THE NOVEMBERS「I’ll Be Your Mirror」

Filed under: LIVE REPORT — タグ: — LUCK'A @ 2013.07.21

THE NOVEMBERS「I'll Be Your Mirror」


「GIFT」と「Forth walls」その2枚のEP
今回のツアーは、「“GIFT” and “Fourth wall” Release Tour “I’ll Be Your Mirror”」と題されている通り、2012年秋発売の3rd EP『GIFT』と、今年春発売の4th EP『Fourth wall』の2枚のレコ発的なもの。この日の恵比寿ガーデンホールでのツアーファイナルに於いても、この対照的なこの2枚のEP収録の曲たちを中心に、2時間に渡り、映像やライティングと共に楽しめるライヴが敢行されました。

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憧れていた、この場所で...
途中、ボーカル&ギターの小林さんのMCにもあったのですが、この恵比寿Garden Hall場所は、メンバーにとっても非常に思い入れのある場所で、憧れていたステージだったそうです。ロックバンドがあまり使わないこの会場で、THE NOVEMBERSらしい世界観が繰り広げられたこの日のステージは、逆に、この会場ならではのものが沢山観れたかのようで、貴重な体験が出来たように思いました。


特別な今日を沢山の人々と共に...
この日は、両面黒地で、表にはロゴが、裏には日付と会場名と、「”I’ll Be Your Mirror”」と書かれていた、ファイナル記念カードも配布され、この日のメモリアルを特別なものとして残す、そのお土産を手に、みなさん会場を後にされていました。ちなみに、このカード、微かに香水の香りがしたそうです。その辺りも心憎いですね。

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Tour GOODS
今回ラッカは、このツアーグッズとして、毎度おなじみtobirdイラストによる、Tシャツを2種とフェイスタオル、そして、小林君画によるかわいい缶バッヂを制作しました。

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「Tシャツ2種類とタオルと缶バッヂを作りました。「F」のデザインの方は、今回タイトルの『Fourth wall』のFとツアータイトル『I’ll Be Your Mirror』をモチーフにメンバーがデザインをしました。Tシャツに関しては、双方、線が細かいので黒に白が食われないように、また、白でも、中には灰色に近い白等のデリケートな色もあったので、その繊細さを出すのが大変でした。黒にしても真っ黒ではない黒を何パターンか出して、デザイナーであるtobird氏のイメージに合うものに落とし込んでいきました。タオルもtobird氏がデザインしました。毎度、彼のデザインは線が細かいので再現に苦労しますが、今回は特に黒がベースにあり、白い線を白抜きにしなくてはいけなかったので、それがメチャメチャ大変でした。缶バッヂは、毎度おなじみの、小林君デザインのゆるキャラです。このバッヂの色が中間色だったので、その色味を上手く出すのが、実は苦労しました(笑)」

マーチャンカトー談

LUCK’A WARKS
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INFORMATION
THE NOVEMBERS
“GIFT” and “Fourth wall” Release Tour “I’ll Be Your Mirror”
2013.6.29@恵比寿ガーデンホール

「2011年の終わり頃から、この日のステージのことを考えていた気がします。自分たちの意思で素敵だなと思う人達と積極的に関わりはじめたときから始まってる事だと思っていて。沢山の人が関わってくれたことに、改めて、心の底から感謝します」

この日のライヴの終盤。小林祐介は万感を込めて、そう語った。

6月27日に恵比寿ガーデンホールで行われたTHE NOVEMBERSのワンマンライブ。「“GIFT” and “Fourth wall” Release Tour “I’ll Be Your Mirror”」と題されたツアータイトル通り、この日のライヴは『GIFT』と『Fourth wall』という2枚のEPを引っさげた全国ツアーのファイナル公演。幸福な祝福感あふれる『GIFT』、ダークで攻撃的な『Fourth wall』と、いわば「光と陰」のような対称性を持つ2枚の作品を作り上げたバンドにとっての、いわば「長い旅の到達点」となるような場所だった。

予定時刻からしばらくして、開演。ステージ前面には紗幕が張られ、ロールシャッハテストのような映像が浮かび上がる。「dogma」から「primal」は紗幕の向こう側での演奏となり、3曲目の「Figure 0」でようやくバンドが姿を現す。激しいバンドサウンドに乗せて切り裂くような小林祐介のシャウトが響き渡る。レーザーが舞う。天井の高いホールを有効に使った光の演出だ。

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「Harem」や「Reunion with Marr」など、序盤の攻撃的で退廃的なナンバーから、中盤は少しずつ明るくポップになっていく展開。陶酔感あふれる「ウユニの恋人」から「philia」へ、そしてこの日の最初のクライマックスとなったのが、「未来に関する歌を聴いてください」というMCから始まった「GIFT」。やわらかく包み込むような優しいメロディは、彼らのキャリアの中でも特別な響きを持つ曲だ。

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そして、後半はニルヴァーナのカヴァー「Stay Away」から。ぐっとテンポを落としピッキングノイズで不穏さを醸し出すこの曲から、再び緊迫感ある展開へ。「Fiedel」や「Observer effect」など『Fourth wall』の楽曲が音源以上の荒々しさ、刺々しさを持って展開される。鳴っている音はラウドだし、ホールとはいえオールスタンディングの空間なんだけど、オーディエンスのほとんどが微動だにせずに聴き入っているのが、すごく彼らのライヴらしい。音と光の奔流を「浴びる」みたいな体験で、あそこにいた人たちも別世界に連れていかれるようなその体験を全身で味わっていて、「一緒に盛り上がってナンボ」みたいな空間とは全く別のムードが生まれていた。

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そして、二度目のクライマックスとなったのが、本編ラストの「Dream of Venus」「Children」。「『GIFT』と『Fourth wall』は“未来”をテーマにした作品で、それを象徴した曲です」というMCから静かなアルペジオが始まり、ゆっくりと展開していくこの2曲。「Children」では彼らの過去のライヴの風景やお客さんの表情をフラッシュバックのように振り返る映像が流れ、最後は宗教画のような映像を背景に、荘厳なサウンドを響き渡らせた。

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アンコールに登場した小林祐介は、「ここは、僕たち4人が、とても思い入れのある、憧れていた場所で。大好きな海外のバンドや、大好きなブランドのLAD MUSICIANがショーもやった場所で。沢山の素敵な思い出があって。そんなところで特別なライヴをやれて嬉しく思います」と、会場となった恵比寿ガーデンホールへの思いを語り、「ウトムヌカラ」を披露。そして、「Moiré」で終演。眩しい光に包まれるようなエンディングだった。

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ちなみに、帰り道ではバンドからのささやかなお土産として、ロゴを記した黒いカードが来場者に配られた。オフィシャルツイッターでは「今夜は、五感の味覚以外全てで堪能していただきたい。そんな仕掛けをいくつかご用意しております」「五感の『嗅覚』は、終演後にお配りしたカードに込められています」とのこと。カードからは、かすかに香水の匂いがしていた。そんな些細なところまで、彼らの美意識が貫かれた一夜だった。

彼らは、本当に、唯一無二のバンドになりつつある。その実感を強く抱いた。
Report : 柴 那典


セットリスト

1. dogma
2. primal
3. Figure 0
4. 瓦礫の上で
5. Harem
6. Reunion with Marr
7. Slogan
8. ウユニの恋人
9. philia
10. GIFT
11. Stay Away
12. 永遠の複製
13. ニールの灰に
14. Fiedel
15. Observer effect
16. dysphoria
17. 彼岸で散る青
18. Dream of Venus
19. children
Encore
En-1. ウトムヌカラ
En-2. Moiré


INFORMATION

【MEMBER】

picka.lucka.jp11_nv_artistVo.&G.小林祐介
G.ケンゴマツモト
B.高松浩史
Dr.吉木諒祐


【PROFILE】

2002年に小林と高松によって前身バンド結成。2005年3月、THE NOVEMBERSとしての活動をスタート。3種リリースしたデモテープが話題となり人気を高めていく。2007年11月、1stミニアルバム『THE NOVEMBERS』をリリース。2008年6月、1stアルバム『picnic』リリース。それを引っ提げて行った全国15箇所にも及ぶツアーは各所大盛況。同年夏には各所フェスにも出演、大反響を得る。2009年3月、2ndミニアルバム『paraphilia』をリリース。多数の著名気鋭ロックバンドとのツアーや各種夏フェス、大型イベントに参加。同年11月には東名阪ワンマンライブも全公演SOLD OUTを記録する。2010年3月、待望の2ndアルバム『Misstopia』をリリース。3箇所のワンマンを含む全国14箇所のレコ発ツアーを敢行。その後も各地夏フェスや全国ツアーを行う。同年11月には、前年に引き続き東名阪ワンマンライブ「November Spawned A Monster」を行い、全箇所ソールドアウト。追加公演も行われる。
2011年8月3日には、3rdフルアルバム『To (melt into)』と1stシングル「(Two) into holy」を同時リリース。同年11月には全国8箇所に及ぶワンマンライヴツアー「To Two( )melt into holy」を行い各所大成功を収める。
2012年5月、6月、7月と「Moiré」と銘打った自主企画を、シアタータイプのホールにて行い、各日新しい彼らの側面を披露。大成功を収める。 2012年11月7日、ニュー3rd EP『GIFT』を発表。同月には、2年ぶりとなる恒例の11月の東名阪ツアー『November Spawned A Monster』を敢行。
2013年5月15日、4枚目のEP『Fourth wall』を発表。同年6月より、THE NOVEMBERS “GIFT” and “Fourth wall” Release Tour “I’ll Be Your Mirror” スタート


【NEW ITEM】

picka.lucka.jp11_nv_jacket24th EP
『Fourth wall』
UKDZ-0145、
¥1,890(Tax in)
【DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT inc.】
注:画像ではグレーに映っていますが、実際の製品はシルバーです
NOW ON SALE

1. Krishna
2. dogma
3. primal
4. Fiedel
5. Observer effect
6-Ⅰ. Dream of Venus
6-Ⅱ. children


【LIVE SCHEDULE】

http://the-novembers.com/category/live/


【ARTIST HOMEPAGE】

http://the-novembers.com/
http://www.facebook.com/THENOVEMBERS
https://twitter.com/THE_NOVEMBERS

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