BIGMAMA “Roclassick” release tour 2010-2011 〜母と行く、魅惑の新世界〜

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BIGMAMA
“Roclassick” release tour 2010-2011 〜母と行く、魅惑の新世界〜
@九段会館
2010.12.25

BIGMAMAの魅力は、そのメロディック、エモ、ハードロック、メタルが融合されたサウンドをベースに、そこに絡む哀愁と雄大性を併せ持ったヴァイオリンとの組み合わせといったオリジナリティ溢れる音楽性。もちろんそれもだが、僕はもう一つ彼らならではの重要なファクターがあると思っている。それこそがウィットやジョーク、そしてシャレやセンスの類。そして、それらは彼らの諸作品のアートワークや歌詞内容、そして、各曲のタイトルやその副題、はたまた毎度作品のブックレット内に掲載されているボーカル&ギター金井による各曲解説等にも表れている。そして、この日のライヴでもそれは随所に表れていた。

今回の会場は九段会館。通常はロックバンドよりは、オペラやクラシックコンサート、演劇や演説等が主に行われる、天井の高い、格調高きホールだ。とは言え、ここでの鳴りや響きは天下逸品。事実彼らのクラシックの曲をモチーフに、自分たち的解釈にて歌と演奏を乗せ、完全に自分たちの作品として確立したニューアルバム『Roclassick』を引っ提げてのツアーのクリスマス特別版を行うには申し分のない場所と言える。

BIGMAMA 2010.12.25 九段会館@会場写真

今回、我がラッカは、彼らの新作Tシャツのデザインと制作を行った。

BIGMAMA 2010.12.25@九段会館 グッズ写真

 ステージ後のエンジのビロードの幕には、ブックレットにも掲載されている、収録各楽曲のタイトルをモチーフに描かれた7枚の絵画が飾られている。クリスマス仕様に飾り付けされたステージには、丁寧にツリーまでも鎮座すまし、格調高いハープシコードによる厳かなバロック音楽が、開演前の神秘性をより高めている。そんな厳かな雰囲気の中、苦笑・爆笑交じりの開演前の諸注意を告げる影アナ。もう、ここからして金井君、裏で聞きながらニヤニヤしているんだろうなぁ(笑)。
 そのバロック音楽が激しい交響曲へと変わっていき、その激しさが段々と増して行く中、SEが流れ出し、会場が暗転。文字通り真っ暗な中、メンバーがステージに現れる。ドラムのリアドによるマーチ感溢れるドラミングと、ヴィヴァルディの四季中「春」のBIGMAMAアレンジのイントロから「走れエロス」にイン。リアドの2ビートが疾走感を生み出し、フロアもホールながら、みんなその場で無数のコブシを上げる。そんな中、特攻が鳴り、中から無数のコンドームが会場にばらまかれる。”なんだ?”と訝しげに手に取るも、ニヤリとする者、引く者、嬉しそうに振り回すものと受け取った側もそのリアクションは千差万別。この由緒正しき荘厳なホールでナント痛快、いや、不謹慎なことを(笑)。またもや金井の術中やないか(笑)。サビの部分では早くも大合唱を生んだ同曲。そこから後半部に再突入する激走感がたまらない。そして、ヴァイオリンの東出とギターの柿沼による「赤鼻のトナカイ」のフレーズの超絶ソロ合戦を挟み、その柿沼によるワウの効いたファンキーなカッティングから「テレーゼのため息」に入る。まことにブレイヴ感溢れるナンバーの登場に更に会場が驚喜する。リアドの放つカウパンク的なビートと、彼ら独特の哀愁性、柿沼のワウの効いたギターソロが火を吹く。そして、金井の歌い出しから始まった「かくれんぼ」には会場も一際歓声を上げる。「泣いたり、怒ったり、僕らは忙しい」と歌われるが、今日の僕たちは、「盛り上がったり、高揚したり、厳かに聴き入ったり、色々と忙しい」って感じだ(笑)。同曲では、後半の金井と柿沼によるコーラスのリレーがたまらない。リアドの4つ打ちから「as one」にインすると、会場も力強い手拍子で応戦する。ヴァイオリンが雄大な音色を奏で、柿沼と安井も向き合い、プレイを始める。間のダンサブルになるところでは会場も踊る。

BIGMAMA 2010.12.25@九段会館 ライヴ写真1

「みなさんの大切なクリスマスに、この場所を選んでもらってありがとう。煮るなり焼くなり、寝るなり好きに楽しんで下さい。僕ら今日はあらゆる手段を使ってみなさんを楽しませるので、最後までお付き合い下さい」とは金井。続くヴァイオリンと柿沼のギターの絡みから入った、ミディアムでどっしりとしたナンバー「英雄を抱いてマリアは眠る」では、聴く者各人が自身のこれからのストーリーを広げていく。東出もヴァイオリンからシンセに持ち替え、クラシックのフレーズを織り交ぜる。
「さぁ、愛で地球を回す時間です。普段はお金で地球を回しているけど、こんな日ぐらいは愛で地球を回してみませんか」との金井の言葉の後、「Lovescape」が始まる。と同時に、地球儀のバルーンが会場内に転がり、みんなが嬉しそうにそれを回す(笑)。モータウン調のポップスナンバーの登場に場内も楽しそう。会場全体が愛の逃避行を始める。そして、柿沼と金井のツインギターのフレーズのリレーションから入った「”MISSION 481″」。安井もチョッパー交じりのフレーズを楽曲に絡ませ、リアドのちょっとしたドラムソロを挟み、ギターソロ、そしてギターとベースによるツインリードばりのユニゾンが会場を盛り上げる。そして、ハチャトゥリアンの「剣の舞」をメタルアレンジした「ツルギが無い」に突入すると、ミドリ色のレーザー光線も無数に飛び交い、会場も大興奮。曲が進む毎にピッチが上がっていくところでは毎度興奮だ。

BIGMAMA 2010.12.25@九段会館 ライヴ写真2

ここでMC。去年の今頃、時の首相の鳩山さんが母からもらった巨額の選挙資金についての弁明の場所が、たまたまこの九段会館で、その巨額=ビッグ、母=ママから、”この場所で演りたい!!”と思い立ったと、今回九段会館で行うことになったかの経緯が、こちらもダジャレやウィットを交え、金井より面白おかしく伝えられる。

甘い歌い出しから一変。2ビートの疾走感とメロディック具合がたまらない「Neverland」にインすると、安井の5弦ベースの指弾きの先から、グル―ヴィーさとドライヴ感が生まれ、会場に弾みと盛り上がりが育つ。そして、聴き馴染みのあるイントロが会場に驚喜を生む。続いては「ダイヤモンドリング」だ。ヴァイオリンが優雅さを楽曲に加えるスイートでロマンティックなナンバーの登場に会場もご満悦。加え、上昇感のあるサビでは、会場も大合唱だ。そして、金井と柿沼のボーカルハーモニーとヴァイオリンが楽曲に幻想感を生んだ「虹を食べたアイリス」。ベートーベンの「運命」のフレーズを組み込むなんてズルい(笑)。

ここでスクリーンにサンタ姿の5人が。1名のファンにプレゼントを届けるという映像が、そのスクリーンに流れる。そして、「会場にもクリスマスプレゼントがあると」メンバーによる5人のサンタがステージに登場。メンバー一人ひとりが選んで持参したプレゼントを当選者に手渡しでプレゼントされる。そして、そのサンタの衣装のままで「My Greatest Treasure」をプレイ。東出もシンセをプレイし、彼らのクリスマスプレゼントが会場を温かくする。
そして、会場全体との記念撮影と、5分の休憩を挟み、第2部へと進む。

BIGMAMA 2010.12.25@九段会館 ライヴ写真3

BIGMAMA 2010.12.25@九段会館 ライヴ写真4

ここからはしばしアコースティックタイム。プレイの前に金井から、24歳までで音楽をやめようと思っていたこと、ガムシャラにやった結果に今があること、それもやはりみんなのおかげ。その感謝の意も込めて、「I Don’t Need a Time Machine」をアコギ1本で弾き語り始める。柿沼のギターも楽曲にハーモニーを付けるよう加わっていく。続いてそのまま「CPX」にイン。1番は前述の2人で、そこに安井のアップライトベースと東出のヴァイオリン、リアドのドラムも加わりアコースティックバンド・スタイルにてプレイ。そのままメンバー全員で「Do You Remember? 」に突入。ジャジーにスイング気味にアレンジされた同曲は、弾んだポップ感を中心に、そこにヴァイオリンの郷愁感が加わっていくもの。続いては、結婚したばかりの人に捧げられた、ライヴでは初めてプレイされた「チャラララーンの歌」。「結婚行進曲」のフレーズを上手く交え、安井のベースのチョッパーを交えたハネるグル―ヴは、スケール感たっぷりに叩かれるリアドと共にリズム隊でベースをキチンと作り上げる。ハーモニーから始まった「I’m Standing on the Scaffold」では重厚なサウンドながら、それをちっとも重々しく響かせないところは彼らの面目躍如。間にはミニマルに広がっていくエターナル性を感じさせつつ、後半はエモ―ショナルさたっぷりでガツンとした光景を味あわせてくれた。ノンストップで切り裂くようなギターイントロと力強いドラム、そして、優雅に抒情性を広げるヴァイオリンに場内が驚喜する。続いては「Paper-craft」だ。サビのストレートで上昇感溢れる部分では、場内も一斉にコブシを上げる。ちなみにこの曲ではそのタイトルよろしく、トイレットペーパーが場内に舞踊る(笑)。続いて、魂を揺さぶり、心を荒ぶらせるイントロから「荒狂曲 “シンセカイ”」にイン。中盤部の間奏の怒涛性とそこからのドラマティックな展開。そして、ラストへの怒涛の流れが会場に更なる盛り上げを生む。

ここでMC。今回のツアーのエクストラとして都内5つのライヴハウスにてライヴ行うこと、グランド・ファイナルとして渋谷AXでワンマンを行うことを告知。そして、ここでスペシャルゲストとして、ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロの弦楽四重奏が呼び込まれる。ここでもう1曲のクリスマスソング、山下達郎の「クリスマス・イヴ」が歌われる。金井のスイートな歌声も同曲にベストマッチ。会場には粉雪舞い散る演出も加わり、幻想的でロマンティックな楽曲への演出を施していく。弦カルテットが雄大に楽曲を広げ、景色や歌物語を会場の一人ひとりの胸に広げていく。
そして、チェロとヴァイオリンによるパッハッべルの「カノン」が始まると、「楽しい夜をありがとうございました。BIGMAMAでした」と金井。ラストはブライトにこれから先の光も感じさせる「計算高いシンデレラ」。ラストのハミングでは会場全体も大合唱。多幸感と安堵が会場に満ち溢れていた。

BIGMAMA 2010.12.25@九段会館 ライヴ写真5

ここからはアンコール。「今からちょっとだけ、ここをライヴハウスに戻したいと思います」との金井の言葉の後、「the cookie crumbles」が始まる。金井の歌い出しから大合唱。会場が一瞬ライヴハウスさながらのコブシによる呼応とクラップ、そしてその場でのジャンプにより、会場全体が嬉しそう顔で呼応、会場全体が前傾姿勢になっているのが分かる。ノンストップでラストのストレートなナンバー「Dowsing For The Future」が、天井の高い会場に高らかに誇り高く響き渡る。後半は会場中が大合唱。会場全体で大団円を盛り上げる。

BIGMAMA 2010.12.25@九段会館 ライヴ写真6

ラストはMerry Xmasの文字と、WHAMの「ラストクリスマス」のリアレンジに乗せて、この日に向けてのリハーサル映像を押さえたものの映像が流れ、それがジョン・レノンの「ワンダフルクリスマス」に移りステージは終了。

まさにクラシックとロックの融合。シリアスやロマンティックと、ジョークやウィットが織りなした1晩であったと言える、この日のライヴ。2011年も既にスケジュールがいっぱいだという彼ら。ということは、2011年はライヴにて、より彼らに会えるチャンスも増えそうだ。その際は、また違ったウェットやユーモアを各楽曲に交えて我々に届けてくれることだろう。今度はどんなウィットやジョーク、そしてシャレやセンスが飛び出してくるのか?ちょっと気が早いが、今からそれが非常に楽しみだ。

BIGMAMA 2010.12.25@九段会館 作品写真

Report 池田スカオ和宏


[SET LIST]

1部
1. 走れエロス
2. テレーゼのため息
3. かくれんぼ
4. as one
5. 英雄を抱いてマリアは眠る
6. Lovescape
7. “MISSION 481″
8. ツルギが無い
9. Neverland
10. ダイヤモンドリング
11. 虹を食べたアイリス
12. My Greatest Treasure

2部
13. I Don’t Need a Time Machine
14. CPX
15. Do You Remember?
16. チャラララーンの歌
17. I’m Standing on the Scaffold
18. Paper-craft
19. 荒狂曲 “シンセカイ”
20. クリスマスイヴ
21. 計算高いシンデレラ
Encore
En-1. the cookie crumbles
En-2. Dowsing For The Future


【MEMBER】

BIGMAMA artistL→R
Strings東出真緒
B. 安井英人
Vo.&G. 金井政人
G. 柿沼広也
Dr. リアド偉武


【PROFILE】

2006年7月、UKPROJECT内RX-RECORDSにて1st MINI ALBUM『Short Films』を発表。新人としては異例の10000枚以上のセ-ルスを記録。
同年10月、メンバ-の脱退により一時活動を休止。
2007年2月、恵比寿LIQUID ROOMにて新メンバ-、安井英人(bass)東出真緒(strings)を迎え活動を再開。
2007年6月、新生BIGMAMAとして、1st SINGLE「BOYS DON’T FLY」を発表。9月にはワンコイン受注生産限定2nd SINGLE「Neverland」を発売。12月には1st FULL ALBUM『Love and Leave』を発表。18000枚以上のスマッシュヒットを記録する。
2008年、リリ-スツア-は軒並みソ-ルドアウトが続出し、4月13日のツア-ファイナル新宿LOFTまで、大盛況で幕を閉じた。その夏には、ROCK IN JAPAN FES.2008、SUMMER SONIC08などの国内大規模野外フェスにも多数出演。その勢いを留める事無く、9月、3rd SINGLE「Weekly Fairy Tale」をリリ-ス。オリコンインディ-ズチャ-ト1位、シングルチャ-ト43位を獲得する。
2009年11月、3rd ALBUM『and yet, it moves ~正しい地球の廻し方~』リリ-ス。
2010年10月、4th ALBUM『Roclassick』をリリース。同月より、全国ツアー「”Roclassick”release tour 2010-2011 ~母と行く、魅惑の新世界の旅~」を敢行。各地を熱狂の渦に巻き込む。


【NEW ITEM】

4th ALBUM
『Roclassick』
RX-039
¥2,100(Tax in)
NOW ON SALE
【RX RECORDS】

M-1.走れエロス (ヴィヴァルディ『春』)
M-2.虹を食べたアイリス (ベートーヴェン『運命』)
M-3.テレーゼのため息 (ベートーヴェン『エリーゼのために』)
M-4.英雄を抱いてマリアは眠る (バッハ『フーガト短調』他)
M-5.ツルギが無い (ハチャトゥリアン『剣の舞』)
M-6.荒狂曲“シンセカイ” (ドヴォルザーク『交響曲第9番”新世界より”』)
M-7.計算高いシンデレラ (パッヘルベル『カノン』)


【LIVE SCHEDULE】

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【ARIST HOMEPAGE】

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