傘を持ったおじさんも降ってきた「空から降ってくる vol.5~劇場編」
People In The Box
傘を持ったおじさんも降ってきた
「空から降ってくる vol.5~劇場編」
毎年恒例となっている、People In The Boxが自身の通常ライヴとは異なるコンセプチュアルな内容で送る、劇場公演型ライヴ「空から降ってくる」。5回目となる今回は、「空から降ってくる vol.5~劇場編~」と題して、名古屋、大阪、福岡、仙台、東京にて行われました。とは言っても、さすがは音の鳴りや響きにこだわる彼ららしく、各地通例のロックバンドがほとんど使用しない、どれも空間性豊かなホールを起用。東京は、港区・芝にある「メルパルクホール」にて行われました。
今回のツアーでは、彼らの「ツアー限定ディーププレート」「ツアー限定 扇子」「ロゴTシャツ」「缶バッジ」をLUCKON GRAPHICSがデザインし、ラッカが作成。ディーププレートや扇子といった、今回のツアーのみのスペシャルなグッズ類も目を惹く中、各地好評を博しました。
【空から降ってくる vol.5~劇場編 限定 ディーププレート】
「雲の傘を持ったおじさんが歩いているイラストを描き、プレートの周りにデザインしました。どの向きからも楽しむことができます」LUCKON GRAPHICS
「これまでもこのシリーズでは、グラスやマグカップ等、食器類のグッズを定番として交えてきました。そんな中、今回はメンバーからのリクエストでお皿、しかもカレーを食べることができるようなある程度深さのあるものとの希望がありました。しかし、この皿選びが大変で(笑)。お皿の縁までデザインが入るものを選定し、ラウンド印刷をさせることでとてもユニークなモノが出来上がったと思います。このお皿で食べるご飯はいつもより美味しく感じるはず(笑)!」マーチャンカトー
【空から降ってくる vol.5~劇場編 限定 扇子】
「ディーププレートにも登場したおじさんが扇子の中を延々と歩き続けているようなデザインにしています」LUCKON GRAPHICS
「今回のツアーは、時期が夏、そして劇場での公演ということもあり、扇子の提案をしました。公演内容的に扇子を仰ぎながら、ゆったりと観るイメージがあったもので(笑)。通常はこういったグッズでは、紙扇子が多いのですが、People In The Boxの雰囲気としては、布の方が良いだろうと思い、布と竹を材料とした扇子を作りました。デザインの細い線が上手く出るかにはかなり気を使いましたね」マーチャンカトー
【ロゴTシャツ】
「古いアンティーク調のトレーシングペーパーをコラージュしてデザインしました。良く見てみるとかわいらしい柄が隠れています」LUCKON GRAPHICS
「一見、ベーシックなものに見えますが、その中のグラフィックが実は画像になっているんで、かなり細かいんです。なので、それを再現する為、プリント手法やインクを色々と試しながら作り上げていきました」マーチャンカトー
【缶バッジ】
「お猿が傘を持っている、なんともシュールでかわいらしいデザインですす」LUCKON GRAPHICS
「実はこのヤマブキっぽい色を上手く出すのが大変でした。何度かトライして色を合わせてやっとできたんです!何気ないこだわりをアピールしてみました笑」マーチャンカトー
毎回、People In The Boxの新しい側面が見れるこのイベント。加え今年はさらに大きな音楽的進化を感じることが出来ました。
この日のライヴは2部構成。第一部にチェロ奏者の徳澤青弦さんを迎え、一部、二部共にハイスイノナサの照井順政さんがサポートギターとして参加しました。
満場の中、一部では徳澤さんも参加したオーケストラ風のアレンジの上、照井さんを交えたPeople In The Boxの4人が厳かにプレイ。ハタノさんはピアノを弾きながら歌うスタイルにて、各楽曲を披露。また、メンバー内で「フォーマルな格好にしよう」と決め、各々が思う”フォーマルな格好”で演奏
する姿は、「聞かせる」ためのしっとりとした落ち着いた雰囲気を醸し出しており、気品と優雅さの中、いつもとは違った形にて、彼らの音楽を楽しむことが出来ました。
そして、1部と2部の間には、用意されたスクリーンに映像が流され、2部では、ドラムの山口さんが三重県に行った際に購入したお土産の「しょうゆ」を客席の椅子の下に2つ隠したというサプライズ(両方とも無事に発見され、その席に座っていたお客さんにプレゼント)も。この2部では、通例のロック
バンド、People In The Boxのスタイルでプレイされ、1部では着席していた客席も総立ち。ステージ上をハタノさんが動きまわり、お客さんも自然と体を揺らすライヴを展開しました。
さぁ、来年はどんな趣向を凝らしてくれ、また違った彼らの側面が見れるのでしょうか? ちょっと気が早いですが、来年の「空から降ってくる」が、もう今から楽しみでなりません。