『SWEET LOVE SHOWER 2008』:二日目(2008.8.31.Sat)@山中湖交流プラザきらら
『SWEET LOVE SHOWER 2008』
2008.8.30 (Sat) , 31 (Sun)
@山中湖交流プラザきらら
8.31(Sun)
上原ひろみ 〜HIROMI’S SONICBLOOM / EGO-WRAPPIN’ / エレファントカシマシ / 奥田民生 / くるり / SAKEROCK / the telephones / NICO Touches the Walls / THE BACK HORN / BRAHMAN / レミオロメン / lego big morl (OPENING ACT)
さぁ、SLSの2日目。現地は昨日の雨も上がり、雲は多いながら日が射している絶好日。雲行きに変化のないことを祈りながら会場に入る。
携帯メールによれば、加藤・小谷野組は既に着し、シートを敷いてベース(基地)を確保している模様。既にMt.FUJI STAGEにオープニング・アクトのlego big morlを観に行っているという。我々も入場と同時にMt.FUJI STAGEへと向かう。
我々がMt.FUJI STAGEに足を踏み入れると同時に力強いサウンドが鳴り響き、彼らのライヴがスタート。音源は既聴なれど彼らのライヴは初見。ギターを真ん中に、舞台上手にギター&ボーカルを配置するところから察し、音響/ポストロックを通過しているとみた。音の方も純然ギターロックというよりは、音響的アンサンブルとアプローチも有し、そこにエモーショナル成分と力強い歌心あるボーカルが絡まるといった趣き。将来が楽しみだ。
続いて午前中には似つかわしくないバンド(失礼)、THE BACK HORNを観にLAKESIDE STAGEに移動。当の彼らは午前中だろうがおかまいなし。自分たちの世界観に強引に引きずり込む。彼らの放つ、湿った身体にまとわりつく音楽性も、この高地では非常に心地よい。普段に比べアッパーで激し目、それでいて幅広い人に分かりやすく、彼らの現状が掴みやすい選曲の中、「声」や「コバルトブルー」等、勢いあるナンバーが会場に響き渡り、午前中などおかまいなしに会場中が盛り上がっていた。
そしてMt.FUJI STAGEへ。ミラーボールも無く、野外というシチュエーションでどれだけ自分たちのダンサブルな世界へと導けるのか?の確認も込め、the telephonesを観る。結論から言うと、野外だろうか、昼だろうが、特製のミラーボールが無かろうが、富士山が見えなかろうが彼らは彼ら。ニューウェーブ色の強いディスコサウンドに適度なエレクトロを取り入れた独自の音楽性を充分にアピール。実にいつもらしい、苦笑交じりながら、至福感たっぷりのステージを展開。会場を見事にディスコに変えてしまっていた。
次に今年〜来年のさらなる飛躍が期待されるNICO Touches the Wallsを観にLAKESIDE STAGEへ。疾走感とスリリングさ、そこはかとない緊張感を有したナンバーを立続けに連射。当日の彼らのMCにもあった通り、節目節目でお世話になったというスペシャへの感謝も込めて、インディーズ時代から最新曲まで、彼らの全貌が垣間見れたセットで挑んだこの日。結果、多くの初見の人たちに、彼らの存在や音楽性をアピール出来たに違いない。
午前中からロックの醍醐味を連発で浴び、少々カウンター的に身体にゆったり目の音楽を欲していた頃。ちょうど頃良くSAKEROCKがMt.FUJI STAGEへ登場した。いやー、彼らの放つ、適度にダンサブルで、のほほんとしていて、ちょっとしたトボトボ感を与えてくれる音楽性は稀有。そして、機知に富んだMCで場を和ませるトロンボーンのハマケンの独特の存在感にはシビれた。後半ではEGO-WRAPPIN’のボーカル中納良恵もゲストで参加。クレージーキャッツの「スーダラ節」も飛び出し、会場中をまさに無責任状態にしたのだった。
続いてマイペース歴はこちらも永い。山中湖を知り尽くした男(バス釣りで)、奥田民生がLAKESIDE STAGEに立った。今までのバンドと同じPA装置なのだが、出音の良さが確実に違う。この2日間で最も大きな音&しかも良い音をしていた彼。新旧代表曲で老若男女関係なく会場中を盛り上げる。プレイが高じ気持ちが乗ったのか?いつもよりも派手に長くギターソロをキメ、それこそ「快楽ギター」のアウトロでは、”おーい、どこまで行っちゃうんだ〜い?”的にギターソロを引きまくっていた。
次は実はこれが密かな楽しみであった、上原ひろみカルテット@LAKESIDE STAGE。普通ジャズと言えば、生で聴きに行く的な印象だろうが、彼女の場合はまさに観る。日本はもとよりヨーロッパやアメリカでも人気も高く、その即興アレンジの妙とそれを可能にする超技巧には脱帽だ。この日のステージも、シンセやピアノを駆使し、ドラム、ベース、ギターのバックによるファンキーでブ−ガルーなリズムに乗り、立ったり座ったり飛び跳ねたり煽ったりの目まぐるしいプレイを展開。まさに圧巻としか称しようがなかった。
ここで30分のブレイクタイム。間に新星堂のブースの様子を見に行く。ナント、この日の午前中には今回のコットンバッグの特典が全て終了。しかも大好評で、これを目当てにCDを購入した人も多かったとか。嬉しい知らせを胸にLAKESIDE STAGEにBRAHMANを観に戻る。
彼らの登場SEが流れ出した瞬間、多くのオーディエンスが彼らの降臨を祝うがごとくステージに集結。やおら空模様が急転し、雨模様と化した中、それに対峙するがごとくBRAHMANがステージに現れる。登場した彼らはただ自分のためだけに音楽をストイックに放出していた。それに熱狂的に呼応するオーディエンスたち。途中から集中豪雨がさらに彼らの熱狂度に火を点ける。ラストは、ボーカルのTOSHI-LOWが客席に飛び込み、オーディエンスの波の上で歌い、そのまま多くの者とタッチを交わしながらステージを後にした。
雨足は弱まらない。そんな中、Mt.FUJI STAGEにはEGO-WRAPPIN’が現れる。大雨のせいか?いつもよりやさぐれ度が増し、カッコイイ印象を受けた、この日の彼ら。頭での拡声器を使い、アジテーション的な中納良恵のボーカルもいつもよりエキセントリックだ。”雨がなんぼのもんじゃい!!”感タップリのステージングで、代表曲の濃密版とも言えるステージを展開。ラストはSAKEROCKの浜野謙太もトロンボーンにてゲスト参加。ラストのシンディ・ローパーの「Girl’s Just Wanna Have Fun」のカバーを、パーティ&ええじゃないか感剥き出しの演出で聴かせてくれた。
そして、陽も傾きステージ上の照明が映える頃。LAKESIDE STAGE上にエレファントカシマシが現れる。ボーカルの宮本浩次の発声一発から聞き覚えのある歌サビが流れ、ウォ−ッと咆哮のように会場全体が声を上げる。一発目は「今宵の月のように」。そして二発目は「悲しみの果て」。なんというサービス!!その後も最新ヒット曲や有名曲を連発。実に贅沢にステージを進める中、突如宮本が水をかぶり、やおらステージと客席との50/50感をアピール。更にオーディエンスのハートに火をつけることになった。この日の彼らのラストは「俺たちの明日」。この曲で最後勇気づけられた者も多かったであろう。
いよいよMt.FUJI STAGEのラストを飾るくるりが登場。聞き覚えのあるギターのイントロが会場に響き渡る。1曲目は「ロックンロール」だ。続いて「ワンダーフォーゲル」と、初期3人時代の昇華されたナンバーが立続けにプレイされる。会場は序盤から大盛り上がり。いつもの4人体制に対し、今回は5人体制というブ厚い音とアレンジで会場中を完全に魅了。中盤では「ばらの花」も登場し、もう鉄板状態。そしてラストは多くの人の期待を胸に、”待ってました!!”の「東京」。いつもよりも強靱ながら温かいステージを繰り広げてくれた。
そして、この雨と幸せと愛と音楽の2日間もいよいよ残すところ1バンド。そう、LAKESIDE STAGEにて大ラスを飾るのはレミオロメン。今や彼らの夏フェスの代名詞とも言える「スタンドバイミー」でライヴはスタート。続いて至福感たっぷりにオーディエンスとの一体感を楽しむように「1-2 Love Forever」や「明日に架かる橋」が会場中に鳴らされる。間には10月のニューアルバム発売の告知という嬉しいサプライズを挟み、最新曲「オーケストラ」や、ラストはこの夏のオリンピックを飾った「もっと遠くへ」をプレイし、一旦終了。
アンコールに応え再びステージに登場した彼ら。いつの間にか雨もあがり、ここで彼らのインディーズ時代からの人気曲「雨上がり」が飛び出す。そしてラストは「粉雪」。まだ季節は夏ながら、もうそう遠くない冬に思いを馳せるオーディエンスも多かっただろう。
そして、彼らがステージを終えると共にフィナーレを飾る花火が盛大に夜空に大輪の華を描く。まるで別れを惜しむかのように、その号砲がしばらくは耳から離れなかった。
<セットリスト>
lego big morl
M-1.moonwalk for a week
M-2.ワープ
M-3.Ray
M-4.nice to
THE BACK HORN
M1.ブラックホールバースデイ
M2.覚醒
M3.罠
M4.ひょうひょうと
M5.声
M6.コバルトブルー
M7.刃
the telephones
M1.DaDaDa
M2.sick rocks
M3.(新曲)
M4.FREE THROW
M5.HABANERO
M6.urban disco
NICO Touches the Walls
M-1.THE BUNGY
M-2.image training
M-3.そのTAXI,160km/h
M-4.Broken Youth
M-5.武家諸法度
M-6.(My Sweet)Eden
SAKEROCK
M-1.慰安旅行
M-2.菌
M-3.今の私
M-4.最北端
M-5.会社員
M-6.スーダラ節(feat.中納良恵)
M-7.生活
奥田民生
M-1.マシマロ
M-2.カイモクブギー
M-3.SUNのSON
M-4.スルドクサイナラ
M-5.愛のボート
M-6.快楽ギター
M-7.イージュー☆ライダー
M-8.無限の風
上原ひろみ
M-1.XYG
M-2.Led Boots
M-3.Softly as a morning sunrise
M-4.Time Out
BRAHMAN
M-1.FOR ONE’S LIFE
M-2.SPECULATION
M-3.Epigram
M-4.THE VOID
M-5.CHERRIES WERE MADE FOR EATING
M-6.BASIS
M-7.CAUSATION
M-8.A WHITE DEEP MORNING
M-9.Beyond The Mountain
M-10.DEEP
M-11.SEE OFF
M-12.ANSWER FOR…
M-13.The only way
EGO-WRAPPIN’
M-1.Red Shadow
M-2.Sundance
M-3.カサヴェテス
M-4.Morning Star(新曲)
M-5.くちばしにチェリー
M-6.Go Action
M-7.Girl’s just want to have fun(Cyndi Lauper カバー)
エレファントカシマシ
M-1.今宵の月のように
M-2.悲しみの果て
M-3.笑顔の未来へ
M-4.風に吹かれて
M-5.ガストロンジャー
M-6.新しい季節へキミと
M-7.俺たちの明日
くるり
M-1.ロックンロール
M-2.ワンダーフォーゲル
M-3.(新曲)
M-4.さよならリグレット
M-5.ばらの花
M-6.東京
レミオロメン
M-1.スタンドバイミー
M-2.1-2 Love Forever
M-3.明日に架かる橋
M-4.夏の日
M-5.オーケストラ
M-6.南風
M-7.もっと遠くへ
EN-1.雨上がり
EN-2.粉雪