つばきフレンズ「つばきフレンズ FES.」

Filed under: LIVE REPORT — LUCK'A @ 2011.09.24

つばきフレンズ「つばきフレンズ FES.」

つばきフレンズ
「つばきフレンズ FES.」
つばきフレンズ/長澤知之/ウラニーノ/Half-Life/ザ・ガールハント/渡會将士(FoZZtone)/・・(ニコテン)/Any/セカイイチ/フタリロストインタイム
@新宿LOFT
2011.9.11(Sun)

All People loving Tsubaki music are Tsubaki friends!
“Roll the Tsubaki” Hand to Hand! or….Tail to Tail!?
We are waiting for him to comeback. All our dreams come true.
If we have the courage to pursue them. Never say never.

この日、新しく販売された、つばきフレンズTシャツには、さまざまな動物たちによるつながりが描かれた絵と共に、上述の英文が綴られていた。
そして、その英文を私なりに訳すとこんなところだろうか?
「つばきの音楽が好きな人はみんなつばきフレンズだ!
手と手をとりあい、尾と尾つなぎ、つばきの音楽を回転させ続けよう。
私たちは、徳保のカムバックを待っている。願いは叶うと信じている。
私たちは、その信念を必ず貫きとおす。絶対に諦めない」

この日は、つばきフレンズを中心としたつばきフレンズFES.。小川&岡本(from つばき)に加え、小高&山下(from LUNKHEAD)、海北(from LOST IN TIME)、竹尾(from FoZZtone)による、つばきフレンズを筆頭に、彼らに所縁の深い、朋友とも言える、つばきと同世代のアーティストたちと、つばきに影響を受け、リスペクトしている若い世代アーティストたちが、述べ6時間に渡り、つばきファンに、そして残念ながらこの日も不在であった、つばきのボーカル&ギター一色の復帰を願い、各々の気持ちや想いを自身の音楽性を通し、伝えられた。

この「つばきフレンズ」は、一色の不在を、小川、岡本のメンバーを始め、彼のパートであった、ギターとボーカルを、所縁のあるアーティストが、彼に代わり、歌ったり、プレイされてきたもの。つばきとして既に決定していた今年頭からのライヴの幾つかを、この編成で乗り越えてきた。
これまでのエポックとしては、震災の2日後、当初予定していたワンマンライヴを返上。急遽支援のため、電源を極力使わず、あえてアコースティックスタイルにて歌を伝えた、震災チャリティ「音楽のちから」ライヴや、彼らに所縁のあるボーカリストやアーティストが大勢参加。アンコールを含む全13曲が、参加ゲストボーカルと共に会場中で歌われた、今年6月のワンマンライヴが挙げられる。

今回、我がラッカは、このつばきフレンズのTシャツを制作。それに際し、MD(マーチャンダイザー)kAtoは、女性ファンが買いやすいように、あえてレディース用のTシャツを提案したという。深い襟ぐりも特徴の今回のTシャツは、イベント名に相応しい、人と人とのつながりを動物に例えたイラストの意味も尊重。可愛らしさを保持しつつ、特別感を出すべく、光る要素を加味。しかし、それがデコラティブになりすぎないよう、動物たちにはほのかに金の粒子をインクに調合した。

奇しくも一色の誕生日でもあった、この日。会場である新宿ロフトのメインステージではSEが流れ出し、メンバーたちがステージに現れる。小川はつばきのタオルを掲げ、”長い時間、最後まで待っていてくれてありがとう。これから、不在の一色の分までステージを精一杯務めるゾ!!”的なポーズをとる。ステージ向かって上手(かみて=右側に竹尾、下手(しもて=左側に山下)の2人のギタリストが会場を煽り、続けて、ボーカルの1人、小高も「まだまだ元気か?ロフト~!」と煽る。おっ、上にシャツを羽織っている者はいるものの、フロントの5人は今回のニューTシャツを着ているゾ。

まずは竹尾のギターのカッティングが炸裂。1曲目は初期のナンバー「妄想列車」だ。”いくゾ!!”とばかりに勢いのあるナンバーが会場に放たれ、まずは小高が歌い始める。ツインのレスポールから放たれる音がとにかく重厚。1曲目から場内グイグイ惹き込む。豪気なツインギターが、岡本のソリッドでタイトなリズムに小川のドライヴ感溢れるベースとベストマッチを見せ、ギターソロでは竹尾が客席前方の柵に乗り、弾き倒す。ラストに向け、小川と海北によるコーラスも絡めば、1曲目から妄想列車も暴走気味だ。ノンストップでベースフレーズも印象的な「夜と夢の鼓動」に突入。今度のボーカリストは海北だ。立ちボーカルがどことなく手持ちぶさたのよう映る彼(笑)。ユニゾンにてハモりをキメる、海北、小高のツインボーカルによるコーラス部にゾクッとさせられ、竹尾、山下のギターソロのリレーションに高揚させられる。

山下がブルージーなフレーズを奏で、そこに竹尾が泣き溢れるギターイントロをかます。続いては、ミッドテンポの「月の夜にいつもの川」だ。ここでは小高が感情移入たっぷりにボーカルを担当。海北も追いかけるようなボーカルで哀愁性を醸し出す。竹尾のギターが、「この音よ、空に届け!!」とばかりに弾き倒せば、会場も揺れながら聴き浸り、各々楽曲への想いを馳せる。
比較的サイドギターに徹する山下。その分、そのパッキングに乗り、竹尾のギターがより雄々しくギターソロを響かせている。通例、レスポール2本が共にリードを担う場合、楽曲のワイルドさばかりが目立つところだが、彼らはキチンとそれぞれのパートでの特性を活かした役割分担が成されており、それが楽曲に多彩さと奥行き、ふくよかさを加えている。

ここでMC。とは言え、「今日はあえてタイトなMCで行く」と小高。次の小川が、長丁場会場に居っぱなしのお客さんたちをねぎらえば、続く海北は、「思いはつばきの歌に込めてどんどん歌って行く」と宣言。ライヴに戻る。
岡本のタイトで張りのあるドラミングが会場にどっしり響けば、「君がいなければ」に入る。サビのギター落ちになるところでは、感動的なぐらい海北が感情を込めて歌い、それが夜更けから明け方のごとく、会場に光を取り戻していく。今のつばきの状況とダブる同曲。けっして、この不在を埋め合わすことは出来ないが、我々は信じて待つことが出来る。虚無と今後への希望が場内を包み、みんなが”一色よ、早く戻ってきてくれ!!””早く元気な姿と共に、あの歌声を聴かせてくれ!!”と、思いを一つにし、聴き入る。

「まだまだ羽ばたきたりないだろう?ロフト! 羽ばたいていこうゼ!!」との小高の煽りを呼び声に「バタフライ」に突入。小高の歌い出しと、岡本の4つ打ち16ハイハットが会場に一丸性とジャンプを生む。小川のベースが弾力とポップさを加えて行く。
小川のスリリングなベースから、本編ラストの「声の行方」に入ると、タイトでスピーディな岡本のドラムが場内に、もう一度加速度を与える。性急感が場内に勢いをつけ、焦燥感が場内を煽り、サビの伸びやかさが場内に大きな呼応を起こす。小川のアクションも激しくなり、サビでのツインボーカルと小川のコーラスが会場に悲しみを越えた勇気を与える。同曲のラストではバンダナ、ケミカルジーンズ姿のウラニーノ・ピストン大橋もステージに乱入。その独特のコミカルなファッションとアクションで、会場に溢れていたセンチメンタルさにマイルドさを加える。

アンコールに応えてくれた彼ら。今度はドラムの岡本もニューTシャツを着用している。小高が音頭をとり、本日の一色の誕生日をみんなで祝うべく、「HAPPY BIRTHDAY 徳保(のりやす)」が大合唱。その後、彼らのネクストライヴとして、下北沢round upへの出演の決定が告げられ、ステージに本日出演の全メンバーが呼び込まれる。ここで小川が今回のTシャツについて宣伝。「一色の誕生日プレゼントと思って是非買ってくれ」と促せば、続く岡本は、「一色君が戻ってくるまで、みなさん待っていて下さい」と一言。その後、山下による力強いストロークから海北の伸びやかな歌声が響き渡るラストの「太陽」に突入。「夜を越えていけ」と、力強くメッセージされる同曲に合わせ会場はもちろん終始大合唱。ステージも会場も同じ気持ちになり、この今の闇を吹き飛ばし、その向こうの光を信じ、たぐり寄せるべく、心の限り、力の限り歌った。

みんなが心の底からつばきの歌を歌った、この日。きっとそれは、現在療養中の一色の元にも届いたにちがいない。
この「つばきフレンズ」とは、決してステージに立っているアーティストだけのことではなく、広く言えば、つばきの音楽を好きな人、つばきの音楽を愛している人、そして、一色徳保の一刻も早い復調を願う人たちのこと。
最後にもう一度、Tシャツに書かれたフレーズを引用したい。
「つばきの音楽が好きな人はみんなつばきフレンズだ!
手と手をとりあい、尾と尾つなぎ、つばきの音楽を回転させ続けよう。
私たちは、徳保のカムバックを待っている。願いは叶うと信じている。
私たちは、その信念を必ず貫きとおす。絶対に諦めない」
この気持ちが歌として昇華され、力や心の支え、思いとなり放たれた、この日。一色よ、また元気な姿でギターを弾きながら、君ならではの歌を我々に届けてくれ! 僕たちは近いうち、また君に会えることを強く信じている。そして、それをいつまでも待っている! !


写真はライヴ終了後、参加メンバー、共演者、お客さん全員でラストに撮ったもの。分かりにくいですが、みんなで、つばきの”つ”を手で表わしています。

Report : 池田スカオ和宏
Photo : MAI OGAWA


写真は、関東近県では有名物販女子「だるまっち」こと高橋理恵さんです。この日は、つばきと、共演したセカイイチのグッズを販売してくれました。いつもありがとう!!


【つばきフレンズ SET LIST】

1.妄想列車
2.夜と夢の鼓動
3.月の夜にいつもの川
4.君がいなければ
5.バタフライ
6.声の行方
Encore
En.太陽


【つばきフレンズ That Evening MEMBER】

B. 小川博永(つばき)
Dr. 岡本奈穂子(つばき)
Vo. 海北大輔(LOST IN TIME)
Vo. 小高芳太朗(LUNKHEAD)
G. 山下壮(LUNKHEAD)
G. 竹尾典明(Fozztone)


【つばき PROFILE】

2000年4月、大学進学のため上京していた一色を中心に「椿」結成。
2001年3月に小川、2002年5月に岡本がそれぞれ加入し、現在のメンバーとなる。
2002年10月、バンド名を「椿」から「つばき」へと改名。
2002年11月に1000枚限定で発売したミニアルバム「向こう側」は1ヶ月で完売。以後、コンスタントにリリースをしながらライブを中心に精力的に活動。
2005年2月にはシングル「昨日の風」でメジャーデビュー。
2008年からは活動の場をインディーズに移し、同3月にアルバム「覚醒ワールド」、2009年3月にはアルバム「流星ノート」をリリース。
同年11月からライブ会場限定CD「花が揺れる/最低な気分、雨に打たれて」を発売開始。(現在は完売)
レコ発となる「東名阪ワンマンツアー”花に雨”」を盛況に終わらせ、2010年1月から「ライブ会場限定レコ発ツアー “花に雨”」で全国を回る。
また2010年はつばき結成10周年ということで、毎月10日に「つばき10th Anniversary “正夢になった夜”」を開催中。
さらに同年8月にニューアルバム『夜更けの太陽』をリリースし、秋にはレコ発ツアー『つばき 2010レコ発ツアー「夜更けの太陽」~響き合うココロの旋律~』で全国を回る。ファイナルの代官山ユニットのワンマンライヴを大成功に収め、その後、全国ツアー『つばき2010レコ発ツアー「夜更けの太陽」~再び出会うココロの旋律~』を11月19日より敢行。
2010年12月、一色療養のためつばき一時活動休止
現在までに6枚のフルアルバム、2枚のミニアルバム、1枚のベストアルバム、11枚のシングル、1枚のライブDVDを発売している。


【つばき NEW ITEM】

NEW ALBUM
『夜更けの太陽』
UKCD-1130
¥2,625(Tax in)
NOW ON SALE
【UK.PROJECT inc.】

M-1. 太陽
M-2. 声の行方
M-3. いたい
M-4. 震える手、光射す部屋
M-5. バス停前
M-6. 秘密
M-7. 雨に涙目
M-8. 夜更けの旋律
M-9. 夜が明けるまで
M-10. 僕だけの季節


【NEXT LIVE】

shimokita round up4
2011.11.03(thu)
CLUB Que / SHELTER / GARAGE / CLUB251 / 440 / ReG / Daisy bar / Laguna その他
w /アシガルユース/the ARROWS/THE ANDS/EG/Any/ELEKIBASS/シュリスペイロフ/STAn/テツコ/ハネムーン/ヒツジツキ/hare-brained unity/POP CHOCOLAT/未完成VS新世界/ミックスナッツハウス/村田知哉/ヤーチャイカ/THEラブ人間/WONDERVER/e-sound speaker/カミナリグモ/SAKANAMON/真空メロウ/Sorrys!/太平洋不知火楽団/タニザワトモフミ/D.W.ニコルズ/BYEE the ROUND/BAND A/門田匡陽/LOVE LOVE LOVE/0.8秒と衝撃。/つばきフレンズ


【ARTIST HOMEPAGE】

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