さまざまなアイデンティティが詰まった新世代バンドコンピCD『36.5℃』
Rock Compilation Album
『36.5℃』
CRCP-40288
¥2,300(tax in)
【NIPPON CROWN】
NOW ON SALE
15ものさまざまなタイプのロックにカテゴライズされる楽曲が収められていながらも、このアルバムに参加しているバンド/アーティストたちには、共通しているところがある。それは<アイデンティティ>だ。
彼らは日頃、ライブを通し、ある者は「自分を分って欲しい!」と叫び、ある者は「ここにいるから見つけて欲しい」と願い、ある者は「自分はこんなもんじゃねぇ!!」と唸り、ある者は「自分って何だろう?」と問い、ある者は「これが自分だ」と放ち、ある者は「本当の俺はどこだ?」と探し、その一つひとつを自身や聴き手に投げかけるがごとく、得れる保証もない明日や未来、この先に向けて、それでもそれらを信じながら歌う。そして、そこに何の闇雲さもないところは、やはりみながそれぞれにキチンと自身のアイデンティティを持っている表れに他ならない。
『「今」とこれからのロックシーンを代表する、新世代バンドをコンパイルした”2011年” 決定盤ロックコンピ』とCDの帯に書かれたキャッチ通り、この盤には、これからのバンド、いや、聴き手にとってのアイデンティティの再発見や促しが、楽曲それぞれに用意されている。
私小説的な世界観を多分に持ち、自身を取り巻く評判や風評、環境の変化と、それでも揺るがない価値観を歌い上げるamazarashi。乱数字的に幾何学なメロディを奏でるピアノと、そこに乗るピュアで透明感のある少女性溢れる女性ボーカルが印象的なハイスイノナサ。泳ぎ回るギターとポストロック的アプローチ、そしてナイーブな歌が”返しておくれよ””愛しておくれよ”と歌うdry as dust。疾走感のあるサウンドに乗せ、”汚れた世界や汚れた自分だからこそ丸ごと愛さなくちゃ”と気づかせてくれる秀吉。歪ませた歌声と、メロディアスに漂うギターや動きの多いベース、ハットやシンバル鳴りまくりの変拍子感たっぷりなSuiseiNoboAz。グルーブ感溢れるファンキーさと勢いの同居、キャッチーなメロディと途中から切り込んでくるサックスも印象的なクリープハイプ。メロディアスでムードたっぷりな童謡的世界を展開する踊ってばかりの国。男女ボーカルの融合と、広がっていくサウンドもたまらない、聴かせ、納得させる歌面の方(もう一方はハチャメチャ面)を提示した0.8秒と衝撃
。。疾走感と勢い、適度な暴発感やラウド感の中、ハイトーンな歌声を聴かせるTHE UNIQUE STAR。高速BPMの4つ打ちハイハットのディスコロックと、サビでの上昇感や解放感がたまらないtoday is the day。ぶっ太く引っ張るベースと、ドライヴするツインギター、聴き進めるうちに体温も上昇していく、サビのストレートな疾走感も気持ち良いcaroline rocks。ファズの効いたギターを中心に醸し出すスリリングさと不穏さ、楽器の抜き差しと妙なドライヴ感が生み出すサバト感もたまらない、盤中唯一の英語詞のWHITE ASH。抜き差しやメリハリ、サビでの解放感と、曲全体に漂うサウンドによるドラマティックさが特徴のカフカ。独特のリバーブやエコー感、その中から現れる神秘性や浸らせ漂わせる歌世界が特異なwooderd chiarie。ノイジ―さとまどろみや穏やかさの同居、緩やかな上昇感がどこか幻想的でサナトリウム的なリリックと歌声で聴く者を掴むAntelope。
収録しているバンド/アーティスト、日常のリアルを独特な表現で写し出す人気カメラマンの川内倫子さんによるジャケット写真、アートディレクション&デザインを手掛けたデザイン集団、LUCKON(ラクオン)。手前ミソながら、まさに<最強コンピ>だと胸を張っておススメしたい。
【SONG LIST】
<収録曲 / アーティスト>
1.無題 / amazarashi
2.少年の掌 / ハイスイノナサ
3.orange juice / dry as dust
4.きたない世界 / 秀吉
5.shoegazer(t.d.b.b DEMO) / SuiseiNoboAz
6.HE IS MINE / クリープハイプ
7.バケツの中でも / 踊ってばかりの国
8.黒猫のコーラ / 0.8秒と衝撃。
9.ベートーヴェンを聴きながら / THE UNIQUE STAR
10.Stay tune / today is the day
11.白昼夢 / caroline rocks
12.Stranger / WHITE ASH
13.Annie / カフカ
14.バー / wooderd chiarie
15.夢遊病 / Antelope