POLYSICS「コニチワ! New POLYSICS!!! ~マッハ AX ギュンギュンギュン!!!~」

Filed under: LIVE REPORT — タグ: — LUCK'A @ 2011.03.21

POLYSICS
「コニチワ! New POLYSICS!!! ~マッハ AX ギュンギュンギュン!!!~」
2011.3.4(Fri)
@SHIBUYA-AX

 この日は、現3ピース体制になってからの新生POLYSICSとしては初めての渋谷でのライヴ。そして、3月9日に発売の通算11枚目のニューアルバム『Oh! No! It’s Heavy Polysick!!!』を、先行してライヴで体感出来るとあって、ステージが始まる前のフロアは、それらへの期待値でいっぱいであった。昨年3月までステージ上手に定番としてあった、キーボードキットも今はなく、トライアングルに並べられた各人の機材が、これから始まる3人だけで務められるステージに雄々しく映えている。

そんなPOLYSICSの最新グッズの1部を、今、我がラッカは制作させてもらっている。

 BGMとしてエレポップやボディミュージックの類が場内に流れ、それらに身を委ねながら、彼らの登場を待つことに。
SEの「Heavy POLYSICK」に乗り、3人のメンバーが登場するやいなや、ステージに向け、駆け寄るようにフロア前方の密度がギュッと高くなる。ステージ前方のヘリに立ったハヤシが場内をぐるりと眺めまわし、お客さんを煽る。それに猛然と呼応する会場全体。「Toisu! いくゾ、渋谷AX!!」のシャウトと、高BPMのビートに乗り、ハヤシの性急的なギターソロに乗せ、ベースのフミがメインボーカルをとる「How are you?」にイン。挨拶的なナンバーの登場に合わせ、場内もハネる。ハヤシの発狂ギターソロが火を吹き、サビのテンポアップには、場内ものっけから大盛り上がりを見せる。そして、ノンストップでインディーズ時代からの代表曲「PLUS CHICKER」に突入。場内の坩堝をさらに掻き回す。性急さはそのままに、そこにドライヴ感とガレージ感の加わった「Boil」に入ると、合間合間に飛び出すヤノのマシンガンロールも炸裂。それが更に場内の高揚感を煽り、間にはハヤシのサーフ交じりの発狂ギターソロも飛び出す。そして、電子音とグリグリのベースのイントロから、3月9日発売のニューアルバム『Oh! No! It’s Heavy Polysick!!!』から「Bleeping Hedgehog」に入る。間には発狂的マッドサイエンティスティックな電子音が場内の熱狂を煽る。続いて、こちらも昔からの代表曲である「XCT」に入ると、フミもディー・ディー・ラモ―ンばりに大股びらきでベースをピッキング。ヤノのドラムもタムを効果的に織り交ぜ、どっしりしたところも見せる。また、同曲の後半では、ハヤシの「ジャンプ!!」のシャウトを呼び声に、会場全体がポゴダンスを始め、会場を湧かす。

ここで挨拶代わりの「Toisu!」のコール&レスポンス。「コニチワ(こんにちわの意)シブヤ コバンワ(こんぱんわの意)トーキョー ポリシックス始まったゾ~ 久しぶりの渋谷AXは、いきなり最高だぞ。今日も最後までギュンギュン飛ばしていくぜ!!」とMC。
ここで今回のライヴタイトルにもなった「Mach肝心」を始める。ディスト―ションの効いたガリンガリンなベースのピッキングの合間にはグル―ヴィーなベースラインや、スイートなボーカルを織り交ぜるフミ。その様は、会場に時にハートを、時にウネリを持ちこむ。このアクセントがPOLYSICSならではだ。そう、今はこの3人でどれだけの幅やバリエーションを見せられるかも試されていたりする。今のところは完全合格だ。
続いてもニューアルバムからの曲。「Much Love Oh! No!」が飛び出す。ハヤシとヤノのボイスの掛け合いも印象的な同曲。この曲ではヤノが「Oh! No!」の相の手を入れるのだが、後ほどのMCでは、実はニューアルバムでは、このボイスのニュアンスがなかなか上手く出せず、録音するのに足かけ3日かけてしまったことを独白していた(笑)。そして、「踊れHeaven」では、それこそ”踊れ!!”とばかりに間にはミラーボールも回り出し、まばゆいばかりのキラキラとした空間の中、場内をファンタジーな世界へと誘う。そして、電子音と豪快なギターリフが場内に響き渡り、ハヤシの「踊れ~!!」のシャウトと共に「Digital Coffee」にイン。ハンドマイクに持ち替え、ステージの端から端まで歩きながら歌うハヤシ。2番では、スタンドマイクの前で歌詞に合わせ、ジェスチャーを交えて歌う。フミも甘い歌声でコーラスを絡ませ、楽曲にふくよかさを加える。そして、ノンストップで「Rock Wave Don’t Stop」にイン。ソリッドで上昇感のあるナンバーの出現に、場内も一際驚喜。ハヤシも通常とボコーダー、両方のマイクを上手く使い分け歌う。その間もヤノのドラムは、フロアタムを上手に起用し、曲のミッドとローをしっかりと支える。

ここでハヤシが腕にハンディのシンセを装着。今回のニューアルバムのコンセプトについて語る。「テーマは自由。なので、”ハヤシがギターを弾かない曲があっても良いのでは?”の中から生まれた曲であり、それを象徴した曲」とのイントロデュースの下、ハヤシが腕に装着したハンディシンセを弾き、フミがそれに乗せリードボーカルを取る「Go to a Strange City」に入る。同曲の後半ではハヤシもまるで腕をかきむしるかのように発狂シンセソロを弾きまくっていた。そして、聴き覚えのあるイントロが飛び出し、それに場内も驚喜。続く「スリーオースリーオーマーン」では、ベースのフミも現れたもう一つのドラムキットに座り、叩きながら歌うというツインドラムスタイルに。ヤノ、フミのツインドラムが場内に大きなうねりを生む。ツインドラムの曲は続く、次はこのままのスタイルで「Boy’s Head」に入る。16ビートのタメのリズムによるグル―ヴのある同曲。ヤノが途中では「もっと字を書け!」との謎のMCも挟み、それが場内に更なる起爆を生む。深海に居るようなVJをバックにプレイされた「Don’t Cry」では、間奏での徐々に上がっていく高揚感に会場もたまらないといった表情。そして、次の「機械食べちゃいました」では、重いダウンピッキングによるギターイントロから場内も臨戦態勢。フミの16分のダウンピッキングとヤノの高速2ビートが場内にグイグイグリグリと迫りくる。

ここでMC。再びニューアルバムについて、「今回は音にはこだわり、いつもトラックダウンをやってもらっているAlex Newportにレコーディングをお願いした。それほど大事に作り上げた作品である」ことを伝え、「それを一気に聴く快感はたまらない」と締める。

ライヴに戻ると、ニューアルバムから、爆走2ビートナンバー「Jumping Up and Clash」が場内を駆け抜ける。うーん、この曲は今回のニューアルバムを引っ張っていきそうなナンバーだ。
ここからは後半戦。”最後までぶっ放していくぜ!!”と言わんばかりに、高速ストロボナンバー「Beat Flash」、フミとハヤシのツインボーカルも印象的なエレクトログル―ヴナンバー「Young OH! OH!」、フミのスリリングなベースラインから「Pike」に入ると、怒涛性と歌謡性、そしてエレキ性といったスリリングなサーフインスト性が場内を煽る。途中ではハヤシもフリーキーにトランペットソロを吹き出す。うーん、賑やかだ(笑)。ノンストップで「シーラカンス イズ アンドロイド」にインすると、怒涛の展開と性急さの上書きに場内も更なる盛り上がりを見せる。「あばれろー!!」とハヤシ。デジタルカタストロフィーな「URGE ON!!」では、ギターソロの際にハヤシもフロアに飛び込み、もみくちゃ状態に。そして、本編ラストの「Shout Aloud!」では、その怒涛性に我慢しきれず、フロアのあちらこちらでクラウドサーフが出現。途中途中に入る甘いフミの歌声が上手いバランスを取っている。いやー、ラストに向けての怒涛さにはたまらないものがあった。

ここからはアンコール。この日の模様はUstreamで、インターネットを通じ全世界に生で流れていたのだが、「Ustも良いけど、ライヴはやはり生の方がいいんじゃない?」とハヤシ。そして、ニューアルバムから、みんなで歌えるポップなパーティーナンバー「Let’s ダバダバ」を始める。同曲では場内はもとより、Ustの前で観ていた方々もきっと大合唱していたことだろう。ヤノのドラムソロを挟み、後半は大合唱でみんな幸せそうに嬉しそうに歌っているのも印象的であった。アンコールの2曲目は「カジャカジャグー」だ。2コードのループ感が場内に興奮感を生む。ハヤシの発狂ダイナソーギターソロも飛び出し、シンセの電子音も放ちつつなので忙しそうだ(笑)。
次の「Electric Surfin’ Go Go」のイントロの登場には場内がどよめく。サビのフミの歌うフレーズに合わせ、場内から無数の手が上がる。おっ、よくよく見れば、みんな「ギュン手」をしっかりとハメて、曲に呼応しているではないか。嬉しい! サビのストレート感と解放感がたまらない同曲。うーん、場内も至福の極みの表情だ。

ここからはダブルアンコール。ハヤシが、デビュー14周年であるこの日を記念し、来場者全員に配られたイベントタイトル入りの滑り止め付き手袋「ギュン手」をはめてステージに登場。この「ギュン手」について、ハヤシとフミで、そのネーミングへのイジりも含め、色々とトークしてくれた。
続けて「フィーバーしようゼ。ナイトフィーバー。今夜もハッスルしようゼ」とハヤシ(笑)。そして、ニューアルバムからの曲「Smile to Me」をプレイし、ラストはやはりこれじゃなきゃ締まらないとばかりに、「BUGGIE TECHINICA」をプレイ。フミも髪を振り回しながらベースを振り回し、弾きまくる。大きなうねりがステージと会場に起こり、インスト曲ながら場内に言いようのない一体感をもたらす。
全曲を終え、挨拶をし終わった、フミとヤノがステージを去り、ハヤシ一人が残る。ラストはノンマイクにて、会場とハヤシとで「Toisu!」のコール&レスポンス。ダブルアンコール前に、ハヤシから「いつものポリのワンマンよりも長いライヴだけど、短く感じるのは、やはり楽しかったからにちがいない」と語られたとおり、ホント、今日はいつも以上にアッと言う間のような気がした。

ライヴ中、ハヤシは、3月9日発売の、この新体制になってからのニューフルアルバム『Oh! No! It’s Heavy Polysick!!!』について、「好き勝手にやりたい放題やった」と語り、続けて、「10年以上作品を作っているけど、こんなにも初期衝動溢れるアルバムを作ってしまった。だけど、それが出来たことによって、もっと自由に出来ることも分かった。今後ももっともっと面白い音楽を作っていく」とステージから約束してくれた。
彼らはこれからも、絶え間ない、枯れることのない初期衝動を持って、いつまでもどこまでも面白い音楽を作り、発信していくことだろう。それを我々は今後もカラダ全体と頭も使って傍受していこう。そして、我々ラッカも今後、彼らためにもっともっと面白いグッズを提案/作っていきたいと心から思った。
Report : 池田スカオ和宏


【SET LIST】

M-1. Heavy POLYSICK
M-2. How are you?
M-3. PLUS CHICKER
M-4. Boil
M-5. Bleeping Hedgehog
M-6. XCT
M-7. Mach肝心
M-8. Much Love Oh! No!
M-9. 踊れHeaven
M-10. Digital Coffee
M-11. Rock Wave Don’t Stop
M-12. Go to a Strange City
M-13. スリーオースリーオーマーン
M-14. Boy’s Head
M-15. Don’t Cry
M-16. 機械食べちゃいました
M-17. Jumping Up and Clash
M-18. Beat Flash
M-19. Young OH! OH!
M-20. Pike
M-21. シーラカンス イズ アンドロイド
M-22. URGE ON!!
M-23. Shout Aloud!
Encore
En-1. Let’s ダバダバ
En-2. カジャカジャグー
En-3. Electric Surfin’ Go Go
Double Encore
W-En-1. Smile to Me
W-En-2. BUGGIE TECHINICA


【MEMBER】

ハヤシ:Guitar, Voice, Programming
フミ:Bass, Voice, Synthesizer
ヤノ:Drums


【Profile】

1997年、高校生だったハヤシがDEVOに憧れPOLYSICSを結成。メンバーチェンジを繰り返しながら活動する。
1999年、アルバム『1st P』でインディーデビュー。
2000年、キューンレコードからシングル「XCT」でメジャーデビューし、海外での活動も開始。「SXSW2000」を含むアメリカツアーを行い、インディー時代のBEST ALBUM『Hey! Bob! My Friend』をアメリカと韓国でリリースした。
2003年、この頃から海外での活動も本格化。メジャ–1stアルバム『NEU』をアメリカでリリースし、初の全米ツアーも行った。
2004年、ベストアルバム『POLYSICS OR DIE!!!!』をリリースし、ドラマーのヤノが正式加入。またこの年からイギリスでも活動を開始。ベストアルバムをリリースし、2度のイギリスツアーを行う。
2005年、メジャー5thアルバム『Now is the time!』をリリース。同盤は、翌年、アメリカ、ヨーロッパでもリリースされた。
2007年、POLYSICSは結成10周年。2月にはNEW ALBUM『KARATE HOUSE』をリリース、3/4にはSHIBUYA-AXにて「10周年 OR DIE!!!! 東京!食パン!ピッピキ!たて笛!ツナギで世界中にありがトイス!!」と題した記念LIVEを行なった。また、10/9には北米にてMySpace Recordsより、BEST ALBUM第二弾となる『POLYSICS OR DIE!!!!-VISTA-』をリリース。
2008年4月、アルバム『We ate the machine』をリリース。その前後よりライブツアー「POLYSICS WORLD TOUR OR DIE 2008!!!!?ハミ出せ!!春のウキウキ・ジャパンツアー!!!!?」を敢行。
2010年1月、自身2枚目となるベストアルバム『BESTOISU!!!!』をリリース。3月、初めて日本武道館にてワンマンライブ「BUDOKAN OR DIE!!!!」を開催。このライブをもってカヨが卒業、バンドは活動休止に入った。
2010年8月よりヤノ・フミ・ハヤシの現在の3人にて活動を再開。同年12月 3rdミニアルバム『eee-P!!!』発売。
2011年3月9日、11枚目のオリジナルアルバム 『Oh!No!It`s Heavy Polysick!!!』 発売。6月より、全国ツアー「We are All Heavy Polysick!!! ~ツアーでダバダバ!!!~」を開催。


【NEW ITEM】

NEW ALBUM
『Oh! No! It’s Heavy Polysick!!!』
初回生産限定盤(CD+DVD)
KSCL-1731~2 (CD+DVD)
¥3,600(Tax in)
【Ki/oon Records】
NOW ON SALE

<CD>
01.Heavy POLYSICK
02.Bleeping Hedgehog
03.Let’s ダバダバ
04.Don’t Cry
05.Jumping Up and Clash
06.Go to a Strange City
07.Cough Cough
08.Smile to Me
09.サブリミナル CHA-CHA-CHA
10.3 Point Time
11.Digital Dancing Zombie
12.Much Love Oh! No!
13.Have a Good Night

<DVD> ※初回盤のみ付属
Live at LIQUIDROOM 2010.11.5
01.シーラカンス イズ アンドロイド
02.Mach 肝心
03.Tei! Tei! Tei!
04.How are you?
05.人生の灰
06.Rock Wave Don’t Stop
07.First Aid
08.カジャカジャグー
09.URGE ON!!
10.Shout Aloud!


【LIVE INFORMATION】

http://www.polysics.com/live_top.php


【ARTIST HOMEPAGE】

http://www.polysics.com/

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