CLUB Que 夏ノ陣2008 [RETURN TO NATURAL]VS SERIES おとぎ話/アナログフィッシュ

Filed under: LIVE REPORT — タグ: , — LUCK'A @ 2008.08.29

おとぎ話/アナログフィッシュ
2008.07.15
@CLUB Que

音楽性や客層も多少違うが、なんとなく近しい世界観を持った2組をあえてブッキング。下北沢のライヴハウスQueにて、7月中旬より行われていた「CLUB Que 夏ノ陣2008 [RETURN TO NATURAL] 2マン・シリーズ」。その2発目の7月15日。おとぎ話とアナログフィッシュという、これまた音楽性は違うが、シンパシーを持ち合っている2組の共演が実現。この日のQueは、この2組を見たく、早期からソールドアウトを記録した。

仕事の関係上、残念ながらアナログフィッシュのライヴには間に合わなかったのだが、会場であるCLUB Queの入り口で入場手続きをとっていると、会場からはおとぎ話の登場を告げるSEが鳴り出し始めた。どうやらおとぎ話のライヴには間に合ったようだ。そのSEに乗り、メンバーがステージに登場するのとほぼ同タイミングで僕も場内にイン。
彼らのステージを観るのは、今年の1月以来だから約半年ぶり。その間に数多くのライヴや全国ツアーを行ったりと、かなり揉まれてきたようなので、今回はその成長ぶりでも是非観せておうと、ステージ前方に陣取る。
ギター&ボーカルの有馬の「イェーイ」の一言の後、1曲目「ハローグッバイ」からスタートしたこの日のおとぎ話のライヴ。ドリーミ−でうっとりとした表情で歌う有馬と、ドラム前越のコーラスは今晩も良い感じ。メローにたゆたう中、ダイナミックに絡む牛尾のギターソロに聴き入っていた。そしてここでようやく気づいたのだが、これまでギターの牛尾の立ち位置がやや真ん中だったのに対し、今回は下手(しもて=ステージ向かって左側)になっている!!もしや、この辺りもここ最近の繰り返すライブを経てへの新しい変化なのか?楽曲の方は、ラストに向け、やけくそと高揚感のないまぜとなった怒濤のなだれ込みを見せ、そのままノンストップで、夜の浜辺に響き渡っているようなナンバー「ナイトスイミング」に突入。途中からはミラーボールも回り出し、ドリーミ−さも倍増。手をつないで夜明けを観に行こうと歌われる部分と、長い間奏部に何か熱いものを感じる。


続いて、メローなイントロから入るも一変。誰にでもあった少年時代を歌った「KIDS」が飛び出す。中間部分からはお客さんの手拍子も交え、少年時代の甘酸っぱさを振り切り怒濤の大人へと突入かのような箇所は相変わらず高揚する。いやー、いつも思うのだが、おとぎ話のライヴに来ると男の子にいつの間にか戻ってしまっているなぁ…。
それにしても、バンド・アンサンブルや曲の展開の安心感や流れ、そしてキチンとハーモニーが取れる部分等々、以前よりはかなりスキルアップしていて驚いた。いやー、ここ最近数多く行われたライヴは、確実に彼らを成長&安定感あるものにしたようだ。
そんな以前よりも自信がついたようにも見えるステージ上での彼らの佇まいになんか非常に嬉しくなる。ニヤニヤ。

そして、そのテンションの上がりとバランスを取るかのように、沈黙の中、みんな黙々とチューニングを始める。このアンバランスさがいかにも彼ららしい(笑)。チューニングが終わると、有馬が「おとぎ話は、メンバー全員中2の時に悪魔に出会いました」とのMCの後、新曲「ネオンBOYS」を開始。この秋に発売を予定しているニューアルバムにも入るであろう、明るいナンバーだ。
続いては「BOYS DON’T CRY」。君とつながっていたいと心で叫んでいるかのような歌。引っ越しをした後で、やたらテンションが高いというベースの風間のグルーヴィ−さも今まで以上だ。
そして、ワイルドで豪快なイントロと「続けるってなんて素敵」「続けるってなんて大変」と歌われる、「BLANK POP!!!!(空白の時代を塗り潰せ!)」が始まる。ここまで来れた彼らならではの信憑性と”もう、分かっているくせに”とでも言いたげな、有馬の歌い顔。曲の後半で意識的にか無意識的にか、高揚の中発した「僕らの時代さ、さぁやってくるゾ!!」の煽りには、「続けていれば自分たちの時代が待っているから、大丈夫。ほら、僕たちをご覧よ」とでも歌っているかのように誇らしげに響いた。
再び静けさと共にチューニングタイム。新作のタオルを手に持ち、「新しいT-シャツです」と、わざとお茶目に宣伝。会場を苦笑に誘うも、続くほのかなハピネスとマジカルさを感じる「SMILE」では、曲通り、聴いているこちらも釣られてニコニコしてしまった。この両極(笑)。

三度、静けさと共にチューニング・タイムが訪れる。PAから流れるシュワ−とした音とチューニング中の生音しか聞こえない。そして、そのチューニングが終わると、こちらも新曲、「俺達に明日は無い」が始まる。Aメロの繊細さと、Bメロのダイナミックさのコントラストとファルセットを交えた歌い方も印象的。一見、絶望感を描きながらもその実、その先の希望を歌うふり幅の大きなナンバーだ。
そして、ラストは牛尾のボトルネックをイントロに「FESTIVAL EXPRESS」で締め。トラベリンバンド的歌内容と、希望&自信に満ちたナンバーだ。「新しい旅立ちの時がくるさ」と明るく歌い、少年時代と惜別しているかのように響く。最後の「僕ら止まりません。おとぎ話でした」の締め文句は、最近の確かな自信が発せさせた、なんだか彼らのマニュフェストのように響いた。

そして、アンコール。客席全員をしゃがませ、客席の真ん中にイスを持ち出し、有馬が弾き語りにて「とびらをあける」をノスタルジック感たっぷりに歌う。その弾き語り感を演出するかのように、軽く自分たちの楽器で色を添える他のメンバーたち。会場全体がみんな自分を思い返すように聴き入っていたのが印象的だった。 正真正銘のラストは「パレード」。前越のフロアタムを活かしたドラムが弾語りでまったりとしていた雰囲気を暴力的に掻き破る。途中から倍テン(テンポが倍になる)のだが、そこから更に盛り上がりは加速度をアップ。ステージ上もフロアも大熱狂状態に。やけくそに絶叫に近いアジテート・スタイルのボーカルをとる有馬。いやー、終わった後はかなりスッキリとした(笑)。

終始、おとぎ話の昨今の成長の著しさと、秋に発売を予定しているアルバムの充実感を実感出来た今回のライヴ。そう、おとぎ話のパレードは今後もガンガンと続いていくのだ!!
(レポート : 池田スカオ宏)


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【セットリスト】
M-1.ハローグッバイ
M-2.ナイトスイミング
M-3.KIDS
M-4.ネオンBOYS
M-5.BOYS DON’T CRY
M-6.BLANK POP!!!!(空白の時代を塗り潰せ!)
M-7.SMILE
M-8.俺達に明日は無い
M-9.FESTIVAL EXPRESS
Encole
En-1.とびらをあける
En-2.パレード


【おとぎ話2ND ALBUM】

▼ALBUM TITLE:理由なき反抗
■Track List:
1.)ネオンBOYS
2.)FUN CLUB
3.)また、よろしく
4.)おとぎ話の「愛」のテーマ
5.)赤へ飛び込め
6.)クラシック
7.)理由なき反抗
8.)BLUE BLUE
9.)SMILE
10.)俺達に明日は無い
11.)FESTIVAL EXPRESS
12.)とびらをあける

■レーベル: U.K. PROJECT
■品番:UKFT-004

■発売日: 2008年10月8日発売予定
■価格:2310円(税込み)


【ARTIST HOMEPAGE】
http://www.otgbanashi.com/

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