POLYSICS『MEMORIAL LIVE OR DIE!!! ~祝!!! 1000本!!! 「おめでTOISU!」と言ってくれ!!!~』

Filed under: LIVE REPORT — タグ: — LUCK'A @ 2012.03.29

POLYSICS『MEMORIAL LIVE OR DIE!!! ~祝!!! 1000本!!! 「おめでTOISU!」と言ってくれ!!!~』

POLYSICS
『MEMORIAL LIVE OR DIE!!! ~祝!!! 1000本!!! 「おめでTOISU!」と言ってくれ!!!~』
2012.3.3(Sat)
@SHIBUYA-AX

 POLYSICSは1997年3月にハヤシを中心に、当時高校の同級生だったメンバーにて結成されている。以来15年、何度かのメンバーチェンジを経、間に若干の休養期間を挟みながらも、ここまで常に全力で走り続けてきた。そして遂にこの日、晴れて1000回目のライヴをここ渋谷AXで迎えることとなった。
15年で1000回と言うと、ざっと計算して年間平均67回。しかも彼らの場合、1回のライヴの曲数も半端なく、しかもそのほどんどがアッパーな曲ばかり。加え、ボーカル&ギターのハヤシは、終始あのハイトーンボーカルだから、その放射される熱量たるや…。たぶん通常のバンドの数倍のエネルギーの放出なんじゃないかな。そう考えるとやはり彼らは凄い!
 そんなPOLYSICSは、この1000回目のライヴに向けて、2月23日の名古屋クラブクアトロの996回目を皮切りに、2月24日には997回目として京都磔磔、998回目は2月25日大阪十三ファンダンゴ、そして999回目は2月29日に、彼らが初めてのワンマンを行った地であり、過去最多の出演数を誇る下北沢Queと、カウントダウンのライブを行ってきた。そして、今日の1000回目のライブを挟み、1001回目のライブも、明日この同じ渋谷AXで行われることが決定している。そう、今日の記念すべきライブも、ライブ自体としては、彼らの中では1/1000。ただの通過点でしかないようだ。

 このツアーに際して、我がラッカは、今回も彼らのツアーグッズの一部を制作させてもらった。

 この日のライブは、彼らのこの快挙を直接祝おうと、みんなが集まり、超満員。やはりファンには、この記念すべき1000回目のライブに参加できるのは、特別のようだ。いつもより高い期待感が開演前から会場中にみなぎっている。
 いつもは平面使いが主なPOLYSICSの渋谷AXでのライヴ。しかし、この日は特別感たっぷり。ステージ後方には、ひな壇が用意され、そこには白地に黒文字のPOLYSICSのロゴが。その上を飾るは、1000回目を祝うべく、3D化された「1000」の文字の照明管が。それらのライヴの演出物たちと共に、メンバーの登場を熱量高いフロアで待った。

 80’sのニューウェーヴ/ニューロマンティックな曲がBGMとして場内を温めている中、突如場内が暗転。合わせてフロアの前方の密度もぐっと高くなる。お馴染みの「Heavy POLYSICK」が流れ出すと、それに合わせ場内全体が既にジャンプ。会場が大きく揺れ始める。勢いよくメンバーがステージに現れ、ドラムのヤノの煽りに場内が呼応する。ハヤシは会場を交えてのTOISUのコール&レスポンス。早くも場内に一体感が満ちる。『MEMORIAL LIVE OR DIE!!! ~祝!!! 1000本!!!「おめでTOISU!」と言ってくれ!!!~』とハヤシがイベントタイトルをコール。続いて、初期からの代表曲「Buggie Technica」に突入する。いつも以上にアグレッシヴな動きを見せるハヤシ。サーフ的なサウンドに乗せ、ボコーダーボイスにて、メンバーの紹介を交え歌う。ノンストップで、そこにダイナミズムが加わる。続いての「T・RIANGLE」では、ハヤシのハイトーンボーカルと、ベースのフミによるボコーダーボイスが、絶妙なリレーションを見せ、早くもハヤシが暴発ギターソロを披露する。次の「Tei! Tei! Tei!」では、フミのベースに更に歪みが加わる。メンバーもフロアも縦に横にヘッドバンキング。いやー、大変そうだ(笑)。続いて、これまでの性急さに和みが加わる。ポップなシークエンスも印象的な「LOOKIN’ LOOKIN’ GAA」だ。途中でヤノがキ―ス・ムーンばりの暴発ドラムを披露。それを呼び声に、会場に阿鼻叫喚を引き起こす。「Pretty Good」が始まると、フロアも再び暴徒と化す。キメの非常に多い曲ながら、みんなしっかりとついていき、きっちりフリを合わせる。よほどこれまでPOLYSICSの作品を聴き、ライヴに来続けたのだろう。一見の人は絶対についていけないよ(笑)。

 ここでMC。今回のライヴタイトル通り、ハヤシを中心にステージとフロアで、「おめでTOISU!」「ありがTOISU!!」の交歓が成される。「嬉しくて背が伸びそう」とはハヤシの感想。そして、この日は2月29日に発売されたばかりの『15th P』からの曲も幾つか披露された。ハヤシからフロアに、この新作を購入した方々への感謝の投げキッスが。しかし逆に、購入していない方からは、先程の投げキッスの回収も(笑)。それらが会場に和みを生んでいく。

 ここからは、そのニューアルバムから2曲が立て続けに放たれる。競馬を全くやらないにも関わらず、競馬をテーマに作った曲という「ムチとホース」では、前のめりのカウパンクソングが会場に土煙を起こす。ここではフミもベースソロを披露。それを経たラストへの怒涛性は、まるで最終直線のデッドヒートの如し。次の「1.2.ダー!」では、フミがキュートで肝っ玉の座った歌声を聴かせる。桃色の照明の映える中、ポップなロックンロールが会場に弾力を加える。そして、まばゆいストロボフラッシュの中プレイされた「KASUGAI」、そして、その後の「Mach肝心」では、間のブレイクタイミングにてハヤシが若干のパントマイムを披露。おなじみの駆け足のポーズも飛び出し、会場も一体となってマッハギュンギュンギュン状態に突入する。続いては、これもニューアルバムに収録。彼らの敬愛するDEVOのカバー曲「MECHA-MANIA BOY」が鳴らされる。

 ちょっとしたブレイクタイム。ヤノのドラムセットがステージ前方に移動し、ひな壇下の扉が開き、中からドラムセットに座ったフミが現れる。そして、去年の今頃のライヴでも披露してくれたツインドラム体制にて「TIME SHOCK!」がプレイされる。繰り出されるウネリとミッドとローが気持ち良い同曲。かと思えば、楽曲の途中からは怒涛の2ビートが場内を駆け抜ける。ツインドラムの曲は続く。続く「テクノドラキュ
ラ」では、フロアタムも交わり、重低音がことさら凄いことに。この曲ではフロア頭上の巨大なミラーボールも回り出し、場内を至福&ファンタスティックな世界へと惹き込む。とは言え、やはりこの曲の見どころは、ヤノとフミによるツインドラムソロだ。相手の動きを見ることなく、二人が絶妙なシンクロを見せる。

 ハヤシがMCで繋いでいる間にフミがベースに持ち替え再登場。先程のドラミングに於いて、少し高い位置で真ん中のポジジョンからの見晴らしの絶景さを言及する。
 続いて、ここで「Head O’clock」が久々に披露される。8ビットなシークエンスの上、ハヤシもギターを置き、立ちボーカルで両手に鈴を持ち、歌う。普通のバンドなら普通に響くところも、日頃複雑な曲が信条の彼らが演ると、逆にことさらシンプルに感じる。そして「COMMODOLL」では、重いギターリフとハヤシのボコーダーボイス、ダークなトーンが会場を包む。
 ドライブ感のあるギターイントロから「LED」に入ると、適度な上昇感が会場を心地よく包んでいく。次の「Fire Bison」ではヒステリックで扇動的なシークエンスに乗せ、ハヤシが会場を人煽り。ヤノもギターを持ちフロントに現れる。彼がギターを持ってステージに現れるのも久しぶりの光景だ。いやー、この曲は、じつにアトラクション感がたっぷりだった。まずはハヤシがジェット風船を膨らませ、場内に発射。ひな壇に上がると、そこに用意されていた巨大な風船に空気を入れていき、破裂させる。しかも、その間も終始サンプラーをイジったり、歌いながらだったりするから、たぶんギターを弾きながら歌っている時よりもかなり忙しかったことだろう (笑)。


ハヤシ&ヤノによるツインギターが、重音の効いたメタリックなギターリフを繰り返す。次の「Moog is Love」は、彼らの中でも比較的ダイナミズムを有している曲。フロントの3人の作るメロイックサインがなおのこと極悪感を醸し出す。同曲ではヤノもアウトロでギターソロを披露。いやー、これが長かった、長かった(笑)。トリルやアーミングを取り入れたり、ライトハンドが飛び出したり、それでも飽き足らず、ドラムライザーからギターを持ってステージに飛び、着地では転がり、はたまたお客さんにギターを弾かせるは、そのままステージから降りるは、ジミヘンばりのフィードバックを聴かせるは等、もう会場は完全にギタリスト・ヤノの独壇状態に。お客さんも彼の1アクション1アクションに驚喜しっぱなしであった。

ここでは、先程動き回り過ぎて呼吸の荒いヤノの息の整うのを待つがごとくMCでつなぐ。「明日もあるけど、気にしないで行こうゼ」とハヤシ。
ここからは後半戦だ。お馴染みのシークエンスと激走2ビートが会場を揺らす。と思いきや、それはオープニングだけ。そこからポップでキュートなフミの歌う「How are you?」に入る。サビの「How are you?」では会場全体も大呼応。ハヤシのギターソロも、なおのことアグレシヴさと狂気度を上げていく。フロアは言わずもがなの阿鼻叫喚状態だ。
続く性急性とダイナミズムのサンドイッチ状態の「Beat Flash」では、お決まりの箇所がくるとフロア中から大咆哮が。次の「機械食べちゃいました」では、これでもかと言わんばかりの音の壁と、その中にしっかりとあるポップさを楽しませてくれ、彼らの中では比較的ストレートな「Dry or Wet」では、そのノリの良さや分かり易さ、独特の高揚感がフロアの温度を上げていく。同曲ではハヤシも半身フロアに突入。同曲のラストに向かうに連れ、湧き上がってくる高揚感は、毎度のことながらじつにたまらない。
”これでもか!!”と言わんばかりの攻めはまだまだ続く。次の「シーラカンス イズ アンドロイド」では、会場も嬉しそうにその攻めを全身で受け止める。我慢しきれず、会場の到るところでクラウドサーフが発生する。
「渋谷AX~!!これから死ぬ気で踊れ~!!」とハヤシ。まるで、ラストスパートの合図のように、「Smile to Me」の4つ打ちで若干ハネたビートがフロアを強襲する。巨大ディスコと化すフロア。みんなこの上なく幸せそうな表情で踊っている。「ラストはみんなで歌おうゼ!!」とハヤシ。本編ラストの「Let’s ダバダバ」が始まると、会場中にクラップと笑顔とダバダバの大合唱が溢れる。

ここからはアンコール。ヤノが再びギターを持ち現れ、”えっ!?” なんとフミまでもがギターを持って現れたではないか。ヤノが真ん中に立ち、ボーカルを取り、これまたニューアルバム収録の「783640」が始まる。ちなみに「なやみむよう」と読むらしい。トリプルギターから鳴らされる痛快でゴキゲンなロックンロールナンバーの登場に会場も大満悦だ。ブギーの効いたサウンドの上、ハヤシのハイトーン、フミのキューティーさ、ヤノの低くて朴訥な歌声が楽曲を彩っていく。

ここでMC。1000回目のライヴということもあり、それぞれのPOLYSICSの初ライヴを振り返る。「1000本目だったけど、これからもライヴを演り続けます!!」と力強い宣言をしてくれたハヤシ。決定したばかりの次のツアーの告知もなされ、「まだまだ全国にポリが足りないので、ポリ菌を撒きに行きます!!」と続ける。 
この後、アンコールとして「Shizuka is a machine doctor」「GET BACK TO 8-BIT」をプレイ。フロアに笑顔のポリ菌を撒き散らす。

ダブルアンコールにも応えてくれた彼ら。ヤノもハヤシもバイザーを外し、一人ひとりがフロアに向けて挨拶。ヤノもフミも「ありがTOISU!」で返す。ダブルアンコールでプレイされたのは「Electric Surfin’ Go Go」。上昇感や夜明け感が漂い、この日のライヴを締めるのには、もってこいのナンバーだ。同曲では合わせて客電も大全開。この光景は、なおのこと、”これからもガンガン突き進み続けるゼ!!”との力強い宣言のようにも映った。

繰り返しになるが、この日で彼らは1000回目のライヴを迎えた。しかし、この日は同時に、”まだまだこれからもライヴを続けていく!!”との改めての宣言日でもあったように思う。ポリ菌というアッパーでエネルギッシュで、バイタリティに溢れ、観たら一緒に踊り、暴れ、盛り上がっちゃう、そんな強烈なウィルスを、今後も全国、いや、全世界にまき散らす新たな宣言日でもあった、この日。
この5月からは、これまで訪れたことのない土地も含めた全国ツアー「15周年 OR DIE!!! ~お初! ヒサス! ニッポン全国ありがTOISU!!!~」を行う彼ら。そこでも各地相変わらず非常に熱量の高い、凝縮感たっぷりなライヴを展開し、ステージ、フロア問わず、TOISU!TOISU!の合言葉が飛び交わされることだろう。そのエネルギーの交歓こそが、彼らをここまで突き動かし、これからも突き進んでいく原動力となっていくのだ。たぶんこの先、彼らは2000回、3000回とライヴを繰り返していくにちがいない。我々も彼らの熱量に圧倒されず、そのバイタリティに振り落とされないように、しっかりついて行こうではないか。

最後に一言。「POLYSICS、1000回ライヴおめでTOISU!」。これからもラッカは、みなさんを応援していきます!!

 
Report : 池田スカオ和宏


【SET LIST】

1.Heavy POLYSICK
2.Buggie Technica
3.T・RIANGLE
4.Tei! Tei! Tei!
5.LOOKIN’ LOOKIN’ GAA
6.Pretty Good
7.ムチとホース
8.1.2.ダー!
9.KASUGAI
10.Mach肝心
11.MECHA-MANIA BOY
12.TIME SHOCK!
13.テクノドラキュラ
14.Head O’clock
15.COMMODOLL
16.LED
17.Fire Bison
18.Moog is Love
19.How are you?
20.Beat Flash
21.機械食べちゃいました
22.Dry or Wet
23.シーラカンス イズ アンドロイド
24.Smile to Me
25.Let’s ダバダバ
Encore
En-1.783640
En-2.Shizuka is a machine doctor
En-3.GET BACK TO 8-BIT
Double Encore
W-En-1.Electric Surfin’ Go Go


【MEMBER】

ハヤシ:Guitar, Voice, Programming
フミ:Bass, Voice, Synthesizer
ヤノ:Drums


【PROFILE】

1997年、高校生だったハヤシがDEVOに憧れPOLYSICSを結成。メンバーチェンジを繰り返しながら活動する。
1999年、アルバム『1st P』でインディーデビュー。
2000年、キューンレコードからシングル「XCT」でメジャーデビューし、海外での活動も開始。「SXSW2000」を含むアメリカツアーを行い、インディー時代のBEST ALBUM『Hey! Bob! My Friend』をアメリカと韓国でリリースした。
2003年、この頃から海外での活動も本格化。メジャ?1stアルバム『NEU』をアメリカでリリースし、初の全米ツアーも行った。
2004年、ベストアルバム『POLYSICS OR DIE!!!!』をリリースし、ドラマーのヤノが正式加入。またこの年からイギリスでも活動を開始。ベストアルバムをリリースし、2度のイギリスツアーを行う。
2005年、メジャー5thアルバム『Now is the time!』をリリース。同盤は、翌年、アメリカ、ヨーロッパでもリリースされた。
2007年、POLYSICSは結成10周年。2月にはNEW ALBUM『KARATE HOUSE』をリリース、3/4にはSHIBUYA-AXにて「10周年 OR DIE!!!! 東京!食パン!ピッピキ!たて笛!ツナギで世界中にありがトイス!!」と題した記念LIVEを行なった。また、10/9には北米にてMySpace Recordsより、BEST ALBUM第二弾となる『POLYSICS OR DIE!!!!-VISTA-』をリリース。
2008年4月、アルバム『We ate the machine』をリリース。その前後よりライブツアー「POLYSICS WORLD TOUR OR DIE 2008!!!!?ハミ出せ!!春のウキウキ・ジャパンツアー!!!!?」を敢行。
2010年1月、自身2枚目となるベストアルバム『BESTOISU!!!!』をリリース。3月、初めて日本武道館にてワンマンライブ「BUDOKAN OR DIE!!!!」を開催。このライブをもってカヨが卒業、バンドは活動休止に入った。
2010年8月よりヤノ・フミ・ハヤシの現在の3人にて活動を再開。同年12月 3rdミニアルバム『eee-P!!!』発売。
2011年3月9日、11枚目のオリジナルアルバム 『Oh!No!It`s Heavy Polysick!!!』 発売。6月より、全国ツアー「We are All Heavy Polysick!!! ~ツアーでダバダバ!!!~」を開催。
2012年2月29日、15周年記念盤を発売。同年3月3日に1000回目、3月4日に1001回目のライヴを渋谷AXにて華々しく敢行。大成功を収める。5月より全国ツアー「15周年 OR DIE!!! ~お初! ヒサス! ニッポン全国ありがTOISU!!!~」を行う。


【NEW ITEM】

15周年記念盤
『15th P』
KSCL-1945
¥2,800(Tax in)
【Ki/oon Records】
NOW ON SALE

1. Buggie Technica 2012
2. ありがTOISU!
3. Mix Juice featuring TAKUMA(10-FEET), 橋本絵莉子(チャットモンチー)
4. ムチとホース
5. 明るい生活 featuring 徳井義実(チュートリアル)
6. 友達ケチャ featuring 友達
7. MECHA-MANIA BOY featuring Mark Mothersbaugh(DEVO)
8. 1.2.ダー! featuring 小島麻由美, ユウ(GO!GO!7188/チリヌルヲワカ)
9. 783640 featuring 三柴理


【LIVE INFORMATION】

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【ARTIST HOMEPAGE】

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