び込まれる。そう、次の登場はいよいよお待ちかねのキャンドルズだ。
 まず1曲目は、2人のアコギのアンサンブルと歌による「キャンドルクルージング」。手拍子の中歌われた同曲は、まさにその暗闇を希望や明るさといった光で照らしてくれるようなナンバーだった。会場の顔も曲が進んでいくうちにみるみる明るくなっていく。<全国各地で胸に炎をともしてもらいたい>。そんな思いを込めてつけられたという、このキャンドルズというネーミング。加え、キチンと人前で、この2人でやるのは初めてだという。だからといって、けっして大目には見ないぜ(笑)。

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 山森が鍵盤に座り、夏にぴったりのナンバー「夏の調べ」に。夏にフワッと包み込まれるようなナンバーに、山森もファルセットを交え、歌う。次の「ずっとこのまま」は、まさにキャンドルズの精神にぴったり。最後には会場からハミングが生まれていたのも印象的であった。ラストはノリの良い大手拍子の中、2人が激しくギターをかき鳴らし「Kin! Kin!」が歌われる。コール&レスポンスの応酬となった同曲。岩崎が会場を煽り、アジり、それに火がつき、会場がグルーヴしていく。ラストは楽しく大団円を迎え、2人はステージを去った。

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 果たして、このキャンドルクルージングがタイトル通り、ワンランク上であったか?の評価は今回、あえて差し控えるとするが(笑)、確かに心には、ポッといった感じの優しく淡い炎が長いこと灯され続けていた。後半、クルーズの乗り組み員であった岩崎は、途中より飲み始めたアルコールにより、その持つ舵がかなりおぼつかない時もあったが、船長山森のしっかりとした舵切りも手伝い、概ねナイスなクルージングが楽しめた。ありがとう。また次回も是非乗船させてくれ。 Have a Nice Trip!!

 
Report : 池田スカオ和宏


セットリスト

岩崎慧
1.シルクハット
2.Touch My Head
3.正しさを間違えた王様
4.ナイトクルージング
5.素晴らしい世界
6.RAIN/THAT/SOMETHING
7.睡眠
8.バンドマン

山森大輔
1 Flower
3 Baby baby
4 365日
5 アカシアの丘
6 Redemption Song (カバー)
7 君へ
8 素晴らしい世界

キャンドルズ
1キャンドルクルージング
2夏の調べ ※タイアップ曲
3ずっとこのまま
4Kin! Kin!


INFORMATION

【PROFILE】

山森大輔
1978年、沖縄生まれ。東京、ニューヨークで育つ。日英のバイリンガル。 東京大学法学部を卒業し、司法試験にも合格している。現在は一児の父。 3歳からピアノを習い始め、 高校からバンド活動をスタート。ギター、ベース、ピアノなど多彩な楽器を演奏し、プログラミングも自身でこなす。 ROCK’A’TRENCH(ロッカトレンチ)とSKA SKA CLUBのボーカルとして活動。 SKA SKA CLUBではインディーズながら15万枚のセールスを記録する。 またROCK’A’TRENCHではドラマ『メイちゃんの執事』の主題歌を始め、数々の映画、 CM曲を手がけ大きな反響を得るが2011年末に活動休止。 2012年よりソロ活動を開始。愛と心の歌を奏でるシンガーソングライターである。

岩崎慧
1982年、大阪府出身。ボーカリスト&ギタリスト。2001年、セカイイチ結成。2005年、Single「石コロブ」にてメジャーデビュー。2010年、tearbridge records(エイベックス・エンタテインメント株式会社)移籍。11月、Single「Step On」発売。2013年2月にはデビュー10周年を迎え、それを記念したセルフカバーアルバムを豪華ゲストボーカル陣を迎えリリース。並行してソロ活動も精力的に展開しており、ツアーの開催やゲストボーカリストとしても、多数のバンド/アーティストの参加する等、活動の場を広げている。

キャンドルズ
山森と岩崎によるジョイントツアー「ワンランク上のキャンドルクルーズ」で、一緒に全国を回るなら曲を作ろうということで誕生したユニット。山森作詞、岩崎作曲の「夏の調べ」、詞曲を2人で共作の「Kin! Kin!」の2曲を、6月26日に配信リリースした。

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