ジョゼ「渋谷の夜に流れた夜想曲たち」

Filed under: LIVE REPORT — タグ: , — LUCK'A @ 2014.02.25

ジョゼ「渋谷の夜に流れた夜想曲たち」


デザインはLUCKON GRAPHICS
 今回、LUCKON GRAPHICSは、2013年秋に発売された彼らのニューミニアルバム『Nocturne』のジャケットデザインを担当しました。デザインはKoda。彼らの持つ神秘性や奥深さ、そしてひんやりとした感じが、見ただけで伝わってきますね。
デザインのポイント等の詳細はこちらにありますので、是非ご覧ください。→http://picka.lucka.jp/3795

ニューミニアルバム『Nocturne』


湖がぶ飲みツアー FINAL
 上記のミニアルバム『Nocturne』を引っ提げて、彼らは全国各地を回ってきました。
 昨年11月19日の下北沢SHELTERでの「『小声で云うハロー vol.3』?“Nocturne”Release Party?」を皮切りに、横浜、埼玉、水戸、仙台、千葉、広島、福岡、大阪、名古屋とライヴを重ね、そのファイナルがワンマンとして渋谷O-Crestにて行なわれました。
 当日は『Nocturne』全曲の他、前作『Aquarium』からの曲も全曲披露。加え、久々にやった曲や出来たばかりという新曲も披露され、当日は集まったみなさんが大満足な表情でした。

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kemonoTシャツが登場
 ラッカは今回の彼らのツアーにて、「kemonoTシャツ」を2種、「ジョゼ ロゴタオル」「ロゴキーホルダー」を作りました。「kemonoTシャツ」は、前回のウサギとは対照的にオオカミの絵柄がバーンと、こちらは前回のTシャツ同様、ボーカル&ギターの羽深さんが描かれたそうです。それから、「ロゴタオル」のデザインはLUCKON GRAPHICSが手掛けました。

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 「フェイスタオルのデザインは、アルバム『Nocturne』のジャケットでも使用した泡の絵で、ジョゼ独特の“水底感”を表現してみました」LUCKON GRAPHICS

 「弊社が今回、ジョゼのCDジャケットのアートディレクションとデザインをするところから始まり、その流れでグッズ制作もさせてもらうことになりました。まずは鉄板であるジョゼのロゴとエンゼルフィッシュのイラストをアクリルのキーホルダーに落とし込んだものを制作。Tシャツの方は羽深君のイラストを前面に押し出し、背中に小さくワンポイントでキーホルダーと同じロゴを入れています。そのTシャツのボディはスタイリッシュに着こなしたいということもあり、薄手のボディを起用しました。また、タオルはCDジャケットのブックレットの中面で起用している気泡を上手く使い、多少のジャケットとのリンク性を意識しました」マーチャンダイザーカトー


「小声で云うハロー vol.4」開催
1月13日のワンマンライヴの際にも告知がありましたが、来る5月30日にジョゼの企画『小声で云うハロー』の第4回目が開催されます!ゲストバンドを迎え、通常のイベントライヴに比べ、こちらも彼らのプレイがちょっとロングセットで楽しめる仕様となっている、この企画。気になるゲストバンドも近日発表とか。これはマストゴーですね。

2014年5月30日(金)
ジョゼ presents
『小声で云うハロー vol.4』
【会場】TSUTAYA O-Crest
【出演】ジョゼ ※GUEST有(後日発表)
【時間】OPEN 18:30 / START 19:00
【料金】前売:¥2,500 / 当日:-

LIVE REPORT
ジョゼ
「湖がぶ飲みツアー」FINAL ONE MAN LIVE
2014.01.13 @ Shibuya O-Crest

 海育ちなのにおかしな話だが、私は湖が大好きだ。ドライヴする際に特に目的地もない時は、とりあえずどこかの湖を目指すし、途中、標識に湖の名が現れると、時間があれば大小関わらず寄って、湖畔にひととき佇んでみる。神奈川、東京の名のある湖には、ほとんど行ったことがあるのではないだろうか
 私が湖を好きな理由は幾つかある。まずは海も山も楽しめるところ。そして、独特のひんやりとしたところ。それから朝に夕に靄に煙っているところ。加えて、穏やかに波打つ水面。しかし、やはり一番となるとあの神秘的なところだったりする。特に朝や夕にボーッと湖畔に佇んでいると、すーっと後の森や水面から何やら呼び込まれていくような、惹き込まれていくような。声はないものの、何かに魅惑されたり、幻惑されたり…そんなぼんやりとした神秘性がたまらなく好きなのだ。

 上記をなぞえるに、私にとってジョゼは、<湖っぽいバンド>の一つだと思う。もちろん彼らのニューアルバム『Nocturne』には「湖とノクターン」が収録されているし、彼らの今回のツアータイトルは、「湖がぶ飲みツアー」というところも手伝っている。だが、それ以上に関連させるのは、やはり湖の持つ神秘性の方。彼らの楽曲の多くは、起伏やおうとつ、物語やシチュエーションの違いこそあれ、私にあの湖のほとりに佇んでいる際に、しばらくするとやってくる、前や後から手招きされるあの瞬間に似たものを想い起こさせる。

 そんな『Nocturne』と共に全国各地にて、その作品に宿しているぼんやりとした神秘性を実演というメゾットに置き換え、ツアーしてきたジョゼ。そのファイナルがワンマンとしてこの渋谷O-Crestにて行なわれた。
 昨年11月19日の下北沢SHELTERでの「『小声で云うハロー vol.3』?“Nocturne”Release Party?」を皮切りに、横浜、埼玉、水戸、仙台、千葉、広島、福岡、大阪、名古屋と回ってきた彼ら。この日のライヴは上述の『Nocturne』の全曲が披露されたのはもとより、その6か月前にリリースされた『Aquarium』からの曲も全曲披露、加え、久々にやった曲や、出来たばかりだという新曲までも披露された。

 ジャズファンクのSEに乗り、メンバーがステージに現れる。ボーカル&ギターの羽深創太によるギターの爪弾きと、あえてマイクから距離を置き発するハミングが、ちょっとした緊張感の漂っている冷んやりとしたライヴハウスに浸透していく。そこから、1曲目となる「Swimming in the universe」の歌い出しに。ニューアルバムのラストを飾っていた同曲を最初に持ってきたところに、やはり彼らの作品が<起承転結、そして起>であったことを確信する。生命力を帯び、ゆったりと広がっていく歌声。そして深いリバーブのかかったスネアにアクセントを置いた、中神伸充によるドラミングがじわじわと会場の空気に温かさを加えていく。アンニュイさと、ふっとしたファルセットを用い歌う羽深。森卓也のベースがスライドを活かし物語を広げていく。

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 力強い4つ打ちに会場からは合わせてクラップが起こる。生気を取り戻したかのような会場に「Numberless polka dot」がブレイブ感たっぷり響き渡る。サビではパーッとした景色へと誘ってくれた同曲。間奏では同曲に秘めていたエモさがブワッと楽曲に混じり、会場に熱さが加わっていく。
 間に三拍子を交え、それがワイドさを呼び込んでいく。続いては「ユートピアの生活」だ。一瞬曲が止まり、訪れる緊張感と再度楽曲に入る際に起こる安堵感がたまらない。過度なポップさと軽やかさを擁していながらも、ちょっとした諦念を帯びている歌声も特徴的であった。そして楽曲が「冷たい街」に入ると、ちょっとした激しさとドラマティックさ、そしてスリリングさが会場に襲いかかってくる。続く、ストロボの中現れた「ミュート」では、会場の高揚感が一気にアップ。これまでに見られなかった疾走感が会場に呼び込まれ、ライヴが加速をつけて進んでいく。

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 ここでMC。羽深がしゃべる。「こんばんわジョゼです。ちゃんとした東京でのライヴは、11月のレコ発以来です」と、ツアーを回ってきたエピソード等を交え語り出す。そして、「ここからはツアーでやりまくった曲に」と、『Nocturne』『Aquarium』からの曲が、交互に発せられる。まずは、静と動のコントラストと同居、その分、解放感のあるサビでのストレートさが冴え、会場も思わずそこにライドオンした「地下鉄」、ラストに向かってグングン広がっていった変拍子ナンバー「ドラマチック・シンドローム」、また、「(ex.)傍観者」では、彼らの激の部分が全面に現れ、羽深もステージ前方までせり出し、ギターを弾き倒す一場面も。そして、それらとは対照的に、ギターの音も少なく、その分、森のベースが動き、楽曲に物語を彩っていった「セピアの海で」では、♪静かな泡になるから いつか波の様に伝わるまで♪のフレーズも痛々しく響いた。

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 ここでMC。再び羽深がしゃべる。「今日は沢山曲がやれて嬉しいです。ありがとう。うちらは曲が出来るのが遅いバンドだけど、今回の2作はわりと短いタームで出来た」と、『Nocturne』『Aquarium』を振り返る。「次の曲は一番新しく出来た曲で、ほぼこの日初めてやる曲」と加え、「家で一人ぼっちだと、過去や未来のことを考えちゃって頭がいっぱいになる時がある。昔のことを思い出して眠れなくなっちゃったりして。そんな夜があって。だけど、僕が居るのは現在なわけで…。ここでしか出来ないことを一生懸命やるだけです」と、ひそかなるこれからの決意を見せてくれた。続いては、その彼らの最新曲「アンドロメダに願いを」。届けと願う想いが、歌と共に我々側の胸にも飛び込んでくる。ブワッとワイドに広がっていくアウトロが特にエモーショナルだった。そして、次の「溺れる」でライヴが再び走り出す。性急的でカッコよく、会場全体が彼らにグイグイ引っ張られていくのが分かる。

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 次のMCは中神が務めた。今回のツアータイトルの由来。羽深が発案し、あえて自分たちがつけそうもないだろうタイトルをあえてつけたとのこと。
 ここからは後半戦。ガツンとくるナンバーが連射された。まずは夢で逢ったら何を話そうと「銀河飛行」が会場を彼らの歌世界へと誘えば、不穏で長いイントロから入った「海月のダイバー」では、音数少なく、まるで沈殿していくかのような錯覚を我々に呼び覚まし、また、雰囲気や場面を一変させるかのような「獣」では、これまで揺れている程度で聴き浸り、各歌の物語の中自分たちを漂わせていたオーディエンスも、やはりじっとしていれられないご様子。これまでになかった熱狂的なリアクションがステージに向け、返されていく。

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 本編最後のMCも羽深だった。「振り返るとこの3年で自分たちも変わった。いかんせん以前は足元ばかりを見て演奏し、歌っていた。そして何よりも今回のツアーは、色々と学ぶことがあった。3人で一緒にいたけど、あまりむかつくこともなかったし。さっきやった曲以外にも新曲があるので、これからのジョゼに期待していて下さい」との嬉しい言葉のあと、本編ラストとして、アルバムの1stナンバーでもあった「湖とノクターン」が歌われる。ダイナミズムのある同曲。♪足下の湖はまだ黒く透き通ったまま♪のフレーズが、ひんやりとしながらも、同曲同様、秘めたエモさを思い起こさせる。ラストに向かうにつれ、上がっていくステージの光度。体温や温かさが次第に取り戻ってくるかのようだ。

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 アンコールには最初、森ひとりだけが現れた。そこに残りの2人も加わり、羽深から次の彼らの企画の告知が行われる。そして、「昔の曲を凄く久々にやります」の言葉のあと現れたのは「車輪の果て」。彼らの初期を思い起こさせるギターロック然としたナンバーだ。同曲の登場に会場中がハネる。今となっては生まれてきそうもない当時の彼らならではの蒼さの残った曲だ。けれどもやはり昔からのファンたちにとってはこの上なく嬉しかったようで、フロアの多くが一緒に口づさんでいたのが印象的であった。そして、正真正銘のラストは爪弾きと歌い出しから始まった「Tenderness of tomorrow」。再び、会場をズブズブと彼ら独特のぼんやりとした神秘性へと引きずり、飲み込み、それを見届けるように彼らはステージを去った。

 何故、私が湖に惹かれるのか? をもう一度深く考えてみた。そして、またもう一つの魅力点が見つかった。それは湖の水が、どこか諦念を帯びているところ。それは海のようにどこまでも続いていくわけでもなく、川のように淀みなく流れ、大海へと注がれることも少なく、湖の水の多くは枯れるまで、基本そこに留まっていなくてはならない運命(さだめ)を、知っているからではないだろうか。だからこそ水面は刹那的に精一杯乱反射で輝き、その水面は謳歌するように穏やかに波打っているとも言えないだろうか。そしてそれが、朝に夜に急に人恋しくなり、「去って行かないで」と言っているかのように、神秘的な手招きを我々にしてくるように感じるのではないかとも…。
 ジョゼの歌がどこか諦念を宿しながらも、その実、生や活に向かっていたり、光を感じさせているところも、これらに似ていると私は思う。うん、そうだ。やはりジョゼは私にとって<湖っぽいバンド>の一つだ。

 
Report : 池田スカオ和宏


【SET LIST】

1. Swimming in the universe
2. Numberless polka dot
3. ユートピアの生活
4. 冷たい街
5. ミュート
6. 地下鉄
7. ドラマチック・シンドローム
8. (ex.)傍観者
9. セピアの海で
10. アンドロメダに願いを
11. 溺れる
12. 銀河飛行
13. 海月のダイバー
14. 獣
15. 湖とノクターン
Encore
En-1. 車輪の果て
En-2.Tenderness of tomorrow


INFORMATION

【MEMBER】

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Vo.& Gt.羽深創太
Dr.中神伸允
Ba.森卓也


【PROFILE】

2010年結成、同年6月より下北沢、渋谷を中心にライブ活動開始。
エッジの効いた曲調から包み込むような美しいドラマチックな曲調まで幅広くこなすスリーピースバンド。
これまでに二枚のデモ(廃盤)、2012年3月には自主制作の1st mini album「weekend」をリリース、同日に渋谷club乙で行われたレコ発自主企画は一ヶ月前にソールドアウトし大成功に終わる。
2013年5月に2nd mini album「Aquarium」をリリース。
同月よりレコ発自主企画『小声で云うハローvol.2』を始めとしてAquarium Release Tourを敢行。
現在も多数のイベントに出演し、東京に留まらず多方面でライブ活動を精力的に行っている。


【NEW ITEM】

ニューミニアルバム『Nocturne』

2nd Mini Album
「Nocturne」
DQC-1183(KSF-009)
¥1500(tax in)
NOW ON SALE
【K’s Factory Inc. BounDEE by SSNW】

1.湖とノクターン
2.(ex.)傍観者
3.地下鉄
4.海月のダイバー
5.獣
6.Swimming in the universe


【LIVE INFORMATION】

http://joze.boo.jp/live


【OFFICIAL SITE】

http://joze.boo.jp/

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