OverTheDogs 渋谷の街に降った「プレゼント」

Filed under: LIVE REPORT — タグ: — LUCK'A @ 2012.12.07

OverTheDogs 渋谷の街に降った「プレゼント」


OneOneOne

GOODS

まずはインパクトがほしいという希望がありました。そこで、メモリアル的な要素もあり、インパクトもあるので“デカバッヂ”を提案しましたが、ライブ会場でのインパクトは絶大でしたね。ところでダイキバッヂは完売したのかが気になる…笑 
(マーチャンカトー 談)


SITUATION

前年は11月11日に、今年は11月1日に。この1日にこだわったライヴらしく。会場内の装飾も賑やかに愛がいっぱい。おっ、この日は、会場でニューアルバムを予約するとメンバーの直筆のサインの入ったポスターがもらえたんですね。ここで予約して買えば良かった…。

物販のコーナーです。色々な種類のグッズがあって、迷っちゃいますね。そんな中、一際目立つダイキ君のデカ缶バッヂ。まるで「おい、買え!!」とでも言っているかのような存在感でした。一番右の写真はガチャガチャ。中には蒔絵シールがランダムで入ってました。さて、あなたは何を手にしたのかな?

この日はダイキ君の誕生日。会場には彼へのメッセージを集うポスターが。最初はかなり余白があったのだが、気がつくと、こんなにお客さんからのあったかい、彼の人柄が思い浮かぶメッセージが多数。これ、かなり嬉しかったんじゃないかな。もちろん、我々も書かせていただきました。

ナント、この日のライヴには、アンコールのステージにオバ犬地元・福生のゆるキャラ「たっけー☆」も登場。彼らと共演しました。なんでも彼とハイタッチをすると、願いが叶うとか。終演後の彼の周りには、そんな彼とのハイタッチを求めるお客さんがいっぱい。みんな願いは叶ったかな?

FRIENDS

いやー、やっぱりデカプリントのTシャツは目立つ。ことさら、「オバ犬くん」も可愛く見えちゃいます。この日もTシャツを始め、タオルやバッヂ等、上から下まで、オバ犬くんグッズでキメておられる方も多数見受けられました。愛されてるなぁ…。そんな人たちをパシャり、パシャり。



Present

MUSICA KEY HOLDER

MUSICA12月号の付録についていたキーホルダー、実はあれはラッカで作ったんです。雑誌特典ということで、トレードマーク的なものがよいと思い、みんなが愛する「オバ犬くん」のマスコットを提案しました。キャラクターの丸身を出すのに非常にこだわりましたね。皆さんも本屋さんやCDショップで見かけたら是非!
(マーチャンカトー 談)

LINER NOTES

ライターの池田スカオは今回、彼らの2ndアルバム「プレゼント」の業界関係者や、媒体に向けて発売日前に配られる媒体資料に、ボーカル恒吉の超ロングインタビューを実施&ライナーノーツとして掲載。あまり出来ない名誉な仕事だったので感激でした。


LIVE REPORT

OverTheDogs
『OverTheDogsで”わんわんわんの日”』
【2012年11月1日】
W /ナノウ/The SALOVERS
2012.11.1@渋谷CLUB QUATTRO

 「『プレゼントの降る街』は、いいものが空から平等に降ってこないかなと思い、そのいいものを考えているうちに浮かんできた曲なんです。空から何が降ってきたら嬉しいだろうか?を考えた時、最初は”金か?”とも思ったんですけど、結局もらっても、使ったら虚しいだけだろうし…。と思案していた中、好きな『IT(イット)』(1986年に発表されたスティーヴン・キングのホラー小説)を思い出して。自分の怖いものに化けて出てくる映画なんですけど。そこから、中身は僕が決めなくても、もらった人達それぞれが欲しかったものや望んでいるものがリボンを開けると出てくる、そんなプレゼントだったら…なんて光景が浮かんだんです。僕、人にプレゼントを渡すのが苦手で。迷っちゃうんですよね。だから歌の中だけでも、その人の最も欲しがっているものを差し出せたらなと(笑)」
 のっけから引用が長くなってしまったが、これは、シングル「プレゼントが降る街」の楽曲について、この曲を作ったボーカル&ギターの恒吉が以前に私に語ってくれた言葉だ。
 そして、その発言や思いはそのまま、この日のライブ会場に満ち溢れていた。幾つもの、私たちが欲しかった素敵なプレゼントたちが、この渋谷クアトロに贈られたからだ。ただし、それは降ってくるとは多少趣きが違い、あくまでも手渡された感じであった。

 この日はOverTheDogsの主催ライブ。バンド名と実施日を文字り、「OverTheDogsで”わんわんわんの日”」とタイトルされ、昨年11月11日のワンマンライブとは、同じ会場ながら趣きを変え、この春の「スペシャ列伝ツアー」でも全国を回った朋友のTHE SALOVERS、Lyu:Lyuのボーカル&ギターのコヤマヒデカズのソロユニット、ナノウを迎え行われた。

 この日のトリにステージに現れたOverTheDogs(以下 : オバ犬)。おや? ステージ下手(しもて)に鍵盤類がセッティングされている。この1年ほどは、キーボードの星の立ち位置は、舞台上手(かみて)であったはすだ。それに対し、彼らのマネージャーS氏は、「以前はこうだったんです。最近、ちょっとこの立ち位置に戻してみたんです」と教えてくれた。
 ベースのダイキの誕生日でもあった、この日。そんな祝福に満ちた気持ちと、この企画を心待ちに待っていたワクワク感が会場に弾んだ空気を生んでいる。
SEの牧歌的なビートルズの「Whem I’m 64」も、この場面では何だか、同曲本来の意味である「どうか、これからもよろしく」的に響く。そんな祝福とウェルカムさの中、メンバーとサポートの計5人が現れる。まずはその5人で雄大でスケール感のあるインストナンバーをプレイ。そこにパーカーのフードをかぶったボーカル&ギターの恒吉が現れ、1曲目の「マインストール」を歌い出す。ストレートなナンバーでライヴを走り出させた彼ら。楽曲が持つ疾走感や爽快さがほどなく会場中に充満。みなが合わせて手拍子を送りだす。ドライヴ感のある同曲にライドオンしていく会場。滑り出しは快調だ。既に居る全てのお客さんを彼らの世界へとロックオンしていく。手拍子で繋がれながら、星のエレピから2曲目の「オ・ワールド・インスピレーション」に。ライヴにダイナミズムとスケール感が加わっていく。ベースのダイキのダウンピッキングが会場を更に走らせ、サポートの比田井修のドラムが4つ打ちと力強いビートで会場全体を引っ張り、惹き込んでいく。同曲では、同期のカラフルな音色も加わり、ことさらキラキラに楽曲を仕上げる。色々な感情が沸き立ちながらも、最後にはそれら全てが同じベクトルとして穏やかさへと向かっていくところも面白い。
 スペーシーな音色にスリリングなダイキのベースが加わり「つきもの」にイン。恒吉もマイクを拡声器に持ち替え、その歪ませた歌声でアジテートしていく。グルーヴィーに楽曲を転がしていく中、ギターの樋口のアクションもそのギタープレイ同様に激しくなっていく。同曲ではダイキもステージ前方まで迫り出し、ベースソロを披露。喝采を浴び、それに負けじとドラムもソロを披露。各自のプレイヤビリティの高さを惜し気もなく放ちまくる。会場をグイグイと引き上げながらも、ラストに向け徐々にテンポアップを加え、会場中の気持ちも上げていく。
 星が流麗なピアノの音色で次曲の「メテオ」のメロディを繋いでいく。その上に乗せて恒吉がMC。「死んだ者たちとまた逢えますように」と同曲を紹介し、「メテオ」が始まる。ミラーボールも周り出し、みんな優しい表情で魅入るように聴いている。ファンタジーな空間を作り出しながらも、何かを思い返すように物思いに浸るように、どこか遠い目をして歌う恒吉。間にはダイキもスラップを交え、リズム隊でファンキーな部分も公開。作品とはあえて違った面で楽しませてくれる。

 ここでMC。この11月1日にライヴを行なったこだわりと経緯が伝えられる。そして、2/11には赤坂ブリッツでワンマンライヴを行なうことも発表。合わせて帰りには、全国ツアーのスケジュールが公開されることも報告された。そして、間もなく発売されるニューアルバム『プレゼント』から新曲を一足先に披露。アルバムのオープニングを飾っていた「ミスレル」がプレイされる。と、その前に、同曲では掛け合いで一緒になれる部分をナビゲート。初見でも分りやすい掛け合いに場内も合わせて手を挙げる。サビのストレートになるところも気持ち良い同曲。曲の終盤に向け、各楽器も走り出していく。この辺りは作品以上の明るさだ。
 短いジングル的な小曲を挟み、恒吉が「ななせ空を飛ぶ」を歌い始める。再び会場内に優しい気持ちが満ちていく。そして、樋口のギターのフィードバック音からドラムが不穏なビートを刻む。タンバリンを用い、リズムを刻む恒吉。そのまま「神様になれますように」にイン。”待ってました!!”とフロア前方の密度も上がり、みんなの気持ちが前のめりになっていく。ライヴを再び走り出させた同曲。サビの部分はもちろん会場全体での大合唱だ。加速度を上げるようにライヴは更に加速度を増していく。

 「まだまだ行けますか?」と恒吉。会場も喜んでそれに呼応する。そして、更にシフトアップしていくがごとく「スピカのことを」に突入。この曲もサビの部分では主役が交代。お客さんが歌のメインを務める。同曲ではダイキとサポートギターの伊原真一も向き合ってプレイする場面も。会場の室度とボールテージ、そして高揚感を上げにかかる。サビのストレートになるところがなおのこと気持ち良く響く。
 伊藤がアコギをつま弾き、その上で恒吉が、何故タイトルを「プレゼントの降る街」にしたかを語り出す。みんながプレゼントの降る街もしくは、プレゼントが降ってき、それを開けた時に、何が入っていたら一番嬉しいだろうか?を想像する。そんな中、まるで優しく手渡しで届けるように同曲を歌い始める恒吉。演奏も優しく包み込むパッケージのような心持ちを交えてプレイしている。会場中が優しい気持ちに包まれていく。そんなほのかな幸せに包まれていると、恒吉が会場にハンドマイクで指揮を取り出す。会場中が同曲を心の中で歌い始める。一人一人が自分にとって何が降ってきたら嬉しいか?を考え始め、それは次第に、”愛しい人に何をあげたら喜んでもらえるか?”へと変わっていく。

 アンコールは2曲。登場したメンバーの中、取り分け、本日誕生日を迎えたダイキに「おめでとう」の声が会場中から上がる。
 このアンコール1曲目の「普遍ソング」では、彼らの地元・福生でのユルキャラ「たっけー☆君」も登場。「たっけー☆とハイタッチすると願いことが叶う」との紹介の後、サビのフレーズにて歌のキャッチボールをし、場内に一体感と一緒感を生み出す。すっかりとあったまった会場に同曲が鳴り渡る。ドライヴ感のある同曲に、サビの部分では会場中が大合唱。コブシがフロアの至る所から挙がる。たっけー☆も腰をふりふり、手拍子に合わせ、愛くるしさと微笑ましさを振りまいている。
そして、ラストは優しく、締めくくりに相応しく「愛」が歌われる。アルペジオの上、柔らかく優しく、恒吉の歌が場内に満ちていく。ジェスチャーを交えるその歌唱スタイルに、会場中が愛を疑ったり、信じたりしながらも、しまいにはその愛の尊さや深さ、大切さに出会っていき、信じたくなっていく。

 短いながらも、新旧交え、愛の深さを感じたこの日のライヴ。そう言えば、オープニングSEの歌詞は「64歳になっても愛し合おう」みたいなことだったっけ?と帰路振り返ってみた。そして、それはそのまま、彼らと我々との間みたいなものなのかもなとも。我々は彼らからの持ちきれないほどのプレゼントをもらったかのような嬉しい気持ちで、それらを落っことさないように、大事に家まで持って帰った。

 
Report : 池田スカオ和宏


【SETLIST】

1.マインストール
2. オ・ワールド・インスピレーション
3. つきもの
4.メテオ
5.ミスレル
6.ななせ空を飛ぶ
7.神様になれますように
8.スピカのことを
9.プレゼントの降る街
10.普遍ソング
Encore
En-1.愛


HappyBirthday

この日はベースのダイキの誕生日でした。ライブ後の楽屋には、そんな彼に一言おめでとうを伝えようと、多くのアーティスト仲間が集結。我々ラッカも特製のワインを持参して伺いました。ダイキの手に持っているのがそれ。いやー、ダイキ嬉しそうだな。 彼がみんなに囲まれてニヤニヤしているところをパシャり。


INFORMATION

【MEMBER】

Vo.&G. 恒吉 豊
G.&Cho. 樋口三四郎
B.&Cho. 佐藤ダイキ
Key.&Cho. 星 英二郎


【PROFILE】

ゼロ年代の純文学と共振する独特の歌詞世界とVo. & Gt.恒吉のハイトーンボイスで熱い視線を集めている4人組ロックバンド、オバ犬(ケン)こと「OverTheDogs」。
2002年、結成。
2009年10月、新宿Marble 初ワンマン (SOLD OUT)。
2010年6月、インディーズ1stアルバム『A STAR LIGHT IN MY LIFE』発表&渋谷EGG MANワンマン(SOLD OUT)。
2011年4月3日渋谷WWWワンマン(SOLD OUT)。『ROCKS TOKYO 2011』『SUMMER SONIC 2011』にも出演。さらに2011年10月にはJUN SKY WALKER(S)の寺岡呼人の呼びかけにより『Golden Circle Vol.16 “ジュンスカ×ユニコーン”』@日本武道館に出演する。10月26日には、メジャーデビューアルバム「トケメグル」を、亀田誠治(東京事変)、佐久間正英、いしわたり淳治(ex-SUPERCAR)らをプロデューサーに迎え発表。11月11日渋谷CLUB QUATTROワンマン公演を大成功に収め、同年末には、COUNTDOWN JAPAN、 VINTAGE ROCK std. COUNTDOWN “GT2012″に出演した。
2012年1月にはiTunes Storeが”今年ブレイクが期待できる新人アーティスト10組”を選出する特別企画「Japan Sound of 2012」の10組に選ばれ、2月からスペースシャワーTV主催「スペシャ列伝ツアー2012」と題した、全国8公演のイベントに参加!!同年3月14日には、江口亮をプロデューサーに迎えて制作されたミニアルバム『トイウ、モノガ、アルナラ』を発表。そのレコ発ワンマンツアーを東名阪で敢行。大成功に収める。
同年10月17日、シングル「プレゼントの降る街」を発売。11月1日、ゲストにTHE SALOVERS、ナノウを迎え、『OverTheDogsで”わんわんわんの日”』とタイトルした自主イベントを渋谷クラブクアトロにて敢行。11月7日、2ndフルアルバム『プレゼント』をリリース。2013年2月から東名阪のワンマンライヴを含む全国9箇所に及ぶ『プレゼントの降るツアー』を敢行。ファイナルは2月11日の赤坂ブリッツのワンマンライブとなる。


【NEW ITEM】

2nd FULL ALBUM
「プレゼント」
MUCF-1003
¥2,500(tax in)
【DREAMUSIC】
NOW ON SALE

01.ミスレル
02.チョコレート
03.どこぞの果て
04.プレゼントの降る街
05.宙、2秒
06.凡考性命紊(はんこうせいめいぶん)
07.サイレント
08.夜光列車(やこうれっしゃ)
09.マインストール
10.ついで
11.愛(album version)
12.カレーでおはよう


【LIVE INFORMATION】

http://overthedogs.com/live/1208.html#12649


【ARTIST HOMEPAGE】

http://overthedogs.com/index.html

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