メタルの醍醐味はやはり2バスによる地響きのようなドラムでしょう。
春が近くなるとここ数年、シンニード・オコナーの1990年に大ヒットした、「ナッシング・コンペアズ・トゥー・ユー」が聴きたくなる。今年も昨日、洋楽「S」の棚から引っぱり出して通勤の途中で聴きながら出社した。
そこにはノスタルジック性は全く無い。あのシンプルな音色と荘厳さ、その中に圧倒的な声の強さと祈りにも似たあの歌唱は、ヒーターの要らなくなる頃にピッタリだと今でも思う。
今日は、加藤と福岡とで中野サンプラザに「JAPAN HEAVY METAL FANTAZY KANSAI NAGURIKOMI GIG」というタイトルの44MAGNUM、EARTHSHAKER、MARINOの80年代初旬を華々しく飾ったメタル・グループによるイベントに招待されていたので観に行ってきた。
同じく今日、誘われていたsyrup16gの解散武道館を断ってまで行ったのは、僕にとってある種のケリみたいなものだったのかな。
ちょうど25年前にその3グループはデビューしたんだけど。その頃、僕はまだ中学生。実は中学の頃はメタル大好き少年で、当然上記の3バンドのデビュー作も聴いていた。”彼らのライヴが観たいな…”なんて思っていた矢先、突然パンクに目覚め、以後メタルとは全く接点が無くなっていった。
なので、今日は半ば同窓会チックなノリ(もちろん、加藤や福岡は僕より1〜2世代下なので、そんなノスタルジック的なものは微塵も無いだろうけど)を期待し、13年程前に買ったSCHOTのワンスターのライダースの革ジャンを引っぱり出し、約7年振りぐらいに袖を通す(以前は余裕でしまっていたフロントのファスナーが太ってしまらなくなったのはショックだった)。
会場もそんな往年のお客さんが集まっており、その人達は一様に僕と同じく、昔着ていた洋服類を引っぱり出して、何年か、十数年ぶりに再度装着。その全くの似合わなさはまるで、自分を鏡で見ているがごとし(笑)。
そんな逆背伸びしている我々を尻目に、その上記の3バンドはカッコ良かったな。正直、もう少し彼らのルックスも変わっていて、今、彼ら往年の曲をプレイしても、なんかおっさんバンドが久々にステージに立ちます的な、ちょっとコミカル&苦笑ものの同窓会的なものかな?なんて想像していたんだけど、いやー、どのバンドもカッコ良かった。演奏もシッカリしていたし。今までずっと演り続けたバンドかと錯角をしてしまう程の完璧さ。いやー、堪能させてもらいました。
おかげさまで家に戻るや否や、フライングVのギターを引っぱり出して、ギターソロを弾くところ…なのだが、残念ながらギターを持っていない僕は、さっきからギターソロをエアギターで弾いているのでした。