通勤時間とフィッシュマンズ 2
では、木曜日のブログの続きを。
フィッシュマンズの話だったよね。
今思い返すと、彼らのライブはこの構築した作品性を新たにことごとくぶち壊しては、全く違った風に再構築させるものだったなぁ…。
回りの信頼のおける知人達に進められるままにライブに行き、自分の持っている彼らへのイメージが崩れ落ち、そこからは足しげく通うようになった、12年前。そう、今振り返ると、ちょうど先日聴いていた『空中キャンプ』の頃からだったなぁ、ちゃんと彼らと向き合い出したのは。
クラブクアトロ、新宿リキッドルーム、日比谷野音、夏のイベントライブ…。作品とは全く違った、あの暴力的にもデフォルメされ、再構築された音楽に浸りに各会場に足を運んでいた。穏やかな時の心地良さの中の恍惚感。そして、それを突如ぶち壊すようなリアルタイムのダブ処理。心地良さよりも、”そこまでフェーダーを上げるなよ”というぐらい暴力的にダブ処理される音と、それが止み、曲のテーマに戻った瞬間のあのカタルシス。そして、その後、蘇ったがごとく再び響いてくる、あの佐藤君の歌声。うーん、俺ってMだな(笑)。
回りに人が居る事も忘れ、ライヴ中は、まるで没頭していくが如く、その振り回される音になす術もなく浸るしかない自分。そうだ。フィッシュマンズのライブは、いつも大勢の人と一緒に観ていたはずなのに、いつもポツンとたった独りで体感していた気がする。作品の中に宿られている、考えさせられる色々な事とは正反対に、受け入れるだけで、どこかに連れて行ってくれた彼らのライヴ。
そうだ。彼らのライヴは常に自分を独りぽっちにさせてくれた。それが僕が午前、しかも通勤時間帯に聴きたくなる要因だったんだな。
ようやく分かった。
さあ、月曜日は何を聴いて通勤しようかな。
P.S. この前、SUPER BELL”Zと向谷実(カシオペア)の音楽&鉄道に関する対談の取材をしてきました。SUPER BELL”Zの2人は、常にあのコスチュームを着ていました。
ゴールデンウィーク進行(ゴールデンウィーク中は、会社や印刷所等が休みなので、前倒しで作業を進めなくちゃならないこと)の大量の原稿をようやく全て片付けたと思ったら、ゴールデンウィーク空けすぐ入稿の仕事が早くもドサッ来始めた。ゴールデンウィークを休もうと思って、ガムシャラに頑張ったが、やっぱり今年もあまり休めそうにない。人が休む為に頑張っている献身的な自分。そんな自分の姿に酔ってます。